【2979】SOSiLA物流リート投資法人(東証REIT) NT
現在値 154,600円/1株 P/E 33.6 P/NAV 1.25 5月分配 11月分配 投資主優待なし
住友商事をスポンサーとする物流REIT。ポートフォリオの2割まで産業不動産も取得可。
予想分配金は年2回の合計5,204円配のため、予想分配金利回りは約3.36%です。
業績を確認していきます。
■2020年05月期_第1期 営業収益 22.4億円、経常利益 10.1億円 DPU 2,173円
■2020年11月期_第2期 営業収益 23.5億円、経常利益 11.2億円 DPU 2,390円
■2021年05月期_第3期 営業収益 30.6億円、経常利益 13.8億円 DPU 2,520円
■2021年11月期_第4期 営業収益 31.4億円、経常利益 14.1億円 DPU 2,577円
□2022年05月期_第5期 営業収益 35.4億円、経常利益 15.4億円 DPU 2,550円 ce修正
□2022年11月期_第6期 営業収益 37.1億円、経常利益 15.9億円 DPU 2,654円 ce
2021年11月期_第4期の落着は第3期比2.7%増の31.4億円、経常利益が同2.2%増の14.1億円と対前期・対予算で上振れとなり、分配金は同50円増の2,577円(うちOPD268円)となりました。トップラインはSSL海老名とSSL西淀川の巡行化のほか、10月期中取得のLiCS成田(52.5億円/鑑定NOI4.8%)の部分寄与があり増収となりました。他方、原価面については、固都税費用化開始、および、第3期に燃調費や季節要因で使用量が減少した水光熱費の戻りのほか、取得物件増によるAM報酬増があった一方で、1st_POの増資コストが剥落しました。
進行期である2022年5月期_第5期の見通しは、営業収益が第4期比12.7%増の35.4億円、経常利益は同9.4%増の15.4億円、分配金は同27円減の2,550円(うちOPD284円)を見込んでいます。大幅増収については、昨年12月に実施した2nd_PO(※後述)によるSSL海老名ほか2物件の新規取得、同10月取得のLiCS成田の通期稼働効果が主な要素となります。原価はかかる取得による借入コスト、AMFeeの増加、増資コストの一括計上を見込むほか、季節要因で減収する水光費の原価減はあまり見込んでいないとみられ、結果として分配金ベースでは希薄化によりマイナスとなる見通しです。
また翌2022年11月期_第6期の予想についても開示しており、営業収益が第5期比4.8%増の37.1億円、経常利益は同2.9%増の15.9億円、分配金は同104円増の2,654円(うちOPD322円)を予定しています。PO物件で4月1日取得となるSSL板橋、SSL尼崎が巡行化して増収し、原価面でもAMFeeや鑑定費用が増加するものの、増資コスト剥落のほか、新規物件の固都税費用化開始も一部のため、分配金ベースでは100円を超える増加となります。
当法人は昨年12月の2nd_POで約107億円(@159,311円)を調達し、事前取得済の「LiCS成田」にくわえ、「SSL海老名(38 %)」「SSL板橋」「SSL尼崎(10%)」の合計4物件を計202億円、均しの鑑定NOI4.5%で取得しました。前回POで一部取得していた希少性の高い「SSL海老名」の持分38%追加取得が目玉であり、今次追加取得で完全所有権化するものの、いかんせん前回取得の鑑定NOI4.4%から僅か1年で同4.1%まで▲30bp.も潜ってしまったので、ハイスペックな旗艦物件と言えども厳しさを感じさせる内容でもありました。
当法人は中期目標として、上場後5年(2024年頃?)をメドに当初AUM700億円を2,000億円まで膨らませる計画です。スポンサーである住友商事側で名有りとなっている開発物件は18物件(延床約101万㎡)あり、うち9物件(延床約40万㎡)に当法人の優先交渉権が付されています。足許の株価水準は引き続き大き目のNAVプレミアムが付されており、インプライドを考慮すれば外部成長は容易な状況です。レバ上限のLTV45%まで150億円分の取得余力を確保しており、POによらずレバを効かせるだけでも年率5%を超える分配金成長が可能な状態が継続しているとみられます。
*参考記事① 2021-03-31 138,600円/1株 NT
【2979】SOSiLA物流リート投資法人/住商の物流パイプライン着実増で、安定増配が続こう。
*参考記事① 2020-10-15 136,700円 NT
【3493】SOSiLA物流リート投資法人/当面は安定した分配金成長が見込まれる、初回PO待ち。
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