【2979】SOSiLA物流リート投資法人(東証REIT) NT
現在値 138,600円/1株 P/E31.59 P/NAV1.25 5月分配 11月分配 投資主優待なし
住友商事をスポンサーとする物流REIT。ポートフォリオの2割まで産業不動産も取得可。
予想分配金は年2回の合計4,929円配のため、予想分配金利回りは約3.56%です。
業績を確認していきます。当投資法人は昨年12月のIPO銘柄となります。
■2020年05月期_第1期 営業収益 22.4億円、経常利益 10.1億円 DPU 2,173円
□2020年11月期_第2期 営業収益 23.5億円、経常利益 11.2億円 DPU 2,390円
□2021年05月期_第3期 営業収益 30.6億円、経常利益 13.3億円 DPU 2,448円 ce修正
□2021年11月期_第4期 営業収益 30.8億円、経常利益 13.4億円 DPU 2,481円 ce
2020年11月期_第2期の営業収益は前期比4.9%増の23.5億円、経常利益が同10.8%増の11.2億円で着地し、分配金については同217円増の2,390円となりました。予算比でも上振れで着地しており、トップラインについては期末寄りの10月に平塚ラストワンマイルセンターを12億円(鑑定4.8%)で取得したことが主な増収要因です。原価についてはこの平塚取得に伴う運用費用増や英文開示費用があったものの、消費税還付加算金や営業外費用バッファ等が寄与し、ボトムラインで13百万円上振れています。なお、分配金のうちOPD(利益超過分配)は予定通り211円吐き出しており、EPS上振れ分の+27円が最終DPUに反映されています。
進行期である2020年11月期_第3期の見通しについては、営業収益が第2期比30.1%増の30.6億円(従予:23.3億円)、経常利益は同19.3%増の13.3億円(従予:11.0億円)に修正しています。分配金については同58円増の2,448円(従予:2,363円)を予想しているほか、うちOPDについても同50円積み増し261円を予定しています。この上振れについては、昨年11月に実施した1st_PO(※後述)によるSSL海老名、SSL西淀川Ⅱの新規取得効果のほか、上述の平塚の通期稼働効果が主な要素となります。原価についても今次POによる新株発行費用のほか、新規借入にともなう融資関連費用や支払利息増加があるものの、飲み込んで増配を予想しています。
また翌2021年5月期_第4期の予想についても開示しており、営業収益が第3期比0.8%増の30.8億円、経常利益は同0.6%増の13.4億円と横引きで予想しており、分配金についても同33円増の2,481円(うちOPD281円)を予定しています。今次PO取得物件の稼働日数が3日程増えて完全に巡航化する一方で、新規取得物件の固都税費用化開始やAM報酬の増加が重くのしかかるものの、営業外の新株発行費用や融資関連費用が▲82百万円剥落するため、営業外の費用減により増配基調が維持される見通しです。
当法人は昨年11月の1st_POで約115億円(@118,206円)を調達し、「SSL海老名(62%)」「SSL西淀川Ⅱ」の2物件を計242億円で取得しました。平均鑑定NOIは4.6%であり、中でも東名道と圏央道の結節点となる海老名JCT/ICに程近く希少性の高い「SSL海老名」を146億円(鑑定4.4%)で取得したことが特筆であり、次回以降のPOで残りの38%持分の取得に期待がかかります。
当法人の中長期的な成長目標は上場後5年をメドに現在のAUM1,008億円を2,000億円まで膨らませる計画となっています。スポンサーである住友商事側で名有りとなっている開発物件は11物件(延床約54万㎡)あり、そのうち11物件(延床約47万㎡、物件数と延床が異なるのは持分による相違とみられる)に当法人の優先交渉権が付されています。足許の株価水準はNAVプレミアムが付されている状況にあり、インプライド・キャップレートを上回る水準での取得が可能と考えられることから、当面はPOを活用した順調な外部成長が進むものと判断されます。現状のLTVは依然37%程度であることから、当面の上限とする45%までは155億円分の取得余力を確保しており、レバを効かせるだけでも、年率換算で4~5%程度の分配金成長は十分可能と考えています。
*参考記事① 2020-10-15 136,700円 NT
【3493】SOSiLA物流リート投資法人/当面は安定した分配金成長が見込まれる、初回PO待ち。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。