【1887】日本国土開発(東証プライム) OP
現在値 550円/100株 P/E 7.06 P/B 0.64 5月配当 11月配当 株主優待なし
重機土木工事得意。東日本地震の復旧復興で実績。03年に会社更生手続が終結。
配当金は5月末・11月末の年2回の合計26円で、配当利回りは4.73%となります。
日本国土開発は株主優待制度を導入しておりません。
業績を確認していきます。
■2018年5月期 売上高 1,175億円、営業利益 156.6億円 EPS 137.9円
■2019年5月期 売上高 1,195億円、営業利益 145.7億円 EPS 140.0円
■2020年5月期 売上高 1,185億円、営業利益 103.6億円 EPS 91.3円
■2021年5月期 売上高 1,178億円、営業利益 105.6億円 EPS 88.9円
■2022年5月期 売上高 1,267億円、営業利益 73.0億円 EPS 77.8.0円 ce修正
□2021年11月2Q 売上高 581億円、営業利益 25.4億円 EPS 25.2円
□2022年02月3Q 売上高 856億円、営業利益 24.0億円 EPS 24.6円(4/14)
2021年11月中間期の売上高はYoY▲3.9%の581億円、営業利益はYoY▲52.0%の25.4億円で着地し、期初予算との比較は無いものの減収増益となりました。期ズレ案件を含む潤沢な期初受注高(1,517億円)を抱えていたものの、工事開始遅延や前年同期の土木好採算案件の剥落が影響しました。主な引渡案件は、北茨城市太陽光発電所建設⼯事(大阪ガス、政投銀)、BIZCORE神田須田町(日鉄興和不動産)であり、新規受注についてはインソース九州ビル(インソース)、千葉富士見町ビル等を受注し、受注高自体もYoY▲36.9%の340億円と低調に留まりました。
なお2022年5月期の通期見通しについては、3Qで減額しており、売上高YoY+7.6%の1,267億円(期予:1,500億円)、営業利益はYoY▲30.9%の73.0億円(期予:102.0億円)に修正しています。建築事業で名有りとなっている竣工予定工事は、ユーファクトリー鶴⾥⼩学校 物流センター建設⼯事、MIMARU SUITES堀留町(東急不動産)、新⼤阪オフィス(大和ハウス工業)等となっています。当初より織り込まれていた好採算の復興土木工事縮小のほか、設計施工案件の期中受注遅れ、工事進捗と引渡しの遅延もあり、松島太陽光の売電収入の増加では埋めきれない見通しです。
進行期は3年中計の最終年度としての位置付けであり、直近3ヵ年で売上高を1,195億円→1,350億円(CAGR5%)へと引き上げる一方、営業利益を145億円→100億円(CAGR▲11%)へマイナス成長させる計画としていました。これは2019年の上場前後に大型の好採算案件が多かったことや、利幅の厚い東日本復興関連工事が売上の約6割を占めていたことから、これら一過性要因の剥落が甚大なことに由ります。ただ、上述のとおり直近の減額修正により表記目標は既に未達確定的となっています。
本中計期間においては、土木事業・建築事業に関連事業をくわえた三事業体制の構築による業績安定化を企図し、従来の土木事業依存から脱却する方針としています。特に建築事業については、好採算かつスケジュール管理もしやすい設計・施工方式による受注高の拡大を図っています。また、昨年末には五反田に本社を置き、地下鉄やトンネル・ダム等の地下構造物の防水工事に強みを持つ藤信化建(推定年商10億円弱)をMAも繰り出しているほか、関連事業にについても松島太陽光発電所(50.4MW)の巡行稼働入りで年20億円上乗せしているため、不調な建設部門(土木・建築)の減益を少なからず穴埋めしています。
株主還元については据置年26円の配当を予定しています。当社は実質無借金状態で、自己資本比率も50%程ですが、過去に経営破綻した経緯から保守的な資本政策が採られています。そのため、配当フォーミュラについても、一過性要素を排除した上での配当性向30%が強く意識されていましたが、今次下方修正の前後に拘わらず計算される配当性向は33.4%のため、やや柔軟になってきたような印象ではあります。
*参考記事① 2021-10-16 599円 OP
【1887】日本国土開発/期ズレ工事で増収も採算性後退、配当ポリシーには微妙な変化も。
*参考記事② 2021-03-22 626円 OP
【1887】日本国土開発/松島完工で太陽光発電100MWが視野、70周年記念配に期待。
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