【9286】エネクス・インフラ投資法人(東証インフラ) OP
現在値 91,200円/1株 P/E 30.1 P/B 1.05 5月分配 11月分配
伊藤忠エネクスをメインスポンサーとするインフラファンド。サブスポンサーはSMTBなど。
予想分配金は年2回の合計6,000円配のため、分配金利回りは約6.57%となります。
業績を確認していきます。
■2019年11月期_第2期 営業収益 12.5億円、経常利益 3.15億円 DPU 5,980円
■2020年11月期_第3期 営業収益 15.7億円、経常利益 2.21億円 DPU 6,000円
■2021年11月期_第4期 営業収益 46.0億円、経常利益 8.96億円 DPU 6,000円
◇2022年05月期_第5期 営業収益 25.2億円、経常利益 5.66億円 DPU 3,000円ce修正
◇2022年11月期_第6期 営業収益 26.9億円、経常利益 6.74億円 DPU 3,000円ce修正
2021年11月期_第4期の営業収益は第3期比3倍の46.0億円、経常利益は同4倍の8.96億円と大幅な増収増益となったものの、期初予算を下回りました。2020年12月にPOで松坂を取得(※後述)したことにより、当該物件がほぼ通期寄与したものの、夏場の天候不順やその松坂での火災事故発生による出力不足が影響し、実績発電量は計画比で97%となりました。一方、分配金(DPU)は予定通り6,000円となったものの、予算ショート分には賃料リザーブからの補填が含まれており、利益超過分配のうち資本払戻しのOPD分は3,354円、ATA分は83円となっています。
進行期である2022年5月期_第5期からは6ヵ月決算に移行するため比較出来ないものの、営業収益は25.2億円、経常利益は5.66億円を予想しています。3月に紋別(66億円、買取単価40円)の期中取得を公表しており、期末にかけて一部寄与します。2月分まで開示されている月次によれば、3ヶ月累計の実績発電量は予想を0.5GWh程下振れており、引き続き九州電力管内での出力制御影響も若干あるものの、概ね予算線での進捗とみられます。なお、DPUは第5期並みの3,000円を据え置くものの、紋別取得による実態利益(EPS)増加により、利益超過分配を1,597円→1,380円に減少させています。
なお今回新たに公表した2022年11月期_第6期については、営業収益は第5期比6.8%増の26.9億円、経常利益は同19.0%増の6.74億円を予想しています。増収増益となるのは、偶数期の方が季節性要因で発電量が増加するほか、第5期中取得の紋別が巡行稼働に入ることによる上乗せが主要因です。DPUは3,000円を据え置くものの、うち超過分配を1,071円まで減少させる方針であり、EPSによる実態利益分配が太宗となります。
当法人は2020年末の1st_GPOで約215億円(@84,268円)を調達し、松坂を取得しました。松坂は402億円とメガトン級の案件であるものの、FIT買取単価は32円であり、他物件の36~40円と比べると見劣りします(パーセンタイル50超過分は半分の歩合賃料が発生)。ただ本件取得により、上場時の資産規模から3.4倍に成長してポートフォリオが一気に安定化したほか、上場初期の物件よりも高率歩合の物件割合が増えたため、天候出来高によるアップサイド余地が増加しています。
当法人の中長期的目標については、向こう4年程で当初資産規模の180億円を1,000億円まで膨らませる方針ですが、1st_GPOと今次紋別の取得により658億円級にまで成長させています。ただ紋別についてはレバ取得であり、期末の想定LTVは57.3%とかなりの高水準となる見込みです。そのため、現状のスポンサーパイプラインは12物件(121.8MW)あるものの、財務は悪化しているため、再度POを待つ格好となります。
*参考記事① 2021-03-18 90,300円 OP
【9286】エネクス・インフラ投資法人/大型グローバルPO&DPU据置も、内容はアクリーティブ。
*参考記事② 2020-04-03 85,200円 OP
【9286】エネクス・インフラ投資法人/潜在的な実力値は高いが、外部成長機会は当分先か。
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