【3561】力の源ホールディングス/麻生グループに対する第三者割当で16億円調達、財務はひと息。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3561】力の源ホールディングス (東証1部)  OP

現在値 579円/100株  P/E 61.4  P/B 5.15  3月配当優待 9月配当優待

博多ラーメン店「一風堂」が柱。フードコート、ラーメンダイニング等の業態も。
配当は無配予想となっています。

力の源ホールディングスは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末に単元株を保有する1年以上保有株主には、ラーメン1杯無料券を進呈しているため、850円の「赤丸新味」注文時における配当優待利回りは約2.93%となります。なお本食事券で同伴1名までが無料(計2杯無料、その場合の想定利回りは約5.87%)となります。

業績を確認していきます。
■2018年3月期 売上高 244億円、営業利益 9.0億円、EPS 27.9円 

■2019年3月期 売上高 274億円、営業利益 9.5億円、EPS 26.2円

■2020年3月期 売上高 291億円、営業利益 6.9億円、EPS▲9.0円

■2021年3月期 売上高 165億円、営業利益▲9.8億円、EPS▲100.8円 

■2022年3月期 売上高 201億円、営業利益 5.4億円、EPS 10.3円 ce

□2021年9月2Q 売上高 87.6億円、営業利益 2.6億円、EPS 3.9円 
□2021年12月3Q 売上高 141億円、営業利益 6.0億円、EPS 5.1円(2/14) 

2021年9月中間期の売上高はYoY+23.9%の87.6億円、営業利益は同黒転(12億円の損益良化)の2.6億円となりました。「一風堂」を中心とした国内の既存店売上高(SSS)は、前年ハードルが極めて低かったものの、引き続き営業時間の短縮を迫られたほか、酒類提供休止も影響し、上期累計は98.0%水準に留まりました。同様に海外事業についても、各国政府からの営業休止や時短要請があったほか、台湾やシンガポールではロックダウンがあったことから、比較可能店舗だけ(要はまともに営業できる店舗のみ)を切り出したSSSも112.8%と想定以下となりました。


2022年3月期の通期見通しは期初予想を据え置いており、売上高はYoY+21.7%の201億円、営業利益は同黒転(15億円の損益良化)の5.4億円を見込んでいます。当社の場合、各種休業費用を特損段階で損失認識するものの、最終利益2.4億円と黒字を確保する見込みです。国内SSSは足許2月分まで開示されており、3Qで新型肺炎禍が一時小康状態にあったことから持ち直しており、再悪化した1月・2月で再び後退したものの、10ヶ月累計は100.9%に浮上しています。海外SSSについては、3Qから一部地域でのロックダウンも解除となったことから、3Q終了時点で116.1%まで上昇しています。


当社は中長期的な業績の数値目標は掲げていないものの、KPIとして2025年を目処に国内300店舗・海外300店舗の展開を計画しており、8年程で店舗数を2.6倍にする方針としています。国内は従業員への“暖簾分け”による出店を図るほか、海外はFC方式で短期大量出店を果たす目論見でしたが、新型肺炎禍による不採算店閉鎖も多く、足許の展開店舗数は内外合計280店と目標の半分以下に留まっているような状況です。

 

そのため、今後は初期投資が従来の半額(25~40百万円)で済む新店舗フォーマットを開発し、従来の人口密集立地・繁華街への出店ではなく、小商圏の郊外やロードサイドへの出店を進める方針です。新フォーマット出店は、2020年末の浅草橋を皮切りに、2021年には亀有、横浜泉、岸和田、武蔵小山、堺など既に計7店まで順調に拡大しており、今後の出店ドライバーとしての期待がかかります。

 

他方、財務状況については、2020年に主力行である西日本シティ銀らから協調融資25億円を引いた一方、資本増強策として昨年5月に三者割当増資で16.4億円を調達したほか、2024年5末を行使期限とする20億円分のMSワラントを発行しています。三者割の引受先は飯塚を拠点とする地方財閥である麻生グループを、MSワラントの引受先は米国機関投資家のWEISS ASSETを引っ張ってきており、筋の良さが光る資金調達となっています。MSワラントの方は行使が殆ど進んでいないとみられるものの、本件取組により目下の自己資本比率は18%台まで回復しており、資金繰り的にもまずは一息ついたような印象です。

 

*参考記事① 2021-02-16 610円 OP

【3561】力の源HD/財務状況は一段と悪化も、近郊・郊外軸に出店を継続。

 

*参考記事② 2020-09-19 720円 BY

【3561】 力の源ホールディングス/海外における新型肺炎の沈静化が成長軌道復帰の要件。

 

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