【4917】マンダム(東証1部) OP
現在値 1,230円/100株 P/E --.- P/B 0.88 3月配当 9月株主優待
「ギャツビー」「ルシード」など男性化粧品首位級。女性用も育成、海外はインドネシアに強み。
配当は3月/9月の年2回・36円配当のため、配当利回りは約2.93%となります。
マンダムは株主優待制度を導入しており、3月末現在の100株以上保有の株主に対して、5,000円分の自社製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約6.99%となります。
業績を確認をしていきます。企業会計基準29号の収益認識基準(新収益)を採用しています。
■2018年3月期 売上高 813億円 営業利益 84.5億円 EPS 130.2円
■2019年3月期 売上高 789億円 営業利益 71.3億円 EPS 108.8円
■2020年3月期 売上高 817億円 営業利益 59.7億円 EPS 97.7円
■2021年3月期 売上高 633億円 営業利益▲7.9億円 EPS 19.1円
■2022年3月期 売上高 580億円 営業利益▲24.0億円 EPS▲14.4円ce修正(2/1)
□2021年9月2Q 売上高 293億円 営業利益▲6.4億円 EPS 7.2円
□2021年12月3Q 売上高 426億円 営業利益▲10.2億円 EPS 5.3円(2/1)
2021年9月中間期の売上高はYoY▲12.6%の293億円、営業利益はYoY▲15億円の▲6.4億円となり、期初予算を下回りました。主力の国内市場については、夏場の気温低下や長雨により夏商材が苦戦してYoY▲9.9%となったほか、海外主戦場のインドネシアについても新型肺炎禍による外出機会の減少でYoY▲13.2%に沈みました。商品別ではフェイス、ボディケアが低調だった一方、スタイリング剤・クレンジング剤が回復し、ブランド別では男性向けのGATSBYが夏場の天候不順の影響を色濃く受けた一方、女性向けのBifestaは横ばい、LUCIDO‐Lは横ばいとなりました。
なお2022年3月期の通期見通しは3Q時点で再度減額しており、売上高はYoY▲8.4%の580億円(期予:640億円)、営業利益はYoY▲16.1億円の▲24.0億円(期予:9.5億円)に修正しており、新収益基準への移行により従前よりトップラインが7%程度縮むことを考慮した実質ベースでも減収減益見込みとなります。当初、国内市場では前期末に実施した主力品のリブランディング効果の発現が期待されていたものの、商品構成上“稼ぎ時”となる上期が天候不順の影響で不発となったほか、海外市場も新型肺炎禍の長期化影響を受ける見通しです。
今期は2024年3月期を最終年度とする3年中計の初年度となっており、最終的に売上高815億円、営業利益65.2億円(営業利益率8.0%)の達成を目標としており、新型肺炎前である2020年3月期の業績水準の奪回を目指しています。注力取組事項として、①ブランド革新、②インドネシア再生、③デジタル化とイノベーション等が挙げられています。①は、GATSBYのキャラクターを佐藤健氏、Bifestaを本田翼氏に変更しイメージ刷新を図るとともに、スタイリング剤や制汗剤等のイメージが強いGATSBYを男性コスメにリブランドしたほか、女性向けのBifestaも「∴M4」という新スキンケアブランドを自社通販限定で投入しています。
ただ現状では天候や新型肺炎禍といった外部要因影響を大きく受けており、リブランド効果の発現が限定的となっているほか、前モデル品の返品負担や、前期末に設備増強を実施した福崎工場新生産棟の減価償却費の増加も重く、利益が一段と圧迫されている状況です。②のインドネシアについても、同国の商流がこれまでのキオスクのような小商店等中心からECへ変化している影響を受けるほか、先駆的な当社は基本的には「市場を守る」側の立場であるため、市場回復局面で商流とブランドを維持できるかどうか正念場を迎えています。
財務面については、30億円程度の有利子負債を控除して140億円程のネット現金を抱えており、好財務状況(自己資本比率は76.3%)となっています。そのため、今次中計の3年間は増配継続を還元ポリシーに掲げており、併せて現状80億円弱保有している政策保有株式も純資産の10%以内に縮減していく方針としていることから、業績の如何によらず年36円の配当は守られる見通しです。
*参考記事① 2021-07-22 1,875円 OP
【4917】マンダム/最需要期の夏場は低調の公算。西村元延氏が退任し、次男が社長就任。
*参考記事② 2012-12-28 2,384円 OP
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