【9946】ミニストップ/FC契約刷新もあり、店内調理弁当を急拡大して集客強化。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9946】ミニストップ(東証1部) NT

現在値 1,399円/100株  P/E --.-  P/B 1.45 2月配当優待 8月配当優待

イオン系コンビニで業界4位。関東、東海地盤。ファストフードに強み。
配当金(実績)は年2回合計で20.0円のため、配当利回りは約1.43%となります。

ミニストップは株主優待制度を導入しており、2月末・8月末の単元株以上の株主に対し、ソフトクリーム券を5枚進呈していますので、1枚235円換算した場合の配当優待利回りは約3.10%となります。

業績を確認していきます。      
■2018年2月期 売上高 2,069億円、経常利益 11.9億円 EPS▲32.9円 

■2019年2月期 売上高 2,053億円、経常利益 7.4億円 EPS▲31.6円 

■2020年2月期 売上高 1,934億円、経常利益▲21.2億円 EPS▲196.6円 

■2021年2月期 売上高 1,801億円、経常利益▲49.9億円 EPS▲222.7円 

■2022年2月期 売上高 2,038億円、経常利益▲0.8億円 EPS▲102.1円 ce

□2021年8月2Q 売上高 918億円、経常利益▲23.7億円 EPS▲91.5円

□2021年11月3Q 売上高 1,415億円、経常利益▲22.1億円 EPS▲132.6円(1/12)


2021年8月中間期の売上高はYoY+3.7%の952億円、経常利益はYoY+9億円の▲14.8億円となり、期初予算との比較は無いものの増収増益となりました。計画上の国内SSS前提106.8%に対し、新型肺炎禍の継続で102.3%止まりとなったものの、本部経費削減等の原価低減で利益は浮上しています。商品構成別では、マスク等の衛生用品が引き続き堅調に推移したほか、店頭FF品のタピオカプリンやハロハロメロン、米飯の駅弁や大盛シリーズ等が人気を博し、軒並み増となりました。総店舗数に関しては、国内微減・韓国微増・その他海外は微減となり、トータルでは純減36店となり、上期末の総店舗数は5,278店となりました。


2022年2月期の通期見通しは期初のものを据え置いており、売上高YoY+13.1%の2,038億円、経常利益YoY+49億円の▲0.8億円を予想しています。足許10ヶ月分まで開示済の月次SSSによれば101.2%と依然前年をクリアしているものの、計画との乖離が開いています。下期は好調な米飯強化を図る方針であり、在宅勤務等でも食べ応えのあるチャーシュー弁当の投入や、炊飯量増加により470店舗で実験中の店内調理を更に拡大します。尚、1月12日開示の3Qは売上高YoY+2.7%、経常利益YoY+9億円と2Qからの失速が確認されるため、通期見通しは達成不可とみられます。

 

新型肺炎禍のため足許で走っている中計は無いものの、①PVシフト、②ソフトクリーム事業拡大、③FCモデル刷新、といった取組を掲げています。①は弁当ベンダーの仕入を抑制し、店内調理品も多い「やみつキッチン」にシフトします。当社は元来、食事目的型のコンビニとしての認知度が高いことから、付加価値の高い弁当を主軸とした食事をトリガーに買い回りを促進させる戦略です。具体的には専用棚を設けて日中は店内炊飯弁当を、夕方以降は「おうちで居酒屋」と称した店内調理惣菜をラインナップするほか、CMやSNS投入により大々的な遡及を図ります。

 

②は知名度の高いソフトクリーム専門店を展開する方針でしたが、新宿小田急の1号店などの先行出店店舗は既に閉鎖していることから、既に出店見送りムードとみられます。そのためどちらかというと、①の店内弁当強化により、ソフトクリームやデザートドリンクも買い回って貰うような路線にシフトしている模様です。③はコンビニ本部に対する“世間的風当たり”対応として、廃棄弁当やアルバイト人件費・社会保険料、家賃といった店舗運営経費を本部共通化し、営業時間も柔軟化することで、加盟店の士気回復を図っています。昨年、従来型FC契約を廃し、粗利チャージの所謂ロイヤリティ方式ではなく、事業利益を折半で分け合う新スキームに変更しています。これにより、加盟店は①の店内弁当の廃棄ロスに怯えることなく、十分な陳列量を確保可能となります。

 

他方、株主還元については、有利子負債をネットしてなお100億円超の現金を抱える好財務状態(自己資本比率は30.0%)であることから、最終赤字が継続する見込みではあるものの、年20円水準の有配が継続される公算が高い状況です。

 

*参考記事① 2020-12-08 1,368円 NT 

【9946】ミニストップ/業界に先駆けロイヤリティ方式を廃止するも、地力不足感は否めず。

 

*参考記事① 2020-07-09 1,455円 NT

【9946】ミニストップ/公表ベースでは通期未定も、社内予算では均衡圏が目標か。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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