【7512】イオン北海道(東証一部) NT
現在値 1,275円/100株 P/E 39.3 P/B 2.90 2月配当株主優待
北海道のスーパー大手、アークス・生協と3強。マックスバリュ北海道と経営統合。
配当金は2月一括の12円配当のため、配当利回りは0.94%となります。
イオン北海道は株主優待を実施しており、2末の単元株主に対して、2,500円の優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.90%となります。
業績を確認していきます。
■2018年2月期 売上高 1,866億円、営業利益 85.9億円 EPS 61.4円
■2019年2月期 売上高 1,867億円、営業利益 82.2億円 EPS 37.8円
■2020年2月期 売上高 1,859億円、営業利益 81.0億円 EPS 36.6円
■2021年2月期 売上高 3,199億円、営業利益 93.6億円 EPS 42.1円
■2022年2月期 売上高 3,250億円、営業利益 88.0億円 EPS 32.3円 ce
□2021年2月期 売上高 1,600億円、営業利益 20.8億円 EPS 7.5円(10/6)
2021年8月中間期の売上高は前年同期比1.6%増の1,600億円、営業利益は同37.8%減の20.8億円となり、減益を予想していた期初予算にも届きませんでした。上期末にかけて感染状況が悪化したことから、衣料品セグの既存店売上高(SSS)は100.4%、住居余暇セグも同97.4%まで急降下し、構成比の高い食品セグこそ同101.6%を確保したものの、全社SSSは101.0%となりました。利益面については石狩プロセスセンター(イオン石狩PC)の稼働開始による初期コストや、抑制してきた販促費を積み増したため、減益幅が大きくなっています。
2022年2月期の通期見通しについては、売上高が前期比1.6%増の3,250億円、営業利益が6.0%減の88.0億円の期初予想を据え置いています。新型肺炎禍の一巡により食品買い溜め仮需一服にくわえ、衣料品の回復が遅れることから、概ね横ばい予想となっています。利益については、石狩PCの初期コストのほか、新店投資等に166億円を投じるため、営業利益へのインパクトは▲21億円に及ぶほか、売上が横ばいの一方、営業時間平常化により人件費・水光熱費等が増加するため減益幅が大きくなります。尚、出店は食品店を中心に5店程を計画しています。
当社はマックスバリュ北海道(MV北海道、旧7465)との統合2年度目の今期から新中計を公表しており、5年後の2026年2月期に売上高を3,199億円→3,800億円、営業利益を93億円→157億円にそれぞれ引き上げる計画です。本来、MV北海道の単体売上高約1,350億円・営業利益約16.5億円が上乗せされるものの、目下では統合諸経費(▲9億円)の方が嵩んでいるような状況です。他方、中計5年で顕在化させるシナジー(仕入規模効果、物流費用削減等)見込額は8億円程に過ぎないため、トップラインもさることながら、より一層の原価削減を推進しない限りは達成が難しいものと解されます。
本中計の方針は、①付加価値向上、②顧客化推進、③地域連携、④収益構造改革の4点となっており、目玉は本年8月に竣工させた石狩PCです。旧ダイエー進出予定地であったほどの大きさ(延床9,000坪)を誇るメガトン級のPCであり、自社畜産品に代表される道産生鮮品の取扱い強化にくわえ、MV北海道との統合規模効果を生かしきるべくデリカ食品の製造機能を増強します。本PCの稼働により、午前中のうちに各店総菜の品揃えレベルが向上するなど成果がみられています。既に自前のPCを抱えている競合のアークスや生協より出遅れていましたが、形的には追いついた格好です。
財務の状況については、自己資本比率は40%台半ばで推移していたものの、脆弱なMV北海道を飲み込んでなお40.4%を確保しています。配当は据置となる年12円を予定しており、計算上の配当性向は37%に上りますが、今期は一過性費用増が色濃く出た配当性向のため還元余力を余しており、機動的な自社株買いもしくは増配が期待されるところではあります。
*参考記事① 2021-07-03 1,122円 NT
【7512】イオン北海道/MVとの統合効果発現には要時間、石狩の大規模PCが稼働開始へ。
*参考記事② 2018-06-13 809円 NT
最高益更新続くが、マックスバリュ北海道との統合は?イオン北海道(7512)。
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