【8008】4℃ホールディングス/残存者利益享受するアパレルが好伸、高率の株主還元が継続。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8008】4℃ホールディングス (東証1部)  NT

現在値 1,673円/100株  P/E 16.2  P/B 0.91  2月配当優待 8月配当

宝飾「4℃」のエフ・ディ・シィ・プロダクツが中核。カジュアル・実用衣料の製造小売りも。
配当金は2月末・8月末の合計83円配当のため、配当利回りは4.96%となります。

4℃ホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末に単元株を保有する株主に対して2千円相当の自社製品等を進呈しておりますので、配当優待利回りは約6.15%となります。

業績をチェックしていきます。
■2018年2月期 売上高 480億円、営業利益 61.0億円、EPS 207.1円 

■2019年2月期 売上高 471億円、営業利益 49.8億円、EPS 96.0円  

■2020年2月期 売上高 449億円、営業利益 39.7億円、EPS 112.2円  

■2021年2月期 売上高 394億円、営業利益 27.6億円、EPS 75.0円 

■2022年2月期 売上高 405億円、営業利益 28.0億円、EPS 102.6円 ce
□2021年8月中 売上高 177億円、営業利益 3.9億円、EPS 13.0円(10/8) 

2021年8月中間期の売上高は前年同期比1.2%減の177億円、営業利益は同62.0%減の3.9億円と対前・対予算ともに減収減益での折り返しとなりました。ジュエリー事業は、緊急事態宣言の再発出や入居商業施設のクラスター発生・消費マインド低下により前年割れとなりました。他方、アパレル事業は実用衣料のパレットのSSSが102.4%と好調だったほか、計画超の6店を出店したことによる上乗せもあり、想定超となりました。なお、利益については前期特損計上していた休業人件費を原価に戻したため、営業利益段階の減益幅が大きくなっています。


2022年2月期の通期見通しについては、1Q段階で減額したものを据え置いており、売上高は前期比2.7%増の405億円(期予:420億円)、営業利益が同1.2%増の28.0億円(期予:33.5億円)を見込んでいます。ジュエリー事業は新規X'masコレクションの拡大や、42万人の既存会員に対する拡販、広告費を1.6倍投じる等の販促強化により、最需要期の3Qに“リベンジ消費”の獲得を狙うほか、アパレル事業も通期出店を10店まで上積みする計画です。全社では好調なアパレルが低調なジュエリーを補う計画ですが、この12月の消費マインドが全てのため、現時点では予算達成は不透明です。

 

進行期は3年中計の初年度であり、最終年度である2024年2月期迄に売上高を394億円→450億円、営業利益27.6億円→37.5億円まで引き上げる計画です。内訳はジュエリー事業が売上高206億円→220億、営業利益は21.3億円→28.0億円、アパレル事業が売上高188億円→230億円、営業利益は8.9億円→12.0億円とそれぞれ3割強の増益を見込むほか、株式交換に伴って発生したのれん償却が年5億円程度発生しているため、当該控除前の営業利益で42.5億円を目指します。

 

ジュエリー事業については、各種女性誌に年間100頁超の広告を出稿し、コア層である30代(ギフトは25歳~35歳が主要顧客)へのリーチ強化を図るため、インスタやyoutuber化粧部員とのコラボにより、一部SNS界隈で棄損しがちな4℃のリブランディングを図る方針です。原価面ではそもそも百貨店等は歩率家賃で原価率がそこまで高くないものの、EC比率向上で更なる好採算化を目指します。

 

他方、アパレル事業については、パレット会員が年4万人ペースで増加しているほか、関西へのドミナント出店により同エリアでの知名度が飛躍的に向上しています。特に関西では同業アパレルが新型肺炎禍で次々と撤退していることからディベロッパーからの出店誘致も相次ぐなど商機が高まっており、CM等のマス広告がワークするなど規模化恩恵を受ける段階に入っています。そのため、全社ではアパレル事業の好伸と、ジュエリー事業の最悪期脱出で中計目標は達成可能圏にあるものとみています。

 

財務状況については、自己資本比率は72.6%かつネット無借金と高位安定状態を継続しています。株主還元については、DOE4%と将来の年100円配当を掲げ、2円増配の年83円配当を予想しています。計算される配当性向は80.8%、DOEも目標を超える4.5%と空前の大還元となっていますが、当社はのれん償却前ベースのEPSを重要指標をしていることから、なお余裕があり、今後も年100円を目指して増配基調が続くものと考えています。

 

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