【2972】サンケイリアルエステート投資法人(東証REIT) OP
現在値 124,800円/1株 P/E 22.0 P/NAV 1.03 2月分配 8月分配
サンケイビルをスポンサーとする総合型。オフィスビル8割、その他サブアセットが2割。
予想分配金は2月末・8月末の年2回合計5,661円配で、分配金利回りは約4.54%となります。
業績を確認していきます。当法人は2019年3月のIPOとなります。
■2020年2月期_第2期 営業収益 19.3億円、経常利益 10.6億円 DPU 2,995円
■2020年8月期_第3期 営業収益 20.5億円、経常利益 9.0億円 DPU 2,532円
■2021年2月期_第4期 営業収益 21.4億円、経常利益 10.1億円 DPU 2,849円
■2021年8月期_第5期 営業収益 21.7億円、経常利益 10.1億円 DPU 2,862円
□2022年2月期_第6期 営業収益 27.7億円、経常利益 13.8億円 DPU 2,958円ce修正
□2022年8月期_第7期 営業収益 28.0億円、経常利益 12.6億円 DPU 2,703円 ce
2021年8月期_第5期の営業収益は第4期比1.3%増の21.7億円、経常利益は同0.2%減の10.1億円とほぼ計画通りの着地となり、分配金も同77円増の2,862円と計画同額となりました。第4期期中取得の赤坂の巡行化にくわえ、ブリーゼ埋め戻しテナントのフル寄与、第4期の賃料増額効果発現といったトップライン上乗せにより、原価の赤坂固都税費用化開始や、季節性の水光熱費増、修繕費の反動増等を飲み込んで増収増益となったものの、翌第6期の2nd_POにかかる融資関連費用を当期計上したこともあり、分配金は予算並みに留めています。
進行期である2022年2月期_第6期の見通しも修正しており、営業収益は第5期比27.6%増の27.7億円、経常利益は同36.2%増の13.8億円、分配金も同96円増の2,958円に増額しています。これは9月に実施した2nd_POで新規4物件(総額251億円/鑑定NOI4.4%)を取得したことによる収益上乗せが大きく増収に寄与し、一部オフィステナントの退去や、第7期迄は新型肺炎禍による貸会議室等へのマイナス影響を見込むものの、融資関連費用の剥落もあり、大幅増配となる見通しです。
今回公表された翌2022年8月期_第7期の予想については、営業収益が第6期比1.2%増の28.0億円、経常利益は同8.6%減の12.6億円、分配金は同255円減の2,703円を予想しています。東陽町や大森の埋め戻しによる増収効果を見込む一方、ブリーゼと日比谷の解約が足を引っ張るほか、2021年取得物件の固都税費用化開始と猶予されていた洗替が発生する影響で固都税負担が増大し、分配金水準が巡行状態まで大きく切り下がります。
本法人は本年9月に2nd_POを実施しており、約133億円(@121,327円)を調達しています。取得は全4物件251億円(均し鑑定NOI4.4%)であり、品川シーサイドTSタワー109億円(持分25%/鑑定NOI3.9%)と筆頭に、日立九州ビル100億円(鑑定NOI4.8%)、S-GATE赤坂14億円(持分20%/鑑定NOI3.3%)、宮崎台ガーデンオフィス28億円(鑑定NOI5.0%)を取得しています。NAVparすれすれではあるものの、既存ポートNOI利回りを上回る物件取得となっており、築浅の赤坂の持分で出来上がりの利回りを調整されてしまった印象は残るものの、アクリーティブな内容となりました。
当法人は中期目標として、2021~2022年頃にAUM2,000~3,000億円とFTSE EPRA/NAREITといった指数組入れを目指していました。AUMは今次PO後でも1,000億円弱と遅れているものの、EPRA/NAREITに関しては12月20日から組入が決定しています。また、スポンサーのサンケイビルの物件拠出意向は依然根強く、高品位中小型ビルのS-GATEを中心に、サブアセットとして物流施設の開発も急いでいることから、次回以降はこれらの組み合わせで利回りとアセットを整えた上でのPOが想定されます(ホテルに関しては賃料コミットしている関係で、スポンサー側から外してくる可能性が高い)。
*参考記事① 2020-12-09 95,100円 OP
【2972】サンケイリアルエステート投資法人/依然として内部成長余力は大きく、ホテル賃料も確保。
*参考記事② 2020-06-17 99,100円 NT
【2972】サンケイリアルエステート投資法人/パイプライン物件山積みで、あとは株価回復待ち。
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