【3458】シーアールイー/REIT拡大により循環型再投資進み、向こう5年は年率2割弱の成長。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3458】シーアールイー(東証1部)  OP

現在値 1,739円/100株  P/E 9.5  P/B 1.79 7月配当優待 1月優待

物流施設の賃貸管理、開発、アセットマネジメント。首都圏地盤。
配当金は7月末の一括の24円配当のため、配当利回りは1.38%となります。

 

シーアールイーは株主優待制度を実施しており、1月末・7月末の単元保有株主に対して、500円分、7月末の株主に対しては1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.24%となります。

業績を確認していきます。

■2018年7月期 売上高 335億円、経常利益 31.0億円 EPS 83.3円 

■2019年7月期 売上高 239億円、経常利益 13.8億円 EPS 27.9円 

■2020年7月期 売上高 411億円、経常利益 40.4億円 EPS 103.7円 

■2021年7月期 売上高 475億円、経常利益 53.1億円 EPS 130.4円 

■2022年7月期 売上高 616億円、経常利益 76.0億円 EPS 182.0円 ce
□2022年1月中 売上高 409 億円、経常利益 58.2億円 EPS 151.3円 四e

 

2021年7月期の売上高は前期比15.4%増の475億円、経常利益は同31.2%増の53.1億円となり、中間時点での修正見通しを超過し3割増益を果たしました。主力の物流投資事業については、傘下の「CREロジスティクスファンド投資法人」が1月にPOを実施し、期ズレさせた「川越Ⅱ」にくわえ、「神戸西」「狭山日高(80%)」を無事に下したほか、中小型倉庫型私募ファンドに改装物件を売却したことから一段増となりました。また、受託物件の増加によりPM報酬が増加したほか、REITの順調な拡大に伴ってAM報酬も拡大し、ストック性収益も増加しました。


進行期である2022年7月期の見通しについては、売上高が29.5%増の616億円、経常利益は43.0%増の76.0億円と3割超の増収増益の継続を見込んでいます。物流投資事業においては、期ズレさせた「三芳Ⅱ」と「狭山日高(20%)」が売却見込みとなっているほか、傘下REITが本年2回目となるPO(※後述)を9月に実行出来たため、大型物件である「大阪交野」223億円の売却が既に完了しています。また、仕掛で抱えている小型倉庫4棟についても私募ファンドに下ろすとみられることから、期末に期ズレさせて先送りする可能性はあるものの、利益予算については達成蓋然性が非常に高いものと考えています。

 

終わった期は3年中計の最終年度であり、目標としていた売上高600億円(CAGR21.3%)、営業利益50億円(CAGR16.2%)については、売上こそ届かなかったものの、利益は過達となりました。本年9月に公表した新中計においては、計画終期を5年後の2026年7月期とし、事業利益(営業利益+持分利益+のれん償却戻し)を62億円→120億円へ年率CAGR18%ピッチで成長させる目標としています。他経営指標についても、ROE15%→15%+、AUM2,000億円→4,500億円、パイプライン2,000億円→3,500億円まで引き上げる計画であり、基本的には物流不動産の循環型再投資でスケールさせていく方針です。

 

成長ドライバーは2017年に上場した傘下の公募REITであり、此方への物件売却が進む見通しです。公募REITは新型肺炎禍における物流アセット選好の流れもあって堅調な株価推移が続いており、2020年1月の4th_POで概算109億円を調達したのに続き、9月には矢継ぎ早に5th_PO(海外募集あり)を実施して概算130億円を調達して「大阪交野」を取得しています。これによりAUMは1,346億円に達したほか、相次ぐプレミアム増資でレバ下げにも成功しており、LTVは4年前から510bps.も改善して44.3%と高い取得余力を維持しています。なお、本中計期間ではAUM倍増を目指す計画です。

 

当社についても、昨年8月に公募増資と自己株式売出で約32億円(@1,503円)を調達しています。希薄化率は8%程度であったものの、第2位株主のケネディクスが“親引け”的に三者割当で自己株処分を引受しており、高いコミットが期待出来ます。ケネディクスは今般、三井住友F&Lに買収されたことから、同社についてもクレジット向上や業容の拡大が見込まれ、当社としてはより多くの有力な“売り先”を確保出来るというメリットが見込まれます。


財務の状況については、2019年のロジコムの買収に20億円を投じ、その後の当社増資により回復したものの、足許でも積極投資が進んでいることから、借入金が膨らんでおり、自己資本比率は26%台にまで落ち込んでいます。当社はPM事業やAM事業で得られた“ストック収益”の50%を配当方針としており、​​​​​​​1円増配となる年24円で計算される配当性向は僅か13.2%に過ぎないものの、引き続き不動産投資で纏まった資金ニーズがあることから、低還元方針は仕方ないものと考えます。

 

*参考記事① 2021-06-02 1,483円 OP

【3458】シーアールイー/傘下REITの1月POで通期利益予算は過達状態、期ズレで翌期も期待。

 

*参考記事② 2020-11-26 1,371円 OP

【3458】シーアールイー/第2位株主のケネディクスの関与継続が確認出来た点は大きい。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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