【3458】シーアールイー/傘下REITの1月POで通期利益予算は過達状態、期ズレで翌期も期待。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3458】シーアールイー(東証1部)  OP

現在値 1,483円/100株  P/E 13.9  P/B 1.55 7月配当優待 1月優待

物流施設の賃貸管理、開発、アセットマネジメント。首都圏地盤。
配当金は7月末の一括の23円配当のため、配当利回りは1.55%となります。

 

シーアールイーは株主優待制度を実施しており、1月末・7月末の単元保有株主に対して、500円分、7月末の株主に対しては1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.56%となります。

業績を確認していきます。
■2017年7月期 売上高 404億円、経常利益 49.5億円 EPS 146円 

■2018年7月期 売上高 335億円、経常利益 31.0億円 EPS 83.3円 

■2019年7月期 売上高 239億円、経常利益 13.8億円 EPS 27.9円 

■2020年7月期 売上高 411億円、経常利益 40.4億円 EPS 103.7円 

■2021年7月期 売上高 547→461億円、経常利益 45.0→45.0億円 EPS 105.8円 ce修正
□2021年1月中 売上高 347億円、経常利益 56.8億円 EPS 147.3円(3/15)

 

2021年1月中間期の売上高は前年同期比3倍の347億円、経常利益は同12.5倍の56.8億円となり、期初予算との比較はないものの大増勢での折り返しとなりました。主力の物流投資事業については、傘下の「CREロジスティクスファンド投資法人」が本年1月にPO(※後述)を実行出来たため、意図的に期ズレさせたとみられる「川越Ⅱ」にくわえ、「神戸西」「狭山日高(80%)」を無事に下すことに成功したことが寄与しました。特に増益幅が大きく拡大したのは、前年同期は売却物件が無かったことも要因の一つとなります。また、受託物件の増加基調によりPM報酬が増加したほか、REITの順調な拡大に伴ってAM報酬も拡大し、ストック性収益も増加しました。


進行期である2021年7月期の通期予算については、中間時点で修正しており、売上高が11.9%増の461億円(期予:547億円)、経常利益は11.1%増の45.0億円(期予:UNCH)と好調な折り返しにも拘わらずトップラインを減額しています。物流投資事業においては、当初予算に織り込んでいた「三芳Ⅱ」を売却候補から外すほか、「狭山日高(20%)」も外し、更に組成予定の「CREマスターリースファンド」についても予想から外したことが要因であり、おそらく上期で利益計数が過達状態まで仕上がってしまったので、今期もまた意図的な期ズレを図っているものとみられます。一方、AM事業や不動産管理事業については、本年8月に吸収合併したロジコムが巡航化するものの、既述のとおり売却予定物件の一部が見送られる可能性があることから、下期予算を減額して調整しています。

 

本年度は3年中計の最終年度となっており、当初計画ではこの2021年7月期にも売上高600億円(CAGR21.3%)、営業利益50億円(CAGR16.2%)、向こう3年間の投資額は900億円を計画していましたが、足許で減額された進行期予算によれば売上は届かないものの、利益は大きく超過達成することが確定的な情勢です。成長ドライバーは2017年2月に公募成りを果たした傘下REITであり、今後の開発物件は原則としてこちらに下す方針としています。傘下REITは新型肺炎禍における物流アセット選好の流れもあって株価を順調に回復させ、2020年1月には2nd_POを実施したほか、7月にも3rd_POで概算108億円を調達し「千歳」「上尾」「三芳」の3物件を取得し、本年1月の4th_POでは概算109億円を調達し「川越Ⅱ」「神戸西」「狭山日高(80%)」の3物件を取得し、中堅REITとしては順調すぎるほどの資産拡大みせています。

 

また当社についても、昨年8月にPO及び三者割当・自己株式売出で約32億円(@1,503円)を調達しており、「狭山日高」に16億円、「大阪交野」に16億円と残額を使用します。希薄化率は8%程度であったものの、第2位株主のケネディクスが“親引け”的に三者割当で自己株処分を引受しており、引き続き同社の高いコミットが期待出来る点は評価出来ます。ケネディクスは今般、三井住友F&Lに買収されたことから、同社についてもクレジット向上や業容の拡大が見込まれ、当社としてはより多くの有力な“売り先”を確保出来るというメリットが見込まれます。

 

財務の状況については、2019年にロジコムの買収に20億円を投じたこともあり、自己資本比率で30%水準を割り込んでいたものの、今次POによりまた35%を超える水準にまで回復しており、盤石な状況です。配当予想については1円増配となる23円を予想していますが、当社はPM事業やAM事業で得られた“ストック収益”の半分をメドに配当とすることにしているため、その計算式に照らしたものとなりますが、利益の拡大が急ピッチなため更なる増配も期待できそうです。

 

*参考記事① 2020-11-26 1,371円 OP

【3458】シーアールイー/第2位株主のケネディクスの関与継続が確認出来た点は大きい。

 

*参考記事② 2020-06-09  1,380円 OP 

【3458】シーアールイー/傘下REITが2ndPOを成功、物流選好の流れで飛躍期入りも。

 

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