【3418】バルニバービ/“パソナバブル”に沸く淡路島で集中開発、不動産セグメントも開始。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3418】バルニバービ(東証マザーズ)  OP

現在値 1,043円/100株  P/E 29.7  P/B 4.24 7月配当優待 1月配当優待

カフェ・レストランを直営展開。水辺・公園・公共施設など出店独自色。
配当金は1月末・7月末の合計7.5円配当のため、配当利回りは0.72%となります。

バルニバービは株主優待制度を実施しており、1月末・7月末に単元株を保有する株主に対して1,000円分の優待券を進呈していますので、配当優待利回りは約2.63%となります。なおこの他に長期優遇制度として、店舗での割引や限定のイベントに参加出来るメンバーシップ制度が用意されています。

業績は下記の通りとなっております。

■2018年7月期 売上高 111億円、経常利益 4.2億円 EPS 26.4円 

■2019年7月期 売上高 115億円、経常利益 5.0億円 EPS 35.1円 

■2020年7月期 売上高 94.3億円、経常利益▲8.4億円 EPS▲106.9円

■2021年7月期 売上高 80.4億円、経常利益▲6.2億円 EPS 41.7円 

■2022年7月期 売上高 100億円、経常利益 5.0億円 EPS 35.0円 ce
□2022年1月中 売上高 62.4億円、経常利益▲5.0億円 EPS 80.0円 四e

2021年7月期の売上高は前期比14.7%減の80.4億円、経常利益は同赤字縮小の▲6.2億円となり、期初予想を下回って着地しました。上半期についてはgo toトラベルによる地方流入が多く回復したものの、下半期は緊急事態宣言の再発出で営業時間の短縮や休業を迫られたこともあり、既存店は軒並み低調に推移しました。出退店については、宮下公園に「NEW LIGHT」、高槻市安満遺跡公園に「FARMERS CLUB」、淡路島に「KAMOME SLOW HOTEL」他3店、アトレ土浦に2店を開業した一方、有楽町マルイの「Skew」、キュープラザ原宿の「キュウリ」2店を閉業し、期末店舗数は92店となりました。他方、南禅寺「菊水」の資産及び事業の譲渡により約15億円もの特別利益を計上しています。


進行期である2022年7月期の見通しについては、売上高が前期比24.3%増となる100億円、経常利益は黒転の5.0億円を見込んでいます。テラス席が書き入れ時となる1Qは緊急事態宣言下で棒に振ってしまった公算が高いものの、下期にかけて復活が見込まれます。予算策定は7月頃とみられることから、ある程度保守的な前提と推察され、助成金の入らない営業利益段階ではトントンの計画です。出店については5店前後を見込んでおり、現時点で名有りとなっているのはいずれも淡路島案件で「回転寿司悦三郎」「酒場カフェNEW LIGHT」「尾崎アカデミア」「Long」の4店となっています。

 

当社は中期的な業績の定量目標を開示していません。これまではバッドロケーション戦略を表向きのウリとしながら、実際は大手デべの誘致で都心好立地に好条件で出店していたりしましたが、新型肺炎禍によるトラフィックの変化により、会社側は改めてバッドロケーション(田舎)側に振ってきています。当社は都心と田舎には強いものの、新型肺炎禍において昼間人口は増えて堅調な郊外・ベッドタウンに弱いため、戦略の変更を余儀なくされたものと考えられます。

 

強力推進中なのはパソナとの合弁による淡路島西岸の西浦地区の再開発事業であり、核となる「GARB」を中心に「KAMOME SLOW HOTEL」を開業したほか、近隣でカフェや回転寿司等も開業し、一気に商業集積を進めています。またNECキャピタルソリューションと協業で、周辺の土地を所有権及び借地権で保有し、最終的には宅地分譲して“地上げ”するスキームを推進しており、進行期よりエステートビルドアップ事業として不動産セグメントとして格上げしています。実際に淡路島は“パソナバブル”に沸いており、現状では目論見通りに進んでいる模様です。また、本成功例を活かし、SBIHD&島根銀行とともに、島根県で本PJの“二匹目のどじょう”を狙うべく、別途計画推進中となっています。

 

配当については期初から有配を予想しており、6年連続となる年7.5円配を据え置く予定となっています。淡路島プロジェクトに継続的に資金投下している一方、南禅寺菊水の売却益でB/Sがかなり潤ったため、当面の資金繰りについても問題ない状況です。

 

*参考記事① 2021-05-25 1,015円 OP

【3418】バルニバービ/SBIHD&島根銀行連合と、淡路島PJの第二弾を画策。

 

*参考記事② 2020-11-23  1,021円 OP

【3418】バルニバービ/パソナグループの本社移転で淡路島“地上げ”戦略に弾み、財務も大幅改善。

 

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