【3741】セック (東証1部) OP
現在値 2,415円/100株 P/E 16.4 P/B 1.93 3月配当 株主優待なし
リアルタイムソフト技術に強み、モバイル端末向けや防衛・ロボットも。
配当金は3月一括の年59円配当のため、配当利回りは2.44%となります。
なお、セックは株主優待制度を実施しておりません。
業績を確認していきます。
■2018年3月期 売上高 51.7億円、営業利益 6.2億円 EPS 91.4円
■2019年3月期 売上高 59.8億円、営業利益 8.2億円 EPS 119.8円
■2020年3月期 売上高 63.4億円、営業利益 9.3億円 EPS 134.3円
■2021年3月期 売上高 65.2億円、営業利益 10.1億円 EPS 142.3円
■2022年3月期 売上高 67.0億円、営業利益 10.5億円 EPS 146.7円 ce
□2021年6月1Q 売上高 13.5億円、営業利益 1.1億円 EPS 17.4円(8/10)
□2021年9月2Q 売上高 30.0億円、営業利益 4.0億円 EPS 56.7円 ce
2021年3月期の売上高は前期比2.9%増の65.2億円、営業利益は同8.7%増の10.1億円となり、期初の減益予想から一転して増益着地となりました。移動通信領域で決済関連案件が減少したほか、ネット領域で大規模案件が剥落した一方、社会基盤領域において、官公庁系の医療分野等が好調に推移しました。また宇宙先端領域については大躍進となり、特に車両自動走行研究関連のAIやミドルウェア、ROS関連の開発案件のほか、サービスロボットの研究開発案件が大幅に増加したほか、宇宙天文分野も順調に推移しました。利益面については、社員待遇の改善や外注費が増加したものの、R&D費用の減少もあり増益を確保しています。
進行期である2022年3月期の予算は、売上高が2.7%増となる67.0億円、営業利益は3.8%増の10.5億円と小幅な増収増益を見込んでいます。前提となる期末の受注残高は1年前比9.3%増の25.6億円を確保していることを踏まえると、毎期どおり保守想定とみられます。移動通信領域やネット領域の開発案件については、顧客端境期等の理由で大型案件が見込みずらく横ばい想定となっているものの、官公需を中心に潤沢な受注残高を抱えた社会基盤領域や、需要が強く好採算の宇宙先端領域が牽引する見通しです。8月11日には1Qを開示しており、売上高13.5億円&営業利益は1.1億円で進捗しており、足許受注残も27.0億円と期初より積み増しています。
当社は中長期目標を示していないものの、社会基盤システムやモバイル分野での長い実績に基づく安定的な収益を基盤に、宇宙先端分野(自動運転・ロボット)に注力しています。特にロボット事業の売上高は2014年度を起点に【1.4→3.1→5.8→6.8→11.3→14.1→17.1億円】、と年々伸長しており、足許でも年率2割程の高成長を続けています。
ロボット事業は以下の3軸①ロボットSIer(リアルタイムミドルウェア、ロボットOSといった標準化技術)、②製品適用(自律移動ソフト、可視化ソフト)、③高付加価値化(エンジ、AI、MR、画像認識)で推進しており、従来から強みを持つ①をベースに②・③でドメイン拡大と高付加価値化を進めています。ロボット市場それ自体が高い市場成長を続けていることから、NTTドコモを中心とする通信事業者や完成車メーカー等といった大手顧客基盤が厚い当社は“成り行き”で成長出来る公算が高く、当面は市場成長率かそれ以上の伸びが期待出来そうです。
財務面については実質無借金状態であり、自己資本比率も80%台をキープしています。配当は2円増配の年59円を見込んでいますが、配当性向は既に40%水準に引き上げていることから、これ以上の増配は利益成長次第とみられますが、株価水準次第で自社株買いが期待されるところではあります。
*参考記事① 2020-09-24 3170円 NT
【3741】セック/豊富な受注残抱えるロボット事業好伸で、低進捗も通期で巻き返しか。
*参考記事② 2018-08-07 2,992円 NT
ロボット開発案件増で、1Q 開示前に中間見通しを増額・セック(3741)。
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