ロボット開発案件増で、1Q 開示前に中間見通しを増額・セック(3741)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3741】セック (東証1部) --


現在値 2,992円/100株 PER31.9 PBR2.83 3月配当 株主優待なし

リアルタイムソフト技術に強み、モバイル端末向けや防衛・ロボットも。

 

配当金は3月一括の年38円配当のため、配当利回りは1.27%となります。

なお、セックは株主優待制度を実施しておりません。

業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 41.0億円、営業利益 6.5億円 EPS 88.0円 
■2016年3月期 売上高 46.1億円、営業利益 6.4億円 EPS 87.2円 

■2017年3月期 売上高 44.2億円、営業利益 4.3億円 EPS 61.4円 
■2018年3月期 売上高 51.7億円、営業利益 6.2億円 EPS 91.4円(5/11)

■2019年3月期 売上高 52.5億円、営業利益 6.5億円 EPS 93.7円 ce
□2018年9月中 売上高 25.0億円、営業利益 2.8億円 EPS 41.0円 ce修正 

2018年3月期の売上高は前期比17.0%増の51.7億円、営業利益は50.3%増の6.8億円となり、

増収増益を確保したほか、対予算でも大幅超過となりました。前期に不採算案件のあった

社会基盤システム分野において、官公庁や医療関連の開発が好調で反転増となったほか、

モバイル分野も移動通信向けの開発が好調に推移しました。また宇宙先端分野についても

自動運転やロボットの研究開発の案件が好調で、高い伸び率を維持しました。利益面では、

外注費が大幅増となったものの、トップラインの増加で全てこなし、5割の伸びとなりました。


進行期である2019年3月期の予算は、売上高が1.4%増となる52.5億円、営業利益は4.7%増

の6.5億円小幅な伸びを予想しています。前提となる期末の受注残高は前年同期と比べて

11.6%増の16.1億円まで膨らんでいるため、増収増益基調の維持は問題なさそうです。社会

基盤システム分野が受注低迷により一転反落が予想されるものの、インターネット分野での

非接触ICソフトの受注が好調に推移しているほか、宇宙先端分野の車両自動走行・ロボット

案件の受注残が5割増で推移していることから、業績の牽引が期待されます。足元7月23日

には1Q前にも拘わらず、中間増額しているため、今期も強含みの業績推移が予想されます。


当社は中長期的な定量目標値を示していないものの、社会基盤システムやモバイル分野で

の長い実績に基づく安定的な収益を基盤に、宇宙先端分野(自動運転・ロボット)に注力度合

を深めています。特にロボット事業だけを取り出すと、売上高が(1.4→3.1→5.8→6.8億円)、

と順調に伸長しており、従来から強みを持つリアルタイムミドルウェアにくわえ、ロボットOS

を強化しており、電機メーカーや機械メーカーからの試作機の開発受注が増加している模様

です。元より当社の得意先は、官公庁やドコモなどの高信用の相手先も多く、昨年9月には

東証一部に指定替えとなっているため、不確実性が非常に強い宇宙先端分野でも安定的な

受注が確保出来る信用基盤が着実に構築されつつあります。

 

財務面については実質無借金状態であり、自己資本比率も80%台をキープしています。実績

期から配当性向基準を30→40%へと切り上げているものの、今期は東証一部上場記念配当

の10円分が落ちるため、46→38円(配当性向40.5%)と減配となってしまいますが、既述の通り

今期の業績推移も“翳りのない状況”であるため、業績の上振れを大前提として、46円配当

が維持される可能性も少なくないと考えています。

 

*参考記事① 2017-08-25  2,439円 --

業績手堅い宇宙・ロボット関連銘柄、セック(3741)。

 

 

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