【3741】セック (東証2部) --
現在値 2,439円/100株 PER33.7 PBR2.43 3月配当 株主優待なし
リアルタイムソフト技術に強み、モバイル端末向けや防衛・ロボットも。
配当金は3月一括の年28円配のため、配当利回りは1.15%となります。
なお、セックは株主優待制度を実施しておりません。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 42.5億円、営業利益 6.5億円 EPS 83.7円
■2015年3月期 売上高 41.0億円、営業利益 6.5億円 EPS 88.0円
■2016年3月期 売上高 46.1億円、営業利益 6.4億円 EPS 87.2円
■2017年3月期 売上高 44.2億円、営業利益 4.3億円 EPS 61.4円
■2018年3月期 売上高 45.0億円、営業利益 5.0億円 EPS 70.3円 ce
□2017年6月1Q 売上高 10.7億円、営業利益 1.0億円 EPS 12.5円(8/8)
□2017年9月中 売上高 21.0億円、営業利益 1.8億円 EPS 25.3円 ce
2017年3月期の売上高は前期比4.1%減の44.2億円、営業利益は32.5%減の
4.3億円となり、予算未達で減収減益となりました。社会基盤システム分野
で不採算案件が発生した要因が大きく、その他モバイル、インターネットの
各分野も受注案件が減少し、軒並み減益となりました。一方、宇宙先端分
野に関しては、自動運転やロボットの研究開発案件が増加したため、構成
比で2割を占める当該分野のみ、売上高段階から37%の増収となりました。
進行期である2018年3月期の予算は、売上高が1.7%増の45.0億円、営業
利益は15.5%増の5.0億円を予想しています。前提となる期末の受注高は
1年前と比べて20.6%増の14.4億円まで膨らんでおり、増収増益となる見込
みです。社会基盤システムの不採算案件解消による反発と好調な官公需
が業績を押し上げるほか、自動運転やロボット絡みの案件の受注残高が
飛躍的に増加していることもあり、堅調な業績推移が期待されます。
当社は中長期的な定量目標値を示していないものの、社会基盤システム
やモバイル分野での長い実績に基づく安定的な収益を基盤として、売出
中の宇宙先端分野(自動運転・ロボット)において飛躍的に業容拡大を図る
再成長期にかかっています。特にロボット事業だけを取り出すと、売上が
年々倍々ペース(1.4→3.1→5.8億円)で伸長しており、特有のリアルタイム
ミドルウェア等で高い技術を有する当社の優位性が数字で表れています。
特に当社の得意先は官公庁やドコモなどの高信用の相手先が多く、本年
3月には東証二部に指定替えとなったため、先端技術開発等の確度の低
い案件を受注するために重要な企業信頼度が着実に切り上がっており、
8月22日には既に機械学習分野等で共同研究を進める宇宙航空研究開
発機構・JAXAとも、MR(複合現実)技術による次世代可視化研究の協業も
開始させているため、宇宙航空分野におけるプレゼンスを拡大しています
ちなみに財務面については実質無借金状態が続いており、自己資本比率
も80%台で良化の一途を辿っているような状況であるため、配当性向基準
を進行期から30→40%に切り上げて株主還元を(多少は)強化しています。
今期は10円の記念配当が落ちるため、普通増配2円でも36→28円と大幅
な減配となってしまいますが、業績いかんでは30円くらいまでは復元配当
する可能性が十分にあると考えています。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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