【3837】アドソル日進(東証一部) NT
現在値 2,082円/100株 P/E 21.1 P/B 3.6 3月配当優待 9月配当優待
大企業向け大規模システムの開発に強み持つ。技術水準に定評。
配当は3月末・9月末の年2回で、合計36円のため配当利回りは1.73%となります。
アドソル日進は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点で200株以上を保有する株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.96%となります。なお長期優遇制度もあり、1年以上の保有で500円分のクオカードが追加進呈されますので、その場合の配当優待利回りは、約2.20%まで利回りが上昇します。
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業績を確認していきます。
■2017年3月期 売上高 116億円、営業利益 7.6億円 EPS 59.1円
■2018年3月期 売上高 109億円、営業利益 8.3億円 EPS 61.3円
■2019年3月期 売上高 121億円、営業利益 10.1億円 EPS 75.9円
■2020年3月期 売上高 133億円、営業利益 12.1億円 EPS 89.9円
■2021年3月期 売上高 135億円、営業利益 12.2億円 EPS 89.6円 ce
□2020年9月2Q 売上高 67.9億円、営業利益 6.8億円 EPS 55.0円
□2020年12月3Q 売上高 100.5億円、営業利益 10.3億円 EPS 81.1円(2/4)
2021年3月期の売上高は前期比1.5%増の135億円、営業利益は同5.9%増の12.8億円となり、微増収・微増益を見込んでいた期初予算を上回って着地しました。期初の受注残高は過去最高の31.6億円を確保していたこともあり、新型肺炎禍の影響は軽微となりました。主力の社会インフラ事業については、電気・ガス自由化案件が続伸となり、特にガス会社事業再編や新事業創出案件が好調に推移しました。先進インダストリー事業については、先進EV・自動運転等の次世代自動車関連が計画通りに推移したものの、メディカル関連や決済システム関連で一部モタつきがあったため微減となりました。
2022年3月期の通期見通しについては、売上高が5.0%増の142億円、営業利益は5.0%増の13.5億円と12期連続の営業増益を予想しています。社会インフラ事業における電力・ガス分野の分社化案件(電気は発送電分離、ガスは導管分離)のほか、5G基地局やネットワークといった通信分野が引き続き好調に推移する見込みです。先進インダストリー事業ついても、新型肺炎禍の一巡により、先進EV・自動運転分野への需要が復元する見通しとなっていますが、全社ベースの期初受注高は1年前と比べて10億円近く少ない21.5億円に留まっているため、期を通して強含みで推移するのではなく、現時点では計画線程度の着地が予想されます。
当社は新型肺炎禍の影響もあり、終わった2021年3月期を中計のインターバル期間としていたものの、今回2024年3月期を最終年度とする新中計を策定しています。業績については、向こう3年で売上高170億円(CAGR8%)・営業利益17億円(CAGR10%)まで引き上げる目標としており、得意とする大規模SIerサービスに先進的なデジタル要素や高速開発・クラウドを組み合わせ、所謂DX的な領域に注力していく方針です。重点取組施策として、「エネルギーICT戦略」を掲げ、電力分野における自由化・分社化を契機にEMSや電力取引システム、新電力向けシステムの開発にくわえ、脱炭素関連や各種スマートメーター、需給調整関連といった新商材により深耕を図ります。
顧客割合は三菱電機(売上構成比18.7%)、東京ガス系(同17.1%)であり、引き続きエネルギー関連への依存度が高いものの、従来よりもICT要素による付加価値が増加しているとみられ、10年前は2.5~2.6%だった営業利益率は直近で9.5%まで飛躍的に良化しています。ただ実際のところ、好採算案件の多いエネルギー関連に頼る「一本足打法」的な要素は否めないため、そのドル箱が尽きるまでに、“CASE(コネクト、自動化、シェア、電動化)”と呼ばれる先進自動車関連や、ビヨンド5G・6G・量子暗号等の次世代通信等を育てられるかどうかが鍵となります。特にここ数年はセキュリティ関連にも注力しているものの、収益貢献は依然限定的とみられます。
財務状況については実質無借金であり、自己資本比率も64%水準と盤石な状態となっています。株主還元は配当性向35%以上としており、配当金は12期連続の増配となる年36円配(1円増配、配当性向36.6%)を見込んでいますが、配当性向自体もジリジリ切上げているため、堅調な業績と相まって更なる上乗せが期待されます。
*参考記事① 2021-02-09 2,959円 NT
【3837】アドソル日進/自治体向けテレワークの実証実験を開始、成長ドライバーは豊富。
*参考記事② 2020-08-31 2,483円 NT
【3837】アドソル日進/中計は連続で前倒達成、新型肺炎は影響なしの勢い。
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