【7506】ハウス オブ ローゼ(東証1部) NT
現在値 1,647円/100株 P/E --.- P/B 1.45 3月配当優待 9月配当
百貨店等でのボディケア品や化粧品の小売り。リフレクソロジーサロンも。
配当金(実績)は3月末・9月末の年2回計20円で、配当利回りは約1.2%となります。
ハウスオブローゼは株主優待制度を導入しており、単元株以上を保有する3月末株主に対して、3,000円相当に自社製品(バス・ボディケアセット等)を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.03%となります。
業績を確認していきます。
■2018年3月期 売上高 139.7億円、営業利益 5.5億円 EPS 60.1円
■2019年3月期 売上高 139.3億円、営業利益 7.1億円 EPS 76.1円
■2020年3月期 売上高 126.8億円、営業利益 2.0億円 EPS 6.6円
■2021年3月期 売上高 106.8億円、営業利益 1.1億円 EPS▲14.4円
■2022年3月期 売上高 (未定)億円、営業利益(未定)億円 EPS(未定)円 ce
□2021年9月2Q 売上高 61.0億円、営業利益 0.5億円 EPS 6.4円 四e
2021年3月期の売上高は前期比15.8%減の106.8億円、営業利益は同42.5%減の1.1億円で着地し、大幅な減収減益となったものの営業黒字を確保しました。新型肺炎禍により昨年のGW回りで休業・時短営業を強いられたほか、年末年始の感染再拡大が冬季商戦に影響を与え、セール期間を延長対応したものの穴埋めしきれず、通年のHOR全店売上高は82.4%に留まりました。出退店については、百貨店を中心に直営店を9店退店(うち7店は施設閉鎖)し、代替出店5店の通算して4店の純減となっています(期末総店舗数は213店)。それでも全社で黒字を確保出来たのは、好採算のECが倍以上に伸びた点や、賃借料の減少、新型肺炎禍による特損を補助金でカバー出来たことが要因です。
進行期である2022年3月期の見通しは未定としていますが、外部予想では売上高が127億円、営業利益は3.5億円と反転増が見込まれています。入居する百貨店等の集客状況がいまひとつであり、直営店は引き続き苦しい状況が想定されるものの、実績期で2.4倍に急拡大したEC事業はなお全社売上構成比の8%程に過ぎないため、もう一段の成長が見込まれます。新製品としては柑橘系マスクスプレーを投入するほか、定番人気商品の「Oh!Baby」に青りんご香商材を拡充し、低迷しているクレンジングやメイクアップ系商材の穴埋めを図ります。なお期初時点の退店は2店を予定している一方、出店計画は1店となっており、期末の展開店舗数は202店まで続落する見込みです。
当社は主な入居先である百貨店等が閉鎖やインバウンド減少により館全体の集客力が減少してしまっていることから、構造的に苦しい状況になっていましたが、アイスタイルとの提携による越境ECの拡大等で凌いできました。然しながら、メイン市場である中国では競合品との売価差により低迷しはじめているため、必然的に国内ECの再拡大に舵を切らざるを得ない状況になっています。国内ECはInstagram等のSNS対策にくわえ、Amazonへの出店開始により目下売上は急拡大していますが、改組によりEC事業部を新設し、更に本腰を入れる方針です。
HOR以外事業については、リラクゼーションサロン事業は時短営業が続いているものの、(顧客の可処分時間の拡大により)ロングコース施術の増加など売上回復の兆しがみられるほか、サロンスタッフ数は既に充足しているため、今後はサービスメニュー拡充により高単価化を図る方針です。他方、横浜エリアを中心に21店を展開している「Curves」のFC事業については、“おうちでカーブス”といったweb活用を推進しているものの、高齢会員を中心に退会者が相次いでおり、カーブス本部であるコシダカHDないし他のフランチャイジーに売却するといったことも想定されます。
財務状況については、実績期で最終赤字に沈んだものの僅か▲0.6億円に過ぎず、「念のため」に6億円の短期借入金を起こしたものの、実質的には無借金であり、自己資本比率は58.4%と盤石な状態となっています。かような状況から、株主還元に関しては現状未定としているものの、据置となる年20円の配当はフロアとして、多少の業績の戻りを前提に復元増配が濃厚と考えています。
*参考記事① 2018-06-25 1,764円 NT
不採算店閉鎖はそろそろ一巡?越境ECで成長軌道に復帰か・ハウスオブローゼ(7506)。
*参考記事② 2017-06-20 1,562円 NT
出退店均衡圏で持ち直し機運も、ハウスオブローゼ(7506)。
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