【8167】 リテールパートナーズ/前年ハードル高く、想定超の反動減に注意が必要。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8167】 リテールパートナーズ (東証1部)  OP

現在値 1,162円/100株  P/E 14.9  P/B 0.71  2月配当優待 8月配当優待

食品スーパー中堅。山口の丸久と大分のマルミヤ、福岡のマルキョウが統合。
配当金は2月末・8月末の合計22円配当のため、配当利回りは1.89%となります。

リテールパートナーズは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末時点で単元株を保有する株主に対して千円分の商品券(JCBギフトカード)を年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.61%となります。

業績をチェックしていきます。
■2018年2月期 売上高 2,289億円、営業利益 55.8億円、EPS 485円 

■2019年2月期 売上高 2,290億円、営業利益 49.4億円、EPS 77.3円  

■2020年2月期 売上高 2,288億円、営業利益 44.6億円、EPS 50.0円  

■2021年2月期 売上高 2,418億円、営業利益 83.8億円、EPS 112.5円 

■2022年2月期 売上高 2,366億円、営業利益 55.0億円、EPS 77.5円 ce
□2021年8月中 売上高 1,193億円、営業利益 32.0億円、EPS 52.4円 ce

2021年2月期の売上高は前期比5.7%増の2,418億円、営業利益は同87.7%増の83.8億円となり、期中で増額していた予算を更に上回って着地しました。新型肺炎の本格化にともない、マスクや消毒液といった衛生用品や内食需要の高まりによりトップラインが好伸し、連れて利益水準も大きく引き上がりました。主力SMである丸久の既存店売上高(SSS)が106.2%、マルキョウが同106.7%、マルミヤストアも同103.5%と軒並み大きく前年をクリアしました。出退店については、丸久が出店1退店3、マルミヤストアが出店2、マルキョウが出店1退店3となったため、期末店舗数は前期末比2店減の258店となりました。


進行期である2022年2月期の見通しについては、売上高が2.2%減の2,366億円、営業利益が同34.4%減の55.0億円を予想しています。今期の出店計画は、傘下主要3社合計で新店3~5店と前年並みを見込んでいます。新型肺炎禍による巣ごもり需要の一巡で反落が見込まれるものの、実績期に実施した丸久(アルク小郡店、約7億円)、マルキョウ(マルキョウ柳川店、約3.5億円)といった大型改装投資による下支えが期待されます。なお、既に開示されている1Q(3-5月)の3ヵ月累計のSSSは93%台にまで低迷しているとみられ、端から大幅減益計画ではあるものの、会社側想定の範囲で留まるかどうかは要注意と言えます。

 

終わった2021年2月期はマルキョウ統合後に策定された3年中計の最終年度であり、売上高2,500億円(CAGR3%)、経常利益80億円(CAGR10%)を目標としていましたが、低調な進捗にも拘わらず、最後の最後で新型肺炎禍という“神風”の恩恵で、経常利益92.7億円を叩き出して大幅な過達となりました。但し、出店増による増収増益計画が目指していた姿なので、出店未達によるトップライン計画割れの一方、利益が大幅増というのはかなり歪な形であることは否めず、数値面以外は少なからず課題を残す結果となりました。

 

今次公表された新3年中計については、最終年度である2024年3月期に売上高2,480億円(CAGR1%)、経常利益76億円(▲17億円)と利益計画についてはマイナス成長でセットしています。基本戦略については、①既存店改装と出店、②共同仕入、③グループ連携、④DX、等となっています。①で50店の改装と20店の出店を計画しているものの、目下においても出店が遅々として進んでいないことから、既存店強化に主軸を置いた形となっており、総額150億円を投じる方向です。また70億円もの巨費を投じた防府市の大規模プロセスセンターを昨年より稼働させたほか、九州の最有力プレイヤーであるトライアルの“スマートレジカート”を導入するなど、④のDXに関する取り組みも進めており、採算性の向上を図ります。なお中計の数字感的には無理がないため、当然にクリアされて然るべき水準と考えています。

 

財務状況については、近年は纏まった額の自社株買いを繰り出していたものの、配当を渋ってきたこともあって自己資本の積み上がりが大きく、自己資本比率は62.6%と高水準を維持しています。配当は一部上場記念配の2円を普通配に切り替えて、年22円を予想していますが、3割超の減益予想を前提としてなお配当性向は28.4%に留まっており、増配余地が残る状況ですが、会社側は本中計期間でも“安定配当”を謳っているため、追加的な還元策に関しては自社株買いとなりそうです。

 

*参考記事① 2020-07-07  1,813円 NT

【8167】 リテールパートナーズ/通期見通しは1Q前にはや増額も、再増額も必至の勢い。

 

*参考記事② 2020-07-07  1,813円 NT

【8167】 リテールパートナーズ/東証一部指定替えは案外、通期予算は早くも増額。

 

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