【3492】タカラレーベン不動産投資法人(東証REIT) OP
現在値 122,900円/1株 P/E 20.8 P/NAV 1.12 2月分配/優待 8月分配/優待
タカラレーベンがスポンサー。オフィスと住宅を軸にホテルなども投資対象とする総合型。
予想分配金は2月末・8月末の年2回合計6,000円配で、分配金利回りは約4.89%となります。
タカラレーベン不動産投資法人は投資主優待制度を導入しており、2月末・8月末に10単元以上を保有する株主に対して、2,500円分のヤマダ電機優待券を進呈しておりますので、10単元保有時限定で配当優待利回りは最大で約5.28%となります。
業績を確認していきます。
■2019年8月期_第3期 営業収益 29.1億円、経常利益 16.2億円 DPU 4,686円
■2020年2月期_第4期 営業収益 30.7億円、経常利益 17.0億円 DPU 3,694円
■2020年8月期_第5期 営業収益 27.5億円、経常利益 13.9億円 DPU 3,024円
■2021年2月期_第6期 営業収益 28.7億円、経常利益 15.0億円 DPU 3,100円(4/13)
□2021年8月期_第7期 営業収益 29.7億円、経常利益 15.6億円 DPU 3,100円(4/13)
□2022年2月期_第8期 営業収益 25.7億円、経常利益 12.1億円 DPU 2,900円(4/13)
2021年2月期_第6期については、営業収益が第5期比4.5%増の28.7億円、経常利益は同7.2%増の15.0億円となり、分配金は同168円増の3,100円となり、対予算でも大幅に上振れしました。新型肺炎禍による減賃影響が▲22百万円程に抑制された一方、盛岡・郡山・宇都宮の地方オフィスビル3棟をほぼトントンで期中売却したことから、期中収益が剥落することとなりました。かような背景から、IPO後の取得物件である表参道「Almost Blue」の30%持分を期末ギリギリの2月26日に売却したことで2億円弱の譲渡益が当期計上となり、最終的に増収増益圏までP/Lが持ち上がった格好となります。
進行中の2021年8月期_第7期の予算については、営業収益は第6期比3.7%増の29.7億円、経常利益は同4.1%増の15.6億円を予想しており、分配金は同変わらずの3,100円を見込んでいます。第6期に4物件(3物件+α)を売り越しているため本来は大幅減収が避けられないものの、期初に「イオンスタイル尾道(底地)」、4月30日に「代々木一丁目ビル」を相次いで取得したほか、5月19日は「ビッグモーター札幌清田店(底地)」を予定より9日遅れで期中取得しており、これら物件がある程度穴埋めします。また、「Almost Blue」の残り70%持分売却による4億円程の譲渡益の計上があり、その一過性要因が業績を大きく持ち上げる格好となります。
また今次公表の翌2022年2月期_第8期の予算については、営業収益は第7期比13.7%減の25.7億円、経常利益は同22.2%減の12.1億円を予想しており、分配金は同200円減の2,900円を見込んでいます。これは第7期取得物件の尾道、代々木一丁目、札幌清田が通期で寄与する一方、「Almost Blue」の売却益剥落により大きく減収となる見通しです。なお、第8期は固都税費用化未発生物件が存するため、巡行化する翌々期の第9期は更に数字が落ちるとみられますが、その頃にはホテル物件の賃料収入が正常化していることが期待されます。
当法人は上場時から3~5年(2021年~2023年)を達成時期とした中期分配金目標として、一過性損益を排除した巡航分配金を当初の3,100円から、内部成長のみで3,300円、外部成長ありの場合で3,500円まで引き上げる計画を掲げています。現状、新型肺炎禍の影響で100円程度削られてしまっているため、これを戻しても巡行時推定3,000円のため依然としてマイナス成長状態となっています。
ただ財務面については、当法人は鑑定上限LTVをなんと60%まで許容しており、現在のLTVは47.7%水準となっています。当法人は地方物件が多く、(建物比率が高いため)減価償却費が大きいほか、「Almost Blue」の売却による現金が25億円程遊んでいるので、平時よりも取得余力が高まっています。他方、足許の株価水準は上場来の高値圏に迫っているほか、スポンサー側のパイプラインも賃貸マンション“ラグゼナ”シリーズを中心に順調に溜まっているため、大型POさえ視野に入るような状況であり、アクリーティブな外部成長への期待が改めて高まります。
*参考記事① 2020-12-16 88,600円 OP
【3492】タカラレーベン不動産投資法人/UUR出身の宰田氏が代表就任、当面はレバ活用で対応か。
*参考記事② 2020-06-25 90,100円 OP
【3492】タカラレーベン不動産投資法人/ホテル軟調も、デットによる期中取得で上振れ余地も。
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