【4490】ビザスク/スポットコンサルで支配的地位を確立、当面は年率2割超の成長か。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4490】ビザスク(マザーズ) OP

現在値  3,660円/100株  P/E 214.4  P/B 31.5  2月配当(無配) 株主優待なし

ビジネス知見持つアドバイザーと顧客をマッチングし、インタビューを設営するサービス。


配当基準日は2月・8月の年2回ですが、無配予想となっています。
ビザスクは株主優待制度を実施しておりません。

業績は下記の通りとなっております。当社は2020年のIPO銘柄です。

■2018年2月期 売上高 2.6億円、営業利益▲0.5億円 EPS▲7.6円 

■2019年2月期 売上高 6.1億円、営業利益 0.2億円 EP 3.6円 

■2020年2月期 売上高 9.8億円、営業利益 0.7億円 EPS 6.9円

■2021年2月期 売上高 16.0億円、営業利益 2.0億円 EPS 23.3円 

□2022年2月期 売上高 21.8億円、営業利益 2.3億円 EPS 17.3円 ce

□2021年8月中 売上高 11.2億円、営業利益 2.3億円 EPS 14.9円 四e


2021年2月期の売上高は前期比63.0%増の16.0億円、営業利益は同2.9倍の2.0億円となり、期初予算を上回って大幅な増収増益となりました。新型肺炎禍の在宅勤務浸透もあり、商材となる登録会員数が同33%増の14万人と大きく増加した一方、事業法人を中心とした顧客数も同51%増の735口座と開拓が進み、その掛け合わせとなる成約件数も同55%増の19,473件に増加しました。商材別ではフルサービスの「ビザスクinterview」、マッチングの「ビザスクlite」ともに同6割強の成長となり、多様化が進んだほか、既存顧客の取扱高増加により顧客獲得コストが抑制されるなど、売上・コストの両面で好循環となりました。


進行期である2022年2月期の通期見通しについては、売上高が35.9%増の21.8億円、営業利益は10.3%増の2.3億円を予想しています。取扱高は43%増を見込んでいる一方で売上と利益の伸びが緩慢ですが、これは商材構成比の変化と積極的な先行投資の継続が主要因です。登録会員数についても、在宅勤務定着化や副業増加で漸増が見込まれるほか、新規顧客獲得についても高単価のヘッジファンドや証券会社、地銀といった金融機関向けの広告費投入による取込強化と、シンガポール現法活用による海外顧客開拓を進める方針です。なお、利益成長が著しく低いのは採用強化によるところが大きく、実績期の採用人員40名に対し、20名増の60名の増員を予定していることに由りますが、会社側コメントによればかなり保守的な前提としている模様ですので、上振れ必至と考えています。


当社は中長期的な経営計画を開示していないものの、インタビューマッチング(IM)市場はグローバルで年率17%程度伸長していることから、少なくともその程度の成長が続くものと考えられます。GDPから推定される国内市場のTAMはおよそ200億円程度とみられ、当社は現状においてその中で支配的地位を確立しています。今後は上位ナレッジ領域であるコンサルや金融商品分野の一部分であるリサーチ領域の推計TAM1,000億円、企業研修やアンケート・市場調査領域の推計TAM8,000億円の切り崩しにより、取扱高を拡大していく方針です。

 

特に現状のIM市場だけでも主力顧客であるコンサル業界での認知度増大(最大顧客はBCGとみられる)により主力商材である「ビザスクinterview」では、SaaS企業でいうところのNRRに相当する指標が57%増と既存顧客の爆発的なアップセルが進んでいるような状況ですが、今後は顧客層をコンサル・金融機関から手薄な事業法人へと広げる余地が残り、国内市場だけでもまだ多く深堀りが可能です。また、昨年7月にはMIT発スタートアップであり、高度な知見(アドバイザー)探索システムを有するDeepBenchに30万ドルを出資し、資本業務提携を締結し、海外特に欧米のアドバイザー発掘獲得能力の拡充を図っています。

 

当社は昨年3月のマザーズ市場へのIPOで約7億円(@1,500円)を調達しており、自己資本比率は直近で51%水準となっています。基本的には資金需要のないビジネスモデルであるため、早期の初配も可能かと思われますが、実績期で(業績が上振れまくったことにより)50百万円の臨時ボーナスを出して数字を潰しにいったように、当面は従業員還元に回すのも妥当かと思われます。特に現状の社員数は150名程ですが、年収は481万円(32.0歳)とナレッジビジネスとしてはかなり控えめな水準であり、優秀な社員を採用するのが困難のため、株主還元より優先されるべきと考えています。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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