【2686】ジーフット(東証1部) UP
現在値 409円/100株 P/E --.- P/B 3.97 2月配当優待 8月配当優待
イオン系の靴小売。中部地盤に全国展開。ツルヤ靴店・ニューステップ合併。
配当基準日は2月末・8月末の年2回ですが無配に転落しています。
ジーフットは株主優待を実施しており、2月末・8月末時点で単元株を保有する株主に対して1,000円分の買い物券(年間2枚)進呈しておりますので、優待利回りは約4.88%となります。
業績を確認していきます。
■2018年2月期 売上高 972億円、経常利益 22.7億円 EPS 17円
■2019年2月期 売上高 950億円、経常利益 3.8億円 EPS▲34円
■2020年2月期 売上高 890億円、経常利益▲19.9億円 EPS▲104円
■2021年2月期 売上高 658億円、経常利益▲122.1億円 EPS▲298円
■2022年2月期 売上高 800億円、経常利益 6.0億円 EPS 2円 ce(4/9)
□2021年8月中 売上高 370億円、経常利益▲83.3億円 EPS▲204円 四e
2021年2月期の売上高は前期比26.1%減の658億円、経常利益は赤字幅が同6倍に拡大し、▲122.1億円となり、予算自体は未定だったものの壊滅的な減益幅となりました。新型肺炎禍による昨年春の緊急事態宣言、以降第2波、第3波の到来による入居施設の来館者数減少もあり、通期均しの既存店売上高は78%水準に留まりました。また、季節商品等の在庫繰りも影響を受け、在庫消化のための値引き販売を強いられたことから、粗利益率も44%→35%まで大きく低下しています。また、スポーツ靴の需要も一巡したほか、紳士靴・婦人靴の減少も響き、全商品群で概ね2割を超える販売減少となりました。なお出退店に関しては、出店10店・退店49店となり、期末の総店舗数は850店となりました。
進行期である2022年2月期の予算については、期初より開示しており、売上高は21.5%増の800億円、経常利益は同黒転の6億円を見込んでいます。引き続き不採算店の閉鎖を進める見通しではあるものの、新型肺炎禍からの復元を織り込んでいます。開示済の2月・3月(2ヵ月分)の既存店売上高の累計は150%水準ですが、単純比較出来ないため、1Qの数字を待つ格好となります。既に相当規模の在庫処分を実施したため、トップライン復元に併せて利幅改善が見込まれるものの、高単価の紳士靴・婦人靴は依然苦戦するとみられ、新PBの拡販やECの急拡大という青写真も織り込まれているとみられる会社計画はかなり楽観的な印象を受けます。
当社は2020年2月期を最終年度とする中計3ヵ年で、売上高を1,040→1,080億円、営業利益を55→65億円に伸長させる計画でしたが大幅未達となり、終わった2021年2月期については新型肺炎禍で新中計の公表こそ見送ったものの、KPI目標として在庫水準の調整(346→270億円以下)が掲げられた結果、在庫についてはこの1年で292億円水準まで削減されています。
また今般「2025年ビジョン」なる長期経営計画風味のものが開示されており、従来型靴小売店舗から一歩踏み込んで、足元(靴)からの健康増進提案型の店づくりを進める方針です。具体的には商品構成比の靴割合を7割まで落とし、残り3割で足関連グッズの販売を増やすなどMD刷新を実施します。具体的には新型肺炎禍でも引き合いの強いランニングアパレルや、アウトドアグッズの売り場を拡大し、ついで買いによる客単価向上を図るものとみられます。そのほかの取組としては、廉価かつ機能性の高い新PB「ATHREAM」「HEAL ME」「MAD FOOT!」の本格投入や、「Coleman」の商品拡充により、この2022年2月期には600万足の販売を計画しています。
他方、イオンやイオンモールを中心に支払う約170億円弱もの年間支払家賃については、不採算店クローズの要素はあるものの、この一年で140億円弱まで30億円も削減出来ており、一過性の家賃減免要素を除いても年20億円程度は原価が削減出来ているとみられます。財務状況については、短期借入の増加により自己資本比率がこの1年で2330bps.悪化して10.0%まで低下しており、資金繰りとしてイオングループ各社の持ち合い株式売却を進め、主要出店先であるイオンモール以外の株式をこの1年で殆ど売却しています。かような状況のため、向こう数期は無配が確定的な情勢と考えられます。
*参考記事① 2020-07-08 506円 NT
【2686】ジーフット/先ずは年170億円弱の支払家賃の削減に期待したいが・・・。
*参考記事② 2019-07-03 652円 NT
靴小売業のEC化進み、家賃負担は非常に重い・ジーフット(2689)。
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