ソフトバンクグループについては傘下の携帯事業会社やら、ヤフー、LINE、Paypayやらで安定的に稼げますし(Paypayはまだ大赤字だけど)、あとはその利益を専ら孫さんの慧眼に頼ったVISON FUND等で爆発的に増やせることから、高度分散しつつもアップサイドが狙える究極のポートフォリオ運用という見方が出来ようかと思います。そのため、SBGを買うだけで資産運用は終了・・・という投資アプローチがあろうかとは思いますが、今回の主役は携帯事業会社の方のソフトバンクKKです。証券コードは9984ではなく、9434の方です。
今更いうまでもありませんが、ソフトバンクKKは超高配当株です。2018年の上場時から総還元性向85%を謳っており、進行期である2022年3月期も配当予想は年86円横ばい予想(配当性向80.6%)となってしまったものの、その高い配当性向に併せて減配しないという累進的配当ポリシーも掲げています。そのため、現状の株価水準で6.08%という配当利回りはもはや十分過ぎるレベルにあり、これ以上のスプレッドを求めるのも酷と思われる状況です。
最近のソフトバンクKKまわりのニュースフローとしては、Paypayの優先株の転換により、現状25%の出資割合(親会社のSBGが50%、連結子会社のZHDが25%)を引き上げ、2023年3月期までに子会社化する方針を明らかにしています。現状携帯キャリア各社は、国からの圧力により値下げを強いられていますが、ドコモやKDDI比でギガプラン契約顧客の多い当社はこの影響が若干マシとされているものの、それでも構造的にはジリ貧となることは否めない状況です。ただ当社の場合、LINEと合併したZHDや、その傘下のZOZOやアスクル、そしてPaypayなどキャリア事業以外の分散が進んでおり、これらのシナジー効果の発現とPaypayの「スーパーアプリ化」による大きなアップサイドが発現する可能性があると考えています。
そのため、ソフトバンクKKは一見すると成熟しきった超高配当株ながら、改めて成長株として見直される局面がどこかで訪れると考えており、その際は現状で市場から求められている配当6%というスプレッドが縮小に転じる(要は株価が値上がりする)ものと考えています。
また、そういった業容拡大以外の話でも、本邦のブロードバンド市場の先駆けともされる“東京めたりっく通信”の元社長であったソフトバンクKK新社長の宮川さんが、就任にあたって200億円(@1,435円)もの自社株を自腹で買ったことはマネジメントへの強いコミットメントを感じます。個人的にはそういうところも評価しており、宮川さんも「何%伸びた、何十%伸びたでは悲しすぎる。できれば今の株価の数倍を狙いたい」とコメントしていることから、年6%もの配当を貰いながらその意気込みを買うのも十分アリかと思います。