【3449】テクノフレックス(東証2部) BY
現在値 1,054円/100株 P/E 12.8 P/B 1.03 6月・12月配当 株主優待なし
ビル設備配管用フレキシブル継ぎ手首位。半導体装置用も。
配当金は6月・12月の年2回/合計41円予想のため、配当利回りは3.89%となります。
テクノフレックスは株主優待制度を導入しておりません。
業績を確認していきます。
■2017年12月期 売上高 186.9億円、営業利益 24.4億円 EPS 99.6円
■2018年12月期 売上高 198.5億円、営業利益 25.6億円 EPS 74.3円
■2019年12月期 売上高 189.9億円、営業利益 23.4億円 EPS 94.5円
■2020年12月期 売上高 187.3億円、営業利益 19.6億円 EPS 66.1円
■2021年12月期 売上高 192.0億円、営業利益 24.5億円 EPS 82.2円 ce
□2021年6月2Q 売上高 92.0億円、営業利益 11.5億円 EPS 38.4円 ce
2020年12月期の売上高は前期比1.4%減の187.3億円、営業利益は同16.1%減の19.6億円と減収減益となり、期初予想を下回りました。主力の継手事業については、前期の五輪特需剥落や新型肺炎禍で水道管交換工事が延期となり水道管向けが後退したものの、国内半導体メーカーによる設備投資増加で真空機器が伸長したため微減に踏みとどまりました。一方、防災・工事事業については、大型案件の完工期ズレの影響を受けたほか、自動車・ロボット事業についても完成車メーカーの減産影響により生産調整を余儀なくされるなど、各事業で苦戦を強いられました。
進行中の2021年12月期の予算については、売上高が2.5%増の192億円、営業利益は24.7%増の24.5億円と反発を予想しています。主力の継手事業については、半導体投資の活発化で好採算の真空機器の伸長が見込まれるほか、防災・工事事業についても首都圏の再開発や不採算案件の一巡、防災スプリンクラーの老朽化に伴うリプレイス需要が顕在化することが見込まれます。全体感として、上期は五輪特需の剥落や新型肺炎禍の影響が残る想定をする一方、下期からは自動車関連を中心に本格回復する前提としており、事業環境としてはやや楽観的な前提を置いている印象を受けます。
当社は中長期的な業績計画を開示していませんが、成長ドライバーとしては①水道管老朽化対策向け、②防災対策向け、③半導体向けの3領域が想定されます。①の事業環境については、高度経済成長期に整備されたまま未更新となっている老朽化配管(40年以上経過)が増加しており、これを当社独自のSDF工法の活用により非交換方式で工事出来るため、今後はこの更新ニーズの増加が期待出来ます。②の防災については、貯水機能付給水管の拡販を図っており、トヨタホームやパナホームと提携して戸建市場を深耕するほか、足許では大手コンビニ等へ販路を広げている状況です。③の半導体についてはNAND大手5社が好況裏に積極投資を続けていることから、メモリー市場拡大の“市況成り”に成長するとみられます。
上記③領域以外のもう一軸が海外展開にあり、現状10%にも満たないとみられる海外売上高比率を高めることが中長期的な成長ドライバーになり得ると想定されます。ただ今のところ、専ら製造目的で中国とベトナムに拠点(工場)を保有しているものの、現地では当社製品のような高機能商材のニーズは高くなく、5年から10年先の需要発現が想定されるため、海外についてはかなり長い目で見る必要がありそうです。
他方、株主還元については、配当性向40%(ROE10%超)を目標に掲げており、実績期は下方修正によりこの水準を大きく上回る格好となったものの、期初予想どおりの41円を配当しました。今期もこの年41円を据え置いており、予想ベースの配当性向は50%となるものの、本来であればこの2021年12月期にもROE10%超とするのが上場時の目標であったことを踏まえると、自己資本を削るためにこのまま41円配当を吐き出す公算が高いと考えています。
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