【7674】NATTY SWANKY(東証マザーズ) OP
現在値 3,620円/100株 P/E 7,702 P/B 4.59 6月配当株主優待 12月株主優待
ギョーザを軸にした居酒屋「肉汁餃子のダンダダン」を首都圏を軸に展開。
配当基準日は6月末であり、実績ベースでは年5円のため配当利回りは約0.13%となります。
NATTY SWANKYは株主優待制度を実施しており、単元株を保有する6月末/12月末株主に対して、10,000円分の食事券を年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.93%となります。
業績を確認していきます。
■2017年6月期 売上高 20.2億円、営業利益 0.8億円 EPS 14.4円
■2018年6月期 売上高 29.3億円、営業利益 1.6億円 EPS 69.7円
■2019年6月期 売上高 39.8億円、営業利益 3.1億円 EPS 126.2円
■2020年6月期 売上高 42.5億円、営業利益 0.1億円 EPS▲75.8円
■2021年6月期 売上高 47.0億円、営業利益 0.1億円 EPS 0.47円 ce修正
□2021年12月中 売上高 21.4億円、営業利益▲0.3億円 EPS▲21.3円(2/12)
2020年12月中間期の売上高は前年同期比11.8%減の21.4億円、営業利益は赤転の▲0.1億円となり、減収減益となったものの、1Q時点公表の予算比ではやや良化して進捗しました。既存店売上高については、新型肺炎禍の一服により昨年10月に85%水準まで回復したものの、年末にかけて再び深刻化したこともあり、上期6ヵ月間平均で75.1%となりました。想定損分点が75.0%水準のため、実際の損益も均衡圏となった格好です。出退店については、直営店を中心に8店を出店(予定含む/1店の退店)となり、上期末の総店舗数は直営/FCを合わせて97店となりました。
2021年6月期通期の見通しについては、1Q時点で開示に踏み切っており、売上高は前期比10.4%増の47.0億円、営業利益は同4.6%増の0.1億円を計画しています。既に9ヶ月分まで開示されている既存店売上高については、累計で70.0%と上期水準を割り込んできており、年明けからの緊急事態宣言再発出の影響がじわりと出てきています。出店については、通期で10店程度を計画しておりましたが、既に上期で8店分が“名有り”となっているほか、その後も3Qで亀有、小倉、国分寺、金町などの出店が決まったことから大きく積み増される公算です。そのため、新規出店によるトップラインの穴埋めが期待されるものの、利益については計画に届かない公算が高そうです。
当社は中長期的な業績の目標は開示していません。現時点でまだ運営店舗数が100店に満たない(上期末97店)ことにくわえ、出店済店舗のロケーションも1号店である調布を中心とした京王線の沿線と周辺のドミナント展開となっていることから、まだ多くの出店余地を残しており、単純出店による拡大策が効くフェーズとなっています。会社側では一都三県における260駅を重点エリアに定め、京王線を挟んだ中央線・小田急線エリアを引き続き深耕していくものとみられます。特に当社店舗はこの新型肺炎禍の影響をダイレクトに受けているオフィス街や繁華性立地ではなく、住宅後背地の郊外駅前立地が多いことから、既存店や新店の売上が読みやすく、この状況でも躊躇なく出店を進めやすいという点に特徴があります。
一方、地方については出店済の福岡の3店をはじめ、札幌や新潟、広島、高松、熊本といった中核都市からの出店オファーが相次いでいるだめ、会社側では地元の有力FC企業と提携して一つの地方で複数店舗を展開させていく青写真を描いているようです。仙台国分町と札幌、広島、小倉にFC方式で出店したほか、“餃子の聖地”である宇都宮についても昨秋に出店を果たしています。出店以外のところでは、自家製餃子の冷凍食品を大手スーパーのオオゼキ(世田谷区)で440円で限定販売したところ程なくして完売したことから、今後は他スーパーへも本格的に卸販売してく予定であり、FC展開店舗の数的拡大による卸販売の拡大とともに、この卸事業が中長期的な成長ドライバーのひとつとして育つことが期待されます。
出店や設備投資の原資となる資金については、2019年の上場時に約15億円(@3,270円)を調達しているものの使いきっているため、主力4行に対して合計15億円分のコミラインを引き、出店費用に充てていく方針です。実際に直近で450百万円の新規借入を起こしており、自己資本比率は500bps.ほど悪化して45%になっていますが、なおかなりのバンカビリティを維持しています。そのため、未定としている配当についても、今期は5円程度の有配に踏みとどまる可能性が高そうです。
*参考記事① 2020-10-31 2,421円 BY
【7674】NATTY SWANKY/既存店売上高の損分点75%程度で、黒字確保圏へ回復か。
*参考記事② 2019-12-04 3,660円 OP
FC展開による加盟金と卸売上の獲得が論点、NATTY SWANKY(7674)。
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