【3461】パルマ(東証マザーズ) BY
現在値 700円/100株 P/E19.3 P/B 2.05 9月配当 株主優待あり
ディア・ライフ傘下。トランクルームの滞納保証・開発・販売・運営・仲介。
配当金は9月末一括の9円配当のため、配当利回りは1.29%となります。
パルマは株主優待制度を導入しており、単元株を保有する9月末株主に対して1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.71%となります。
業績を確認していきます。
■2017年9月期 売上高 23.4億円、経常利益 2.1億円 EPS 28.8円
■2018年9月期 売上高 26.1億円、経常利益 3.2億円 EPS 39.2円
■2019年9月期 売上高 43.9億円、経常利益 4.8億円 EPS 54.5円
■2020年9月期 売上高 45.4億円、経常利益 3.1億円 EPS 34.5円
■2021年9月期 売上高 44.0億円、経常利益 3.2億円 EPS 35.4円 ce
□2021年3月2Q 売上高 16.0億円、経常利益 1.3億円 EPS 14.5円 四e
2020年9月期の売上高は前期比3.5%増の45.4億円、経常利益は同35.8%減の3.1億円となり、期初予算を大きく下回る着地となりました。ストレージの開発・販売を行うターンキーソリューション(TKS)事業については、国内機関投資家及び事業会社のストレージ投資意欲は底堅かったものの、新型肺炎の影響による開発物件の長期化や販売活動の停滞により、当初販売予定より3物件少ない8物件の販売に留まったことから、当該セグが大きく足を引っ張る格好となりました。一方、営業・滞納保証・管理などを行う主力のビジネスソリューション(BS)事業における管理室数についても、TKS事業の伸びに連れる形で前期比8.6%増の87,748室に増加したほか、在宅勤務浸透による環境改善ニーズで稼働状況が改善し、堅調に推移しました。
進行期である2021年9月期の予算については、売上高が3.2%減の44.0億円、経常利益は4.4%増の3.2億円と小反発を予想しています。BS事業については、TKS事業による供給継続によるコンスタントな管理室数の伸びが期待されるほか、新型肺炎禍の在宅勤務が追い風となり、稼働も堅調に推移する見通しです。収益柱のTKS事業における開発・販売については、新型肺炎禍後の活動再開後に2物件を仕入れているほか、その後も年末に環七沿い南馬込土地(60坪)などの取得を開示していることから、仕入ペースも徐々に復元してきたものとみられます。また、昨年10月にはあざみ野で延床300坪級の大型物件を既に販売したことから、1Qから数字が積み上がる公算が高く、予算達成の蓋然性は高いものと考えています。
当社は中期的な経営計画を開示していませんが、10~15年スパンの長期目標として、BS事業における管理室数を6.5万→30万室、TKS事業における開発・供給戸数を累計10万室を目指しています。これは屋内型ストレージの市場自体が向こう6年程で今の倍の40万室(年率CAGR9~10%)にまで伸びることが見込まれていることから、業界唯一の専業デべである当社は年間3~6千室の開発・供給が可能であるというロジックに基づいています。ただ実績期の開発・供給戸数を仮に1物件150室と仮定しても1,200室計算であり、売却未達の3物件分を補正しても年間1,500室ペースなので、現状の開発・供給ペースでは10年や15年というスパンではまるで目標に届かない公算です。
それでも新型肺炎禍で多くの貸しビルや店舗がテナント募集状態となっているため、床借り上げ方式での管理室数拡大は可能であると考えており、足許では在宅勤務常態化による住環境改善ニーズからエンドユーザーのニーズが大きく増えていることを踏まえれば、仕入環境も、(トランクルームサービスの)販売環境も好転しており、本業の事業自体のファンダメンタルズはかなり良好と言えます。
また、当社得意先でもあるエリアリンク(8914)がりそな銀行・長谷工不動産投資顧問らと組んでストレージ私募REITの組成に着手しており、当社としてもSMFLみらいパートナーズや芙蓉総合リースといったウェアハウジングとみられる売り先が増えてきたことや、カー用品販売大手のイエローハットや、著名音楽制作会社であり不動産投資事業を幅広く展開するビーイング系といった一般事業会社に利回り商品として販売するなど、投資家のすそ野は確実に広がっている印象です。
株主還元については、今期は1円増配となる年9円配(配当性向25%)を見込んでいます。日本郵政キャピタルへの三者割当増資もあり、自己資本比率は4割強を維持していることから財務的には安定しているものの、中長期的にはやはりTKS事業での投資家販売を成長ドライバーとしたい意向が強いと考えられるため、当面は現行レベルでの株主還元を続けて財務体質の維持を図るものとみられます。
*参考記事① 2020-02-17 1,025円 OP
【3461】パルマ/機関投資家の引き合い強いが、日本郵政効果の発現には要時間か。
*参考記事② 2017-12-25 827円*分割遡及修正済 NT
業績飛躍による初配達成で、一部指定替えも志向・パルマ(3461)。
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