【3965】キャピタル・アセット・プランニング/ソニー生命への高依存続き、ある意味では底堅く。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3965】キャピタル・アセット・プランニング(東証一部) OP

現在値 1,153円/100株 PER30.7 PBR 2.10 9月配当株主優待 3月配当

生命保険の販売支援システムとコンサルが主体。相続対策システム育成中。
配当金(実績)は3月末・9月末合計20円配のため、配当利回りは1.73%となります。

 

キャピタル・アセット・プランニングは株主優待制度を導入しており、9月末に単元株を保有する株主に対して、1,500円相当のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りはおよそ約3.03%となります(2単元以上の場合は2,500円分のカタログギフト)。

業績を確認していきます。
■2017年9月期 売上高 60.1億円、営業利益 3.4億円 EPS 43.2円 

■2018年9月期 売上高 65.4億円、営業利益 5.0億円 EPS 53.2円

■2019年9月期 売上高 72.9億円、営業利益 6.2億円 EPS 76.3円

■2020年9月期 売上高 68.8億円、営業利益 1.6億円 EPS 15.7円(11/17)

■2021年9月期 売上高 70.0億円、営業利益 3.4億円 EPS 37.5円 ce
□2021年3月2Q  売上高 32.8億円、営業利益 1.5億円 EPS 17.5円 ce

2020年9月期の売上高は前期比5.6%減の68.8億円、営業利益は同72.9%減の1.6億円となり、対前期・対予算ともに大幅な減益となりました。主力の生保向けシステムについては、期初時点における受託開発の受注残は前年より4割強少ない8.2億円でのスタートとなったほか、新型肺炎禍の深刻化にともない2Q・3Qに納品する予定だった開発案件についても遅れが生じました。また、システム開発体制の在宅移行コストや、納期委外注先変更により原価が膨らんだ結果、トップライン以上に利益が圧迫されました。なお、大口顧客であるソニー生命より、リモートでの生保ペーパレス申込システム(一部)の受注・引渡しがあったため、4Qに大きく持ち直す形で数字を仕上げています。

 

進行期である2021年9月期の予算に関しては、売上高が1.7%増の70.0億円、営業利益は2倍となる3.4億円を予想しています。期初における受託開発の受注残高は1年前と比べて倍の17.0億円を確保しており、売上依存度41.7%(前期46.2%)を占める大口相手先であるソニー生命や、同10.0%(前期11.2%)を占める三井住友海上あいおい生命等に対して、ライフプラン、生保設計書、申込書作成といったシステム提供や改変開発、クラウド移行に関する受注が堅調に推移するとみられます。非生保領域については、相続市場の拡大によりメガバンク・証券会社・IFA・会計事務所向けの資産管理システムのライセンス課金が伸長する見通しですが、構成比が低く寄与度は限られます。なお、会社側のアナウンスによれば、生保会社の今年度(FP21)の開発予算の割当判明までは保守的に組んでいるとのことです。

 

当社は2016年10月のIPO企業であり、先端領域事業である(自称)フィンテック企業ながらも何故かJQS上場だっただめ、成長可能性資料は開示されておらず、中長期的な業績の定量目標等も示されていません。ただ、成長のための定性的な取組みは3点示されており、①サラリーマン向けのスマホ用ライフプランニング・アプリ、②富裕層向けのファンドラップを含めたアグリゲーションシステム、③企業経営者向けの事業承継・相続システム、3点の拡充・拡販により、現在のソニー生命高依存モデルからの脱却を図る方針です。

 

2018年末には生損保業務に特化したSIerであるインフォーム社(年商5億円、利益僅少)の株式を追加取得しており、同社顧客である損保向けへの新規拡販を狙います。また、上流工程に特化した同社を傘下に収めることで、生保システムの上流から下流まで一貫開発することが出来るようになるため、外注費軽減といった原価面でのメリットが期待されます。また、目下注力中の商品である「Design Your Goal」システムをリリースしており、俗に“ゴールデザイン”と言われる逆算型資産運用システムを証券会社等のファンドラップ営業用に拡販し、ストック型のライセンス料の積上げを図ります。こちらは団塊コア世代が75歳を迎える大相続時代に迎合した商品となりますが、まだ売上の柱になるような商品に育つには時間がかかる見通しです。

 

財務面に関しては、2018年の二部指定替え時にPO(@2,731)を実施して11億円強を追加で調達していることもあり、ネット無借金に近い財務状況となっています。そのため、足許の55%近い自己資本比率を考慮すると、未定となっている配当も据え置かれる公算が高く、据置の年20円配位であれば十分に配当可能であると考えています。

 

*参考記事① 2020-02-12  1,312円 BY

【3965】キャピタル・アセット・プランニング/特定顧客へ高依存だが、指定替えの要件満たす。

 

*参考記事② 2019-01-30 1,250円*分割遡及修正済 OP

実績期はキッチリ予算守るが、今期は成長一服。キャピタル・アセット・プランニング(3965)。

 

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