実績期はキッチリ予算守るが、今期は成長一服。キャピタル・アセット・プランニング(3965)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3965】キャピタル・アセット・プランニング(東証二部) ---

現在値 2,500円/100株 PER20.9 PBR 2.53 9月配当株主優待 3月配当

生命保険の販売支援システムとコンサルが主体。相続対策システム育成中。
配当金は3月末・9月末合計38円配予想のため、配当利回りは1.52%となります。

 

キャピタル・アセット・プランニングは株主優待制度を導入しており、9月末に単元株を保有

する株主に対して、2,500円相当のカタログギフトを進呈しておりますので、配当優待利回り

はおよそ2.52%となります。

業績を確認していきます。
■2015年9月期 売上高 32.4億円、営業利益 1.7億円 EPS 47.0円
■2016年9月期 売上高 42.4億円、営業利益 2.4億円 EPS 74.0円 
■2017年9月期 売上高 60.1億円、営業利益 3.4億円 EPS 86.4円 

■2018年9月期 売上高 65.4億円、営業利益 5.0億円 EPS 106.3円

■2019年9月期 売上高 67.0億円、営業利益 5.6億円 EPS 119.1円(11/9)
□2019年3月中  売上高 29.0億円、営業利益 2.2億円 EPS 45.5円 ce

2018年9月期の売上高は前期比8.9%増の65.4億円、営業利益は同47.4%増の5億円となり、

年率3割を超える増益基調をキープしたほか、前期の業績未達から一変して会社側予算も

きっちり超過した形で落着となりました。主力の生保向けシステムにおいて、売上高依存度

40%を占める大口相手先であるソニー生命や、同15%を占める三井住友海上あいおい生命

への銀行窓販向けの申込書システム及びペーパレス化システム等の販売が、旺盛な投資

需要を背景に好調に推移しました。また、証券会社向けのファンドラップ販売用システムも

堅調に推移し、全社業績を下支えしました。

 

なお、進行期である2019年9月期の予算に関しては、売上高が2.3%増の67.0億円、営業利

益は11.7%増の5.6億円を予想しています。期初時点における受託開発の受注残は1年前に

比べて12%少ない14.6億円となっており、これは実績期において、11年振りに保険業法に定

める“標準生命表”の改定イベントがあったことの反動があるとみられます。それでも生命

保険業界の銀行窓販拡大に伴うシステム投資や、証券会社向けのファンドラップ向けシス

テム等投資意欲は根強く、これらの開発以外の保守収入もストック的に寄与することから、

期中で受注を積み増し、増収増益で仕上げる計画になっています。売上が横ばいのわりに

利益だけは2桁の伸びが継続するのは、実績期での積極的な採用による採用費の増加や

オフィスの拡張移転などで経費先行していた部分が、徐々に収益化することによります。

 

当社は2016年10月のIPO企業ですが、上場市場はマザーズ市場ではなくJASDAQ・スタン

ダード市場であり、27年(※当時)の業歴を誇る“老舗企業”らしい市場選択となりました。

ただJQ上場ということもあって、成長可能性資料は開示されておらず、中長期的な業績の

定量目標等も示されていません。ただ、成長のための定性的な取組みは3点示されており、

①サラリーマン向けのスマホ用ライフプランニング・アプリ、②富裕層向けのファンドラップ

を含めたアグリゲーションシステム、③企業経営者向けの事業承継・相続システムを拡充

・拡販し、現在の生保会社“一本被れ”となっている事業ドメインからの脱却も目指します。

 

また、昨年末には生損保業務に特化したSIerであるインフォーム社(年商5億円、利益僅少)

の株式を追加取得しており、同社顧客である損保向けへの拡販を狙うほか、これまで重荷

となってきた外注費の軽減も図るとともに、生保システムにおいては上流から下流の工程

まで一貫して開発が出来る体制を確保しました。基本的な考え方としては、生保等のシス

テムや相続・事業承継を視野に入れた資産アグリケーションは、市場自体が成長している

ので、上述のような“手打ち”が出来ていれば、ある程度は適当に成長するかと思います。

 

なお財務面に関しては、ネット無借金となっているほか、さほど資金需要のない業容かと

思われますので、今期は東証2部記念配当の3円を含めて38円(※配当性向30%強)の配当

を予想している株主還元についても、今後は利益成長による増配だけでなく、配当性向水

準自体の切り上げによる増配も期待出来るかと思います。また、当社はその業容的にも、

より信用力の高い上場市場部へと移るインセンティブが高いと推察されるので、かような

観点からも、追加的な株主還元が期待されます(※現状では株主数要件がたりない。)

 

*参考記事① 2018-01-12 3,429円 --

想定外の未達決算も、高い成長モメンタム続く。キャピタル・アセット・プランニング(3965)。

 


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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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