【8877】エスリード/ホテル用地競合無くなり仕入れ易化か、業容拡大に改めて期待。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8877】エスリード(東証1部)  BY

現在値 1,451円/100株 PER5.5 PBR0.47 3月配当優待 9月配当

マンション企画開発・販売。大阪で供給トップ級。森トラスト子会社。
配当は年2回、合計40円配当のため、配当優待利回りは2.75%となります。

エスリードは株主優待制度を導入しており、3末時点の単元株主に対して、3千円相当のグルメカタログを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.82%となります。

業績を確認していきます。 

■2017年3月期 売上高 393億円、経常利益 50億円、EPS 201.1円 

■2018年3月期 売上高 483億円、経常利益 67億円、EPS 279.0円 

■2019年3月期 売上高 571億円、経常利益 72億円、EPS 290.0円 

■2020年3月期 売上高 616億円、経常利益 79億円、EPS 328.5円 

■2021年3月期 売上高 640億円、経常利益 70億円、EPS 262.4円 ce 

□2020年9月中  売上高 200億円、経常利益 15億円、EPS 61.5円(10/27)

2020年9月中間期の売上高は前年同期比27.9%減の200億円、経常利益は同59.9%減の15.3億円となり、そもそも未定としていた期初予想との比較は無いものの、8月末開示の落着予想との比較ではやや上振れして着地しました。九条(122戸)、草津本陣(104戸)、大津(50戸)、太秦(44戸)等をはじめとする引渡し戸数の合計は800戸程に留まったとみられるものの、好採算物件の割合が多かったことや、販管費の抑制が進んだことから、利益が想定より良化しました。また、投資用分譲のサブリース賃貸業や、管理業、再販仲介といったその他事業については好調に推移しており、セグメントとしては2割程の増収増益を確保しています。

 

2021年3月期の通期見通しについては、期初未定だったものの8月時点で公表に踏み切っており、売上高が前期比3.8%増の640億円、経常利益は同12.5%減の70億円を予想しています。下期は守山(114戸)、守口(41戸)、南草津(83戸)、名城公園(72戸)、東別院(78戸)など推定2000戸弱の販売が見込まれており、例年通り引渡しの時期が期末に集中するスケジュールとなっているため、3Qまでは見栄えのしない数字となる見通しです。契約状況は未詳であるものの、4年連続で完成在庫ゼロを達成してきたため、その点では予算達成の蓋然性は高いと考えられますが、新型肺炎の影響により住設機器の搬入が遅れて工期が伸びる等した場合には期ズレで未達、といった可能性もあり得るので留意が必要です。

 

当社は2013年に森トラストによるTOB(@915円、約40億円)でにより同社連結子会社となり、そこから7年程で業績は大きく伸長しましたが、株主還元に殆ど回してこなかったため、自己資本の積み上がりが早い状況です。そのため、新型肺炎禍においても自己資本比率は56.6%とマンデベとしても、不動産会社としても驚異的な水準をキープしています。

 

そのため、関西圏の供給戸数ランキングでは首位のプレサンスコーポレーションにかなり水をあけられた万年2位が当社の定位置でしたが、上述のとおり財務にかなりの余裕があることから、用地仕入れを積極化させる可能性があるとみています。特に関西圏ではこれまで開発素地がホテル用地として高騰していたため仕入れが難しかった経緯があるものの、新型肺炎禍でホテル開発がストップしたほか、事業会社の廃業絡みでの用地取得案件が増加するとみられることから、仕入れ環境は一段と良化するものとみています。プレサンスを追うように、2018年にナディアパークに支店を開設し、昨年サブリース子会社も出店するなど需給環境の悪い名古屋エリアに本格進出したのは余計でしたが、改めて業容拡大路線に舵を切ったことは間違いないものと判断されます。

 

なお、株主還元については横ばいの年40円配を予想しています。これでもなお配当性向は10%台という低還元ですが、新型肺炎禍のため配当据置きについてはやむなしかと思われます。ただ、当社同様に好財務かつ低還元マンデベのゴールドクレストが足許でやや大きめの自社株買いに踏み切ったことから、本来的にはそういった動きに期待したいところですが、森トラストの持分(53.5%)が更に切り上がってしまうことから、そういう動きが取りずらい部分があるのかもしれません。

 

*参考記事① 2019-08-27 1,582円 OP

IR姿勢に変化、親会社の森トラストの動向注視・日本エスリード(8877)。

 

*参考記事② 2018-07-31 1,743円 OP

親会社である森トラストの方針に変化か?日本エスリード(8877)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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