【4929】アジュバンコスメジャパン/理化学研究所との共同研究(育毛)成果品が下期に上市へ。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4929】アジュバンコスメジャパン(東証1部)  OP

現在値 960円/100株 PER33.1 PBR1.95 3月配当優待 

美容室経由でスキンケア、ヘアケア製品販売。関西地盤で高価格品多い。
配当は3月一括の24円配のため、配当優待利回りは2.50%となります。

アジュバンコスメジャパンは株主優待制度を導入しており、3月末に100株以上を保有する株主に対して、5,000円分の自社ヘアケア製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約7.70%となります。

業績を確認していきます。
■2017年3月期 売上高 47.7億円、営業利益 5.1億円、EPS 41.7円 

■2018年3月期 売上高 50.9億円、営業利益 5.0億円、EPS 39.3円

■2019年3月期 売上高 51.6億円、営業利益 1.6億円、EPS 3.1円 

■2020年3月期 売上高 46.7億円、営業利益▲1.8億円、EPS▲28.6円

■2021年3月期 売上高 62.4億円、営業利益 3.5億円、EPS 29.1円 ce

□2020年6月1Q 売上高 10.8億円、営業利益▲0.0億円、EPS▲0.6円(7/17)
□2020年9月2Q 売上高 25.3億円、営業利益▲2.5億円、EPS▲22.8円 ce

2020年3月期の売上高は前期比9.5%減の46.7億円、営業利益は同赤転の1.8億円となり、期初計画を下回りました。主力のヘアケア商品については、従来品の「Re:」シリーズが低調に推移したほか、前期に投入した高単価商品の「クラスS」シリーズが想定以下で推移し、滞留在庫に関して評価減を計上したことで大幅減益となりました。また、スキンケア商品についても、リニューアルした「AE」シリーズが堅調に推移したものの、「DJ」シリーズが減少し、当該商品セグも減少となりました。一方、寄与度が低いものの、子会社のエクシードシステムが提供するサロン経営・顧客管理システムについては、前期のクラウド型商品へ移行費用が剥落したことから増益となっています。


進行期である2021年3月期の予算については、期初段階から予想を開示しており、売上高が33.6%増の62.4億円、営業利益は黒転の3.5億円と大幅増を見込んでいます。新型肺炎による影響を特段織り込んでおらず、女性薄毛向けヘアケア商品「KASUI」の下期上市により大幅増益を計画しています。スキンケア事業については、「Basic」シリーズの更新および美顔器の投入を予定しています。去る7月17日に開示済の1Qによれば、顧客であるサロン側が書入れ時である入学式、入社式シーズンで新型肺炎の影響を受けたものの、来店頻度減から当社製品を纏め買いするような動きもみられ健闘しており、売上高は前年同期比8.6%増の10.8億円、営業利益は同1.7億円量化の▲0.0億円と大幅に良化しました。元より上期計画は赤字での折り返しを見込んでいたため、現時点では順調な進捗と言えそうです。

 

今期は2023年3月期を最終年度とする5年中計の3年目となっており、この5年で売上高を52.7億円→100億円(CAGR13%)、営業利益2.2億円→20.0億円(CAGR55%)まで伸長させる計画となっています。数字自体はかなり画餅的ですが、2012年の上場当時の当社は営業利益10億円程を定常的に稼いでいた実績もあり、当社程度の事業規模であればヒット商品次第で届く可能性もあろうかとは思います。

 

成長の骨子は登録サロン数を6,879件→10,000件まで増やす量的拡大策がベースであり、サロン数の拡大に合わせて、クラウド型のサロン経営・顧客管理システムである「MAPシステム」の拡販を推進する方針です。足許でのサロン数の登録数は7,795件とやや増えていますが、目標の10,000件の達成は微妙なところです。新製品については、理化学研究所らと共同研究をしていた毛髪再生についての育毛有効成分を昨年10月に特許申請しており、これをベースに本年下期に「KASUI」を上市する計画となっています。そのため、こちらの売れ行き次第で中計期間の数字が左右されるものとみており、そういう意味で本年下期は非常に注目と言えそうです。

 

なお、株主還元については年24円配を継続する計画です。実質的に無借金経営であり、財務的には余裕があるため、現水準の年24円配が減配されるようなことは、少なくとも向こう数期の間は無いものと考えられます。

 

*参考記事① 2019-07-29  909円 OP

商品リプレイス重なり、業績は雌伏期入りへ・アジュバンコスメジャパン(4929)。

 

*参考記事② 2018-07-09  993円 OP 

理研らとの共同研究の成果・恩恵はかなり先、アジュバンコスメジャパン(4929)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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