【4929】アジュバンコスメジャパン(東証1部) ---
現在値 993円/100株 PER68.3 PBR1.68 3月配当優待
美容室経由でスキンケア、ヘアケア製品販売。関西地盤で高価格品多い。
配当は3月一括の24円配のため、配当優待利回りは2.42%となります。
アジュバンコスメジャパンは株主優待制度を導入しており、3月末に100株以上を保有する
株主に対して、5,000円分の自社ヘアケア製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは
約7.45%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 45.0億円、営業利益 7.3億円、EPS 6.1円
■2016年3月期 売上高 44.0億円、営業利益 6.4億円、EPS 33.8円
■2017年3月期 売上高 47.7億円、営業利益 5.1億円、EPS 41.7円
■2018年3月期 売上高 50.9億円、営業利益 5.0億円、EPS 39.3円(4/20)
■2019年3月期 売上高 52.7億円、営業利益 2.2億円、EPS 14.5円 ce
□2018年9月中 売上高 26.4億円、営業利益 1.5億円、EPS 11.8円 ce
2018年3月期の売上高は前期比6.8%増の50.9億円、営業利益は同3.6%減の5.0億円となり、
期初計画をやや下回りました。主力のスキンケア商品については、新商品のダイヤモンド
ジェイ(DJ)が堅調に推移したほか、ヘアケア商品についても概ね計画水準を確保しました。
その一方で、スキンケア商品における既存品のAEスペシャルがリプレイスで減少したほか、
メイク商品のプリンシェルなどが伸び悩みました。なお、前期比増収の主な要因は一昨年
に買収したエクシードシステム社の通年寄与効果による押し上げ分となります。
進行期である2019年3月期の売上高は3.5%増の52.7億円、営業利益は53.2%減の2.2億円
と大幅減益を予想しています。ヘアケア商品で主力となるRe:シリーズのアッパーラインと
して、‘ClassS’という単価3割増しの新商品を投入し増収を狙うものの、スキンケア商品に
関しては前の期に投入したDJシリーズの一服により減収想定となっています。売上高が
伸びるわりに大幅な減収を予定しているのは、‘ClassS’の広告宣伝費を積み増すことや、
収納能力拡大を意図し、物流センターを港島から須磨へ移転する引越費用が嵩みます。
当社は2023年3月期を最終年度とする5年新中計を策定しており、売上高52.7→100億円
(CAGR13%)、営業利益2.2→20.0億円(CAGR55%)を定量目標としています。数字の上っ面
だけ見ると無理筋な目標ですが、数年前の上場した頃の当社は巡航ベースで営業利益
10億円程度は定常的に稼いでいたので、会社的にはそこまで数字を復元した上で倍化
させるイメージを持っているものと思われます(それでもハードルは相当高い)。
成長の骨子は登録サロン数を6,879→10,000件まで増やす量的拡大策がベースであり、
サロン数の拡大に合わせて、サロン経営・顧客管理システムである「MAPシステム」の
拡販とクラウド型への切替導入を推進する方針です。また、他の化粧品系の他社より
も明らかに手薄だった海外開拓についても、従来のB2Cだけでなく海外の現地代理店
を介したB2Bに注力します。
そのほか、今後有望なネタとしては、理化学研究所で再生医療を手掛ける辻チーム、
およびオーガンテクノロジーズと3者で毛髪再生にかかる共同研究中であり、理研と
オーガンは去る6月4日に「毛包器官再生医療に向けた非臨床開始」をリリースしてい
るため、今後臨床試験へと進む見通しです。ただこの臨床前の安全検証に2018年い
っぱいかかる見通しであり、臨床クリア→製品化にはまだ相当な時間がかかるため、
共同研究期限である2018年10月31日の期限の延長は勿論としても、例えばAGA
(男性型脱毛症)対策のヘアケア商品の上市で業績爆発・・・といったことがあったと
してもかなり先の話となるので、過度な期待をするのは時期尚早かと思います。
*参考記事① 2016-06-29 887円 ---
今期も業績は横ばい圏、アジュバンコスメジャパン(4929)。
*参考記事② 2015-08-29 925円 ---
非正規流通の悪影響が一巡、アジュバンコスメジャパン(4929)
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