【3057】ゼットン(名証セントレックス) OP
現在値 790円/100株 PER--.- PBR3.16 2月配当 株主優待
東海、関東地区で飲食店運営。チェーン展開せず公共施設出店に注力。
配当基準日は2月末・8月末ですが、配当予想は未定となっています。
ゼットンは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する2月末の株主に対して、食事券3,000円分を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.79%となります。また、1年超の保有株主には4,000円分を進呈しているため、同利回りは約5.06%となります。
業績を確認していきます。
■2017年2月期 売上高 99億円、経常利益 3.3億円 EPS ▲102円
■2018年2月期 売上高 92億円、経常利益 4.4億円 EPS 36.1円
■2019年2月期 売上高 97億円、経常利益 4.9億円 EPS 48.8円
■2020年2月期 売上高 102億円、経常利益 4.7億円 EPS 80.0円
■2021年2月期 売上高(未定)億円、経常利益(未定)億円 EPS(未定)円 ce
□2020年8月中 売上高 35.0億円、経常利益▲5.2億円 EPS▲150.6円 四e
2020年2月期の売上高は前期比5.7%増の102億円、経常利益は3.7%減の4.7億円となり、売上高・利益ともに期初予想をクリアしました。台風等の天候不順の影響があったものの、独自の悪天候対策が奏功したほか、ブライダル・海外事業についても概ね堅調に推移し、既存店売上高は予算前提の100.0%を上回る100.4%を確保しました。利益面についても、オペレーション見直しによる採算性の向上やメニュー見直しによるコスト抑制により、営業利益段階では最高益となっています。
なお出退店については、出店11・閉店7の純増4となり、期末の店舗数は76店となりました。
進行期である2021年2月期の予算については、新型肺炎影響により合理的な算出が出来ないことを理由に現時点では未定としています。店舗の休業期間は4月2日からGW明けの概ね1ヵ月間であり、全店休業前の3月も時短で営業したため既存店売上高は56.4%に沈んでいます。営業を再開した直近の5月の月次も同4.2%に留まっているような状況であり、新型肺炎影響は1Q(3月-5月)期間だけでは織り込み切れず、本来的にはビアガーデン等屋外需要の書き入れ時となる2Q期間(6月-8月)も相応のダメージを受けるとみられ、通期での赤字転落が不可避な情勢とみられます。なお、出退店については、出店4・退店1の純増3を見込んでいます。
今期は4ヵ年中計の2年度目の位置付けとなっており、最終年度となる2023年2月期に売上高120億円(CAGR5%)、営業利益8.4億円(CAGR16%)をそれぞれ計画しています。当社は2015年9月にダイヤモンドダイニング(DD社)が、当社創業者である稲本健一氏らから、TOB(@790円)で当社株式の42%を取得して連結子会社化した経緯があり、長らく当社No.2であった古参の鈴木氏へと社長業をスイッチし、初めて会社として中計を公表した格好となります。なお、既述のとおり中計初年度については順調な進捗が確認されるものの、会社側としては新型肺炎による不透明感を理由に本中計の数値目標については一旦棚上げにする意向があるようです。
本中計における基本方針としては、主力の「アロハテーブル」の出店ピッチを落とし、パッケージ化の推進により採算性の向上を図るほか、エスニック業態や、和食業態といったその他のダイニング業態の開発に取り組む方針です。昨年3月にはかねてより得意としている公共施設事業において、葛西臨海公園の再開発事業を受託したほか、六本木ミッドタウンや赤坂サカスに既存店のある三井不動産案件として、本年1月開業の三井ガーデンホテル六本木プレミアの最上階にレストランを開業しています。また、同3月には四日市市の尾上別荘(年商3億円)を事業譲受しており、名古屋・徳川園のような和式婚礼式場のポートフォリオも拡充しています。
財務状況については、ここ数期順調に利益計上していて、株主還元も最小限に留めてきた経緯もあり(年5円配当)、期末時点の自己資本比率は33.5%水準に達しています。そのため、財務的観点で言えば親会社のDD社より良好な水準にあり、足許で追加調達もしていないことから、今期の無配は避けられないとみられるものの、新型肺炎による資金繰りは十分手当てされているものと考えています。
*参考記事① 2019-07-02 920円 NT
「アロハテーブル」統一化で、採算性は改善傾向・ゼットン(3057)。
*参考記事② 2018-06-08 994円 NT
不振店閉鎖でV字回復も、DDHD傘下で“没個性化”?ゼットン(3057)。
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