【6078】バリューHR/一過性利益剥落も、「働き方改革」でトップライン成長は力強い。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6078】バリューHR(東証一部)  OP

現在値 1,413円/100株 PER34.9 PBR6.45  6月・12月配当 株主優待あり

健保の保険事業や企業の健康に関するサービスをネットで提供。
配当は6月末・12月末の合計17.5円配当のため、配当利回りは1.24%となります。

バリューHRは株主優待制度を実施しており、12月末時点の単元株主に対して、2,500円分のカフェテリアポイントを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.30%となります。

(別途、長期優遇制度あり。6,000円のカフェテリア年会費も無料扱いとなります)

業績を確認していきます。  
■2016年12月期 売上高 25.7億円、経常利益 3.5億円 EPS 19.8円  
■2017年12月期 売上高 29.9億円、経常利益 4.4億円 EPS 26.1円 

■2018年12月期 売上高 35.8億円、経常利益 3.9億円 EPS 21.2円  
■2019年12月期 売上高 42.8億円、経常利益 8.0億円 EPS 46.8円 ce 

■2020年12月期 売上高 50.2億円、経常利益 8.2億円 EPS 40.3円 ce 
□2020年6月中間 売上高 24.5億円、経常利益 4.1億円 EPS 22.0円 四e 

2018年12月期の売上高は前期比19.3%増の42.8億円、経常利益は同105.3%増の8.0億円となり減益となったものの、トップラインから2割近い伸びとなったほか、期初予算を上回って着地しました。主力のカフェテリア事業については、健診代行をはじめとする健康管理、健診代行事業が新規・既存顧客ともに上伸したほか、事業が新規・既存顧客ともに上伸したほか、連れてカフェテリアプランやICT面談の利用も増加しました。また、健保組合設立・運営支援のHRマネジメント事業も、付帯サービスのBPO/人材派遣分野のニーズの増加により、当該セグも高い業績成長を達成しました。なお、経常利益から膨張しているのは前期一過性費用である本社ビル建設のためのシ・ローン手数料▲1.7Mが剥落したことが主な要因となります。


進行期である2020年12月期の予算については、売上高が17.3%増の50.2億円、経常利益は2.4%増となる8.2億円を見込んでいます。いわゆる「働き方改革」の浸透に伴い、従業員の健康管理需要、カフェテリア事業における健康管理・健診代行における旺盛な受注が期待できる状況にあり、システム利用料や業務代行収入といったストック型収入の積み上がりが見込まれます。ただトップラインの高い伸びが続く一方、利益が横ばいとなるのは、本社ビル新築による不動産取得税の発生が見込まれることや、実績期で計上した投資有価証券売却益の剥落が要因となります。

 

当社の中長期的な成長戦略として、ストック型のカフェテリア事業を収益の柱に据えた上で、蓄積した健康情報を二次利用する“データバンク構想”を推進しています。例えばおくすり手帳との紐づけや、生活習慣病改善プログラム(面談・サプリメント提供)といったクロスセルを拡大させていく目論見となっています。また、従来顧客である企業・健保組合側だけでなく、健診等の受診率向上を志向する診療機関に対して予約システム「健診予約.com」を提供する取り組みを強化します。

 

外部環境面については、本邦全体の医療費負担が増大していることから、国策レベルで健康寿命延伸策や健康インセンティブ制度導入などが進められている状況であるほか、昨今のESG潮流や「働き方改革」により、企業側の従業員の健康管理意識も徐々に高まっている状況です。そのため、ここ数年の当社業績(売上高成長率)は高水準であり、直近5期及び進行期の年成長率は【11.3→14.9→16.5→19.9→19.3→17.3%(予】と、期を追う毎にモメンタムの加速傾向が確認され、当面は最低2桁レベルの成長が期待されます。

株主還元については、配当性向40%を目処に実施されており、上場来7期に渡って増配基調【3.75→7.5→7.9→10→12→16.5→17.5円(予】、となっています。通常は資金需要のない業種ですが、目下65億円もの巨費を投じて千駄ヶ谷に健診施設を含めた自社ビルを建設しており(高松建設が施行、竣工は本年9月30日)、この建設のために多額の借金をして財務が一気に傷んでいるので、還元水準としては概ね妥当かと思います。

 

*参考記事① 2019-04-04 1,274円*分割修正済 NT

健康志向の高まり受け、業績成長に躍動感も・バリューHR(6078)。

 

*参考記事② 2017-04-15 752円**分割修正済 NT

大同生命との資本提携効果は株価的にも強力、バリューHR(6078)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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