【4245】ダイキアクシス(東証1部) BY
現在値 738円/100株 PER9.8 PBR1.24 12月配当株主優待 6月配当
浄化槽をはじめとする各種水処理設備の製造・施工・販売及び維持管理。
配当は6月末・12月末の年2回で、配当利回りは約3.25%となります。
ダイキアクシスは株主優待制度を実施しており、12月末現在の単元保有株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.60%となります。
業績を確認していきます。
■2016年12月期 売上高 328億円、経常利益 11.3億円 EPS 53.6円
■2017年12月期 売上高 335億円、経常利益 13.4億円 EPS 61.6円
■2018年12月期 売上高 362億円、経常利益 11.0億円 EPS 71.8円
■2019年12月期 売上高 357億円、経常利益 11.5億円 EPS 65.2円
■2020年12月期 売上高 394億円、経常利益 15.0億円 EPS 72.5円 ce
□2020年6月中間 売上高 185億円、経常利益 7.9億円 EPS 40.0円 四e
2019年12月期の売上高は前期比1.3%減の357億円、経常利益は同4.9%増の11.5億円となり、増収増益を予想していた期初予想を下回って着地しました。主力の環境機器事業については、浄化槽排水処理システムが堅調に推移したほか、上水事業でも複数の案件計上がありました。また、インドにおける浄化槽生産・販売事業についても、期央から販売開始となったため売上寄与がありました。一方、住設機器事業については、前期計上の大型店舗工事案件の剥落が響き、同セグは減収減益となりました。これら主力2事業が横ばいであり、全社トップラインがマイナスだったにも拘わらず増益を維持出来たのは、育成中の再エネ事業が買電を開始したことにより、同セグの利益が3億円も良化したことが大きく寄与したことが一因と言えそうです。
進行期である2020年12月期の予算については、売上高が10.2%増の394億円、経常利益は29.8%増の15.0億円と3割近い大幅な増益を見込んでいます。主力の環境機器事業については、期初受注残高は1年前と比べて24.9%減の45.7億円と低調であるものの、赤字案件が一掃されていることによる採算性の良化が期待させるほか、実績期から本格的に販売の始まったインド浄化槽販売の通期寄与が見込まれるため、海外売上高は11.5億円→18.7億円まで約6割の成長を計画しています。また、再エネ事業については、太陽光発電による買電収入が本格化するため、同セグの利益が住設機器事業に迫る見通しであり、今期についても全社利益の“押し上げ役”としての役割が期待されます。新型肺炎影響により予算達成は不透明ではあるものの、買電収入割合の増加により、ある程度下支えされるものとみています。
今期は2021年12月期を最終年度とする3年中計の2年度目となっており、最終的な業績目標としては、売上高362億円→400億円(CAGR3%)、経常利益11.0億円→18.0億円(CAGR18%)をそれぞれ見込んでいます。成長戦略の軸となるのは、海外事業の拡大であり、既に自社拠点での浄化槽製造・販売を開始しているインドネシアにくわえ、足許ではインド・中国でも現地での製造・販売を開始しています。特にインド・中国ともに水質基準の厳格化が進んでおり、日本型浄化槽の引き合いが非常に強いため、製造拠点の開設により非常に息の長い販売拡大が期待出来ます。
また、既に本格稼働しているインドネシア工場からベトナム、スリランカ、アフリカ諸国といった第三国への輸出を模索しているほか、新たな製造拠点としてミャンマーでの工場新設を予定しているため、こうした海外における浄化槽の現地製造・販売が中長期的な成長のドライバーとなります。このほか国内の再エネ事業において、当社源流であるDCMグループ小売店の屋根を賃借した太陽光の発電事業が既に125店分・21,000kwが稼働を開始(FIT21円、一部18円)しているほか、FIT55円でID取得済の風力発電事業も北海道・東北で展開予定のため、これら買電収入のストック的な寄与が見込まれるため、見た目の数字以上に“足腰の強い”業績成長が期待されます。
株主還元については配当性向30%以上を目安としており、今期は24円配当を据え置く予定となっています。この場合、計算上の配当性向は33.1%ほどとなりますが、会社的には自己資本比率の想定を35%以上としているものの、足元では海外の浄水槽工場の新設や太陽光発電設備の積極投資が嵩んでおり、自己資本比率は23.9%まで更に悪化しているため、配当据置についてはごく真っ当な判断であると考えています。
*参考記事① 2019-04-10 832円 OP
7期連続増益ならずも、日本型浄化槽のアジア需要強く改めて期待・ダイキアクシス(4245)。
*参考記事② 2018-03-30 1,577円 NT
海外事業の躍進で中計達成にリーチ、ダイキアクシス(4245)。
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