【2198】アイ・ケイ・ケイ(東証一部) OP
現在値 489円/100株 PER10.1 PBR 1.16 10月配当 4月株主優待
九州・北陸・四国・東北など地方中核都市でゲストハウス型挙式等展開。
配当金は10月末に一括12円配当のため、配当利回りは約2.45%となります。
アイ・ケイ・ケイは株主優待制度を導入しており、4月に単元株以上を保有する株主に対し、1,500円相当の特選菓子を進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.52%となります。
業績を確認していきます。
■2016年10月期 売上高 179億円、経常利益 21.6億円 EPS 45.5円
■2017年10月期 売上高 181億円、経常利益 18.2億円 EPS 44.9円
■2018年10月期 売上高 200億円、経常利益 20.9億円 EPS 46.2円
■2019年10月期 売上高 201億円、経常利益 19.5億円 EPS 45.4円
■2020年10月期 売上高 216億円、経常利益 22.2億円 EPS 48.2円 ce
□2020年4月1Q 売上高 42.4億円、経常利益 0.1億円 EPS▲0.0円(2/28)
□2020年7月2Q 売上高 92.6億円、経常利益 2.7億円 EPS 6.0円 ce
2019年10月期の売上高は前期比0.9%増の201億円、経常利益は同6.6%減の19.5億円となり、ほぼ期初予算通りのピンポイント着地となりました。主力の婚礼事業に於いて、2018年12月開業の大阪支店が巡航稼働したほか、2019年7月にポートアイランドに開設した神戸支店が一部寄与しました。前期比でバンケットが2つ増えているにも拘わらず、国内施行組数が7組減の4,667組に留まったものの、その一方で婚礼単価の引上げには成功しており、前期実績の3,984千円から4,009千円に25千円アップさせて手堅く増収を確保しました。利益面では神戸支店の開業費用約2.3億円が重しとなるためものの、トップラインの上振れにより対予算クリアとなりました。
進行期である2020年10月期の予算については、売上高が7.4%増の216億円、経常利益は13.4%増の22.2億円と2桁の増益を予想しています。主力の婚礼事業については、旗艦店となる豊洲の東京支店が夏に開業予定となっており一部寄与が見込まれるほか、福井支店・富山支店の改装を予定しております。期初時点での受注残高は1年前の3,719組→4,168組へと400組以上積み増しているほか、既述のとおり婚礼単価も上昇しており、会社側も予算上の設定単価を保守的に想定していることから、オンハンドの状況を見る限りは走破圏とみられます。しかしながら、期初段階では今次新型肺炎による延期(中止)の影響を織り込んでおらず、しかも当社の場合は春の3Q及び秋の4Qの各四半期に数字が偏重する傾向があり、期ズレ案件が相当程度発生することが予想されることから、業績達成はかなり不透明な情勢な状況に陥ったものと判断されます。
当社は毎回10~20億円の巨費を投じる大型新店の出店を軸とした外部成長を志向しているため、慎重に立地を厳選した上で出店をすべく、中期経営計画は意図的に非開示としています。実際に今期の国内出店は東京支店1店のみの出店に留まるものの、自治体を中心とした引き合い(東京支店は江東区の豊洲ふ頭公園等管理運営事業の案件)が100件以上来ているようであり、その中から今期で3案件ほどを“名有り”として翌2021年10月期にかけて開業を目指していく方針のようです。
そういった外部成長志向を明らかにするため、創業社長である金子和斗志氏が会長に引っ込み、管理畑の村田氏を社長に昇任させていたます。今後は会長成りした金子氏が陣頭指揮を採って新規出店を進めていく計画であり、内部留保を優先して積み上げた自己資本比率が足許で60%まで上昇していることから、ここからは最大40%程度まで落として財務レバレッジを効かせることで新規出店を一気に加速していく考えのようです。また、海外事業についても、ジャカルタのオフィスビルの上層階を賃借して、オフィスビル内ウェディングを展開していますが、既に黒字化を果たしており、本年2月には近隣に2店舗目も開業していることから、今後はそちらの上積みにも期待がかかります。
財務については既述したとおり、婚礼事業者としては異例の好財務をキープしていますが、今次決算で財務レバレッジを活用した積極出店意向が明らかになったため、今期の配当予想については5期連続同額の12円を据え置いています。当社は元より従業員の雇用・待遇の維持を最優先しており、九州では抜群の就職人気を保持しすることで若くて優秀な労働力の確保を重視しているフシがあることから、今回のように成長シナリオが提示されるのであれば株主還元は手薄でも仕方ないかなと思います(一応、昨年12月に0.3%にあたる6千万円の自社株買いを実行している)。
*参考記事① 2019-03-09 730円 NT
九州屈指の優良企業だが、全方位的に投資妙味が薄い・アイ・ケイ・ケイ(2198)。
*参考記事② 2018-10-12 764円 NT
競合他社より出店ペースは非常に緩やかで好財務維持、アイ・ケイ・ケイ(2198)。