こんな状況で今後の相場展開がわかるのなら逆に教えて欲しいくらいですが(笑)、後学のために現時点での勝手な予想をつらつら書いておきたいと思います。なお、本件についてはマクロの変数要素があまりに多過ぎて、当方の手に負えるようなテーマではないので、本エントリをベースに何かご判断をされても一切保証はいたしかねますのであしからずご了承ください。
新型肺炎については、WHOは「インフルエンザ同様、夏になれば収束するというのは間違い」と言っているようですが、当方は季節変化とは明確に相関関係があると考えており、今後暖かくなればある程度鎮静化してくるものと考えています。ただ新型肺炎自体の収束は兎も角、経済への二次影響は最早避けられないレベルになっていると思われ、企業業績に大ダメージを与えることは必至の情勢と言えます。
そのため、今後の下方リビジョンの織り込みが進むことにより、目先のバリュエーションは切り下がるものの、それでも株価指数自体は日経平均2万円割るか割らないかといったあたりで一旦反発を試しに行くものと予想しています。これは既にテクニカルリバウンドが期待出来る水準ということもありますが、大統領選を控えた米国は株価を維持させるインセンティブが働くほか、本邦も日銀がETFである程度買い支えるとみられることから、ここから更に一段下に行くにしても、新型肺炎が一層深刻化するなどしない限りはエネルギー不足かなと思っています。
以上が新型肺炎による状況を踏まえた現在のマクロ環境認識です。そして実際の投資戦略に落としたのが以下の3点となります。
①指数にちゃんと連動する東証一部の高β株を選好する/
指数だけは日銀買い等でスルスル戻ったとしても、個人投資家が深い痛手を負っている中小型株には当面お金が回ってこない可能性があります。現状、信用の評価損益率が酷い状況であり、レバをまともに使えない個人が多いので、別に慌てて買わなくても株価はそう簡単に戻りません。指数連動する大型株である程度の戻りを取った後に、後から買っても間に合う銘柄が多いのではないかと思います。
②3月IPO銘柄のセカンダリを狙う/
上記①で記した中小型株を避ける動きとは逆になってしまいますが、こうしたマーケットの状況下でも(東証の上場区分変更の駆け込み影響もあるのか)凄まじい量のIPOが承認されているので、少ない資金が更に分散されることが予想されます。そのため、3月のIPOは公募値決めが目論見書ベースの想定価格を下回っているものも散見され、構造上ミスプライシングが非常に起こりやすくなっており、チャンスが非常に大きいと思われます。また、手垢だらけの他の中小型株と違って、戻り待ちの売り物がいないのもポイントです。
③配当下限が明示されている高配当株を選好する/
足許の株価下落で高配当株がかなり増えていますが、それなりの業績の落ち込みが予想されるため、一部上場の大企業であってもしれっと減配してくるようなところが増えてくると思います。そのため、業績連動配当ではなく中期経営計画等でしっかりと配当下限が明示されていたり、累進型の配当政策と取っていたり、そもそも財務体質が盤石であったりするなど、高配当政策に蓋然性がある銘柄をしっかり選んでいく必要があるかと思います。
投資のアイディアとしては以上3点となります。②の3月IPOセカンダリーはちょっと難易度が高いので、実務的には高βの高配当確実株を狙っていくのが定石かと思います。人情としては下方カイ離のきつい中小型株でリバ狙いをしたいところですが、中小型株でちゃんと戻る当たりクジはかなり限定されると思われるので、大怪我をしない選択肢を慎重に選んでいくような局面と考えます。
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