25年振りの公募増資も、財務改善目的で物足りぬ・ラックランド(9612)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9612】ラックランド(東証1部) NT

現在値 2,450円/100株 PER33.2 PBR3.16 12月配当優待 6月優待

食品、飲食業向け主力の店舗企画、設計、施工会社。メンテナンスに強み。
配当は6月末・12月末の合計25円配当のため、配当利回りは1.02%となります。

ラックランドは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末時点で単元株以上を保有する
株主に対して、3,000円分の東北地方特産品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.46%となります。なお、3月末・12月末現在の単元株主に対して、ギフトクーポン(割引)券も発行しておりますので、そちらもフルに利用した場合の利回りは約5.55%となります。

業績を確認をしていきます。
■2016年12月期 売上高 349億円 経常利益 11.1億円 EPS 90.9円
■2017年12月期 売上高 311億円 経常利益 9.6億円 EPS 89.1円 

■2018年12月期 売上高 428億円 経常利益 4.0億円 EPS 11.4円 

■2019年12月期 売上高 400億円 経常利益 9.1億円 EPS 73.6円 ce修正

□2019年6月2Q  売上高 159億円 経常利益▲0.9億円 EPS 23.4円

□2019年9月3Q  売上高 258億円 経常利益 1.7億円 EPS 38.0円(10/31)

2019年6月期の売上高は前年同期比20.4%減の159億円、経常利益は同赤転の▲0.9億円と
なり、売上高・利益ともに大幅な未達となりました。単体においては、全国的な商業モールの不振の影響で顧客の事業展開や設備投資が低調に推移したことや、大型案件の引渡し時期が4Qまでズレ込んだことが主な減収要因となりました。また、子会社においても同様に請負先のゼネコンの工事進捗遅延による物件引き渡しの下期ズレ込み影響を受けました。結果として、ストック型モデルである店舗メンテナンス事業以外の主要5セグメントは全て減収という形で落着し、人材の積極採用・育成施策による原価増が重くのしかかった格好となります。


なお、2019年12月期の通期予算については3Q時点で減額しており、売上高は前期比6.6%減の400億円(従予:450億円)、経常利益は同128%増の9.1億円(従予:10.0億円)に修正しています。当社の数字は主要2部門(スーパー、フードシステム)の引渡し時期が特に4Qに集中するため数字が期末に偏重する構造となっていますが、本年9月・10月の台風等風水害の影響でこれら2部門における顧客の投資計画が変更となり、4Q計上予定だったものが期ズレする格好となりました。そのため、足許では前期の大量採用(新卒・中途社員約100名)が一定程度戦力化していることから、利益率は良化傾向にあるため増益を確保するとみられるものの、上述の理由でトップラインが潰されるため、期初予算に届かない見通しとなります。


当社は目下10年間の長期計画(便宜上、マイルストーンとなる中計期間を第Ⅰ・第Ⅱ・第Ⅲ期間として区別する)を走らせており、2025年12月期に売上高500億円を目標としており、当初3ヵ年の中計第Ⅰ期間は売上高400億円・経常利益15億円を目指していましたが、これは売上高のみ達成となりました。今年度は既に中計第Ⅱ期間に入っており、4年後の2022年12月期に売上高500億円、経常利益20億円を新たな目標として掲げています。

 

基本的な成長戦略としては当社の祖業であり、強みのある冷凍冷蔵設備工事から内装の受注に繋げつつも、(既にMAでグループに取り込んだ)他の電気工事や給排水・空調設備工事、防災設備工事などの付随の工事についてもフルライン一括受注出来るような体制を整えており、これが同業内装他社にはない強みとなっています。昨年2月には金物制作会社の墨東工業を4億円程で買収(年商不詳)しているほか、同年1月には照明商社の日本ピー・アイ(年商7億円)を買収しております。また足許の本年10月には空調・給排気工事の環境整備エヌ・エヌ・イー(年商11億円)も相次いで買収しており、内的には積極的な人材採用を進めつつも、MAによる外部成長志向が強く見受けられます。

 

そしてかような買収策によりストレスのかかった財務を改善させるため、11月末には上場来初のPOを発表しており、OA込で150万株を発行し、約35億円を調達する計画となっています。資金使途は基本的には償還の迫った社債と短期借入れの返済に充てる予定となっており、新たなエクイティ・ストーリーが示されるといったわけではなく、単なる高株価を活かした財務良化が目的であると考えられます。そのため、POによる成長シナリオは足許の株価のバリュエーションである程度“先食い”されてしまっているような状況であるほか、年25円水準の配当が据え置かれている株主還元の拡充についても、当面は期待出来なくなったものと考えています。

 

*参考記事① 2019-05-24 2,226円 NT

業績未達続き、優待目的以外では手掛けずらい・ラックランド(9612)。

 

*参考記事② 2018-11-08  2,916円 NT

3Qまでの低進捗を巻き返せば中計達成だが・・ラックランド(9612)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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