【9612】ラックランド(東証1部) --
現在値 2,916円/100株 PER25.2 PBR3.31 12月配当優待 6月優待
食品、飲食業向け主力の店舗企画、設計、施工会社。メンテナンスに強み。
配当は6月末・12月末の合計25円配当のため、配当利回りは0.86%となります。
ラックランドは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末時点で単元株以上を保有する
株主に対して、3,000円分の東北地方特産品を進呈しておりますので、配当優待利回りは
約2.91%となります。なお、3月末・12月末現在の単元株主に対して、ギフトクーポン(割引)
券も発行しておりますので、そちらもフルに利用した場合の利回りは約4.62%となります。
業績を確認をしていきます。
■2015年12月期 売上高 297億円 経常利益 7.5億円 EPS 63.9円
■2016年12月期 売上高 349億円 経常利益 11.1億円 EPS 90.9円
■2017年12月期 売上高 311億円 経常利益 9.6億円 EPS 89.1円
■2018年12月期 売上高 400億円 経常利益 15.0億円 EPS 115.6円 ce
□2018年6月2Q 売上高 200億円 経常利益 4.9億円 EPS 36.2円
□2018年9月3Q 売上高 277億円 経常利益 1.4億円 EPS 1.15円(10/31)
2018年6月期中間期の売上高は前年同期比65.4%増の200億円、経常利益は同4.2倍の
4.9億円となり、ほぼ期初計画線での着地となりました。今期へとずれ込んだ紀伊白浜の
ホテル大型リノベ案件が1Qで約40億円も売上寄与したことが主な増収要因となりますが、
商業施設の企画制作事業が、大手デべや電鉄系顧客の開拓により大型改装案件を獲得
したほか、主力のスーパーの企画制作事業についても前年を超える水準で推移しました。
なお2018年12月期通期の見通しに関しては期初予算を据え置いており、売上高が前期比
28.6%増となる400億円、経常利益が56.2%増の15億円を予想しています。既に10月末時点
で3Q決算の開示がなされており、2Q累計期間よりも売上高・経常利益ともに業績進捗率を
落としていますが、当社は業績の期末偏重傾向が強く見た目が悪くなる点や、9月の地震や
台風による引渡し時期の変更(3Q→4Q)の影響を考慮すれば、まだ挽回可能性が残ります。
当社は目下10年間の長期計画を走らせており、2025年12月期に売上高500億円を目標と
しているほか、そのマイルストーンとしての位置付となる3年中計(※今期が最終年度)では
今期予算と全く同じ数値を置いていました。そういう意味で、3年中計に対してはインライン
の進捗と捉えることも出来ますが、いかんせん上述のとおり今期は進捗が悪すぎるので、
3年中計の目標達成については、最後まで油断が出来ない状況です。
基本的な戦略として、当社は祖業である冷凍冷蔵設備工事の強みを活かして内装受注に
繋げつつも、他の電気工事や給排水・空調設備工事、防災設備工事などの付随の工事に
ついても業者を個別にMAしてグループに取り込んで、フルライン一括受注が出来るような
体制を採っており、これが同業内装他社にはない強みとなっています。本年2月には墨東
工業という民再法適用となった金物制作会社を4億円程で買収(年商不詳)しているほか、
1月には日本ピー・アイという照明商社も買収(年商7億円)して、駒を揃えています。特に、
墨東工業はベトナム子会社の年商が1億円を超えており、次期3年中計の鍵となるアジア
展開における“橋頭保”としての役割が期待されます。
また株主還元については、概ね右肩上がりの増配基調を継続していましたが、今期予想
を含む直近3期では年25円の配当を据え置いています。同業者であるスペースや船場が
好財務を背景に配当性向40~50%超の水準でガンガン株主還元しているのと比較すると
非常に見劣りしますが、当社はこれらの内装業者よりも財務が悪いので仕方ありません。
その代わりに当社はMAや海外展開による業容拡大意欲が強く、あくまでトップライン成長
を優先しているため、他社よりも成長株寄りのバリュエーションで株式市場では評価されて
いるという特徴もありますが、それは成長が減速した時のダウンサイドリスクを孕んでいる
こととも同義のため、その辺は留意しておく必要もありそうです。
*参考記事① 2017-04-20 2,041円 --
商業内装業者の中ではグロース銘柄、ラックランド(9612)。
*参考記事② 2016-11-19 1,885円 --
未達懸念も総還元性向は60%台へ突入か、ラックランド(9612)。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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