【6540】船場(東証1部) OP
現在値 1,100円/100株 PER14.4 PBR1.09 12月配当 株主優待なし
商業施設の企画、設計から監理、施工までを一貫。売上の2割がイオン系。
配当は12月末一括の45円配当のため、配当利回りは4.09%となります。
船場は株主優待制度を実施しておりません。
業績を確認していきます。
■2015年12月期 売上高 307億円、営業利益 20.4億円 EPS 183円
■2016年12月期 売上高 276億円、営業利益 17.1億円 EPS 124円
■2017年12月期 売上高 295億円、営業利益 14.2億円 EPS 100円
■2018年12月期 売上高 284億円、営業利益 12.6億円 EPS 97円
■2019年12月期 売上高 280億円、営業利益 10.0億円 EPS 76円 ce修正
□2019年6月2Q 売上高 134億円、営業利益 5.1億円 EPS 37.7円
□2019年9月3Q 売上高 208億円、営業利益 10.1億円 EPS 73.2円(11/12)
2019年6月中間期の売上高は前年同期比4.4%減の134億円、営業利益は同16.2%減の5.1億円となり、期初計画を下回りました。売上依存度の高い地方の大型SCデべ(要はイオンモール)が売上低下と人件費高騰の二重苦に陥っている状況にあり、引き続き新規投資を抑制しているため、得意の郊外SC案件が低調に推移しました。本上期の大型案件としては「サンエー浦添西海岸パルコ」や、「小田急百貨店藤沢店改装」「日比谷国際ビル飲食街」などがあったほか、個別の案件としてはVOYAGE新本社の内装、海外案件としてはシンガポール・チャンギ空港隣接商業施設におけるJRの物販テナント出店案件などがありました。
なお2019年12月期の通期予算については、2Q前に減額しており、売上高が前期比1.7%減の280億円(従予:300億円)、営業利益は同21.2%減の10.0億円(従予:14.0億円)へそれぞれ修正しています。上期の凹み分と弱含みの基調が通期継続することを前提として減額したとみられるものの、上期末時点の受注残高は前年同期比23億円増の65億円を確保しているほか、下期には海外の好採算・企画設計案件(シンガポールの百貨店、シェアオフィスとみられる)の計上等も予定していることから、減額後の予算は保守的であると考えられます。実際のところ、11月に開示済の3Qでこの修正予算を超過しているような状況であるため、4Qで先行投資が嵩むなどしない限り、元々の期初予算に近い数字を奪回してくることが期待されます。
今期は減額ローリング済の中計初年度という位置付けであり、3年後の2022年12月期に売上高340億円、営業利益は20.0億円の数値を掲げ直し、定量目標値を事実上2年ほど後倒ししています。この原因は前述のとおり、上得意先であるイオン(モール)の大失速と国内の出店抑制による影響を色濃く受けたことが要因であるため、足許では30年前から進出している海外事業への注力度合いを深めています。具体的には進出済の香港・台湾・上海やシンガポールにくわえ、ベトナムやマレーシアへなどASEAN諸国への新規進出を推進しており、この上期における海外売上高の全社構成比は実に11%となり、前年同期の2倍水準にまで飛躍的に拡大させています。具体的には、台湾において三井不動産が開業する台北初のららぽーとの企画やデザインを当社が受注するなどしており、これまでのイオン(モール)一本足打法からの脱却が改めて期待されます。
なお当社は、無借金経営を長年に渡って継続しており、保有する現金同等物も70億円弱と、じゃぶじゃぶの財務状況を確保しています。そのため、株主還元については、配当性向目標を同業他社(具体的に言うとスペース)並みの50%まで一段引き上げており、今期は5円増配となる45円配当を予想しています。ただ今期については既に下方修正済ということもあり、これ以上追加増配を望むのは難しいものの、期初予想の45円配を守ることは十分可能だと考えています。
*参考記事① 2019-04-19 994円 OP
上顧客のイオン低調で苦しいが、好財務活かし連続増配・船場(6540)。
*参考記事② 2018-04-14 1,296円 OP
配当性向は他社並みの40%志向で連続増配へ、船場(6540)。
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