【9260】西本Wismettacホールディングス (東証1部) OP
現在値 3,795円/100株 PER16.8 PBR1.06 6月配当 12月配当優待
日本食を軸としたアジア食品・食材を米国等で販売。サンキスト・レモンの日本総代理店。
配当金は6月末・12月末の年2回・合計95円配当のため、配当利回りは2.50%となります。
西本Wismettacホールディングスは株主優待制度を導入しており、12月末に100株以上を保有する株主に対して、3,000円相当のグルメギフトコードを進呈していますので、配当金と合計した配当優待利回りは、約3.29%となります
業績を確認していきます。
■2015年12月期 売上高 1,582億円、営業利益 79.9億円 EPS 360.9円
■2016年12月期 売上高 1,583億円、営業利益 73.2億円 EPS 228.0円
■2017年12月期 売上高 1,720億円、営業利益 63.2億円 EPS 236.4円
■2018年12月期 売上高 1,822億円、営業利益 67.1億円 EPS 322.8円
■2019年12月期 売上高 1,830億円、営業利益 45.0億円 EPS 224.8円 ce修正
□2019年6月2Q 売上高 921億円、営業利益 25.6億円 EPS 130.8円
□2019年9月3Q 売上高 1,370億円、営業利益 35.7億円 EPS 177.5円(11/13)
2019年6月中間期の売上高は前年同期比2.1%増となる921億円、営業利益は同16.0%減の25.6億
円となり、期初予算を下回って2桁減益となりました。主力のアジア食事業において、北米市場や欧州市場の売上は堅調に推移したものの、利益面については特に北米の物流部門経費の上昇基調が響いたほか、英国子会社についてはEU離脱問題による為替変動の影響を受けて一段と落ち込む格好となりました。また、農水産商社事業についても、シトラス・トロピカル・野菜商材の国内販売が低調に推移したほか、中国子会社についても米中貿易摩擦の影響で米国産柑橘類の販売が低迷しました。
なお2020年12月期の通期予算については、去る11月13日に開示された3Q時点で減額しており、売上高は前期比0.4%増の1,830億円(従予:1,930億円)、営業利益は同32.9%減の45.0億円(従予:60億円)にそれぞれ修正しています。アジア食事業においては北米事業を採算重視路線に切り替えるとともに、農水産商社事業についても国内外販売の実勢減を反映して、トップラインを減額します。また利益面についても、米中貿易摩擦による関税の増加や、ナショナルブランド製品の値上げの影響を受けるほか、英国子会社が為替要因による仕入原価増で利益が圧迫される見通しです。また、期初段階でも9.5億円をエクストラで見込んでいたシステム投資、オフィス移転などの政策費用についても、グループ人材採用費の増加により11億円まで膨らむ見通しとなりました。
今期は3年中計の中間年度となっており、最終年度の2020年12月期に売上高2,290億円(CAGR10%)、営業利益90億(CAGR12%)を目指しています。北米で自社トラック等による物流網を活かした“自社一貫商・物流(プラットフォーム)”によりエリアを拡大するとともに、現状で4割程の売上構成比となっている自社PB“Shirakiku”を日本のナショナルブランド(メーカー)との協業で商品数・商品力をアップさせ、PB商品の売上構成比を高めるのが基本戦略であり、オーガニック成長が軸となります。
会社側は従来より「売上高は達成可能圏、利益は厳しい」旨のアナウンスをしていたので、足許の状況は概ねその見通しを踏襲したものとなりますが、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題やそれに付随する為替影響等のマクロ面のマイナス要因については織り込みが不十分だったとみられ、実際は利益のみならずトップラインもショートして着地する公算が高そうです。なお、中計期間終了後の定量目標として、2021年12月期に売上高2,400億円、営業利益80億円という数値を明らかにしていることから、実勢ベースでは1~1.5年程度後ろ倒しになっている印象です。
それでも当社は業歴70年余年の老舗食品商社ということもあり、借金220億円弱に対して、手許現金を420億円超も保有する無借金経営を継続しています(自己資本比率5割強)。そのため、MAなどの飛び道具で成長することも可能ですが、会社側はあくまで事業基盤構築を優先しているフシがあるため、その手の外部成長等は当面期待薄とみられます。なお、配当については配当性向30%を基準としており、今期は既に下方修正しているものの、好財務を背景に前期並みの年95円配(洗替後の配当性向は42.2%)を据え置くとみられます。また、足許の株価については2017年9月のIPO価格(@4,750円)を依然下回っているため、自社株買いの出動も期待される水準感ではあります。
*参考記事① 2019-04-25 3,980円 OP
海外の日本食市場拡大も、中計目標諦め構造改革か・西本WismettacHD(9260)。
*参考記事② 2018-11-05 5,350円 OP
海外の日本食レストラン激増傾向が追い風、西本WismettacHD(9260)。
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新品価格¥2,200~ |
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