【9260】西本Wismettacホールディングス (東証1部) ---
現在値 5,350円/100株 PER16.4 PBR1.37 6月配当 12月配当優待
日本食を軸としたアジア食品・食材を米国等で販売。サンキスト・レモンの日本総代理店。
配当金は6月末・12月末の年2回・合計95円配当のため、配当利回りは1.78%となります。
西本Wismettacホールディングスは株主優待制度を導入しており、12月末に100株以上を
保有する株主に対して、3,000円相当のグルメギフトコードを進呈していますので、配当金
と合計した配当優待利回りは、約2.33%となります
業績を確認していきます。当社は昨年9月のIPO銘柄です。
■2015年12月期 売上高 1,582億円、営業利益 79.9億円 EPS 360.9円
■2016年12月期 売上高 1,583億円、営業利益 73.2億円 EPS 228.0円
■2017年12月期 売上高 1,720億円、営業利益 63.2億円 EPS 236.4円
■2018年12月期 売上高 1,850億円、営業利益 67.5億円 EPS 324.9円 ce
□2018年6月中間 売上高 902億円、営業利益 30.6億円 EPS 152.1円(8/14)
2018年6月中間期の売上高は前年同期比4.2%増となる902億円、営業利益は同6.0%減の
30.6億円となり、期初予想を若干下回って着地しました。主力のアジア食事業において、
北米市場の顧客開拓が進んで堅調に推移したものの、米(コメ)の原料不足により原価率
が高騰したほか、人件費や燃料費の上昇も響いて、当該セグは増収減益となりました。
一方、農水産商社事業については、意図的な仕入調整で計画には届かなかったものの、
三国間取引のアボカドや、りんごの輸出が順調に推移したため、増収増益となりました。
2018年12月期の通期予算については期初のものを据え置いており、売上高が7.4%増の
1,850億円、営業利益は7.1%増の67.5億円を予想しています。アジア食事業については、
主戦場である北米の顧客拡大が進んでいるほか、拠点合理化といった構造改革の推進
により下期での巻き返しを図ります。また、青果市況悪化に見舞われた前期からの反動
増が続く農水産商社事業については、小玉りんご「SUGOI」をタイを中心とするASEANへ
輸出開始するなどしており、日本産果実の取扱品目の増加により業容拡大を狙います。
なお当社は業種柄、為替や油価の影響を受けるので、予算達成は微妙かもしれません。
当社は今期より3年中計を公表しており、最終年度の2020年12月期に売上高2,290億円
(CAGR10%)、営業利益90億(CAGR12%)を目標としています。北米で自社トラック等による
物流網を活かした“自社一貫商・物流(プラットフォーム)”によりエリアを拡大するとともに、
現状で4割程の売上構成比となっている自社PB“Shirakiku”を日本のナショナルブランド
(メーカー)との協業で商品数・商品力をアップさせ、PB商品の売上構成比を高めるのが
基本戦略となります。また、マクロ環境的なところでは、直近7年間で世界の日本食レス
トランの軒数が約4倍(3万店→11.8万店)へと凄まじい勢いで増加してきていることから、
この食材発注の受け皿となるべく、現地拠点を次々開設して受注確保に動いています。
一応、本中計目標はオーガニックグロースのみの数値計画であり、当社の巡航ベース
では営業利益75億円程度を叩き出す実力があることを鑑みると、ややコンサバな数量
目標にも見受けられますが、上場後初の中計かつ、まだ初年度のため、ひとまず様子
見したいと思います。なお当社は70年以上の業歴を数える老舗食品商社ということも
あり、財務が非常によく、借金150億円弱に対して手許現金を310億円超保有しており、
事実上は無借金経営となっています。この豊富な資金をMAに振り向けることも、株主
還元に振り向けることも、あるいはその両方に振り向けることも十分出来るような状況
であり、足許の株価水準がIPO価格(@4,750円)をクリアして自由度が出てきたことから、
その辺の資本政策まわりのことにも注目していきたいと思います。
*参考記事① 2018-04-01 4,755円 ---
日本食需要増加で、向こう3年は年率2桁成長へ・西本WismettacHD(9260)。
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