【3139】ラクト・ジャパン(東証1部) OP
現在値 3,635円/100株 PER18.2 PBR2.39 11月配当 5月株主優待
旧東食系。乳原料・チーズ、食肉加工品の食品専門商社。北米、欧州、豪に拠点。
配当は11月末一括の22円配当のため、配当利回りは0.61%となります。
ラクト・ジャパンは株主優待制度を導入しており、5月末の単元株主に対して1,000円分の
クオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約0.88%となります。なお、3年以上
継続保有の株主に対しては、クオカードではなく乳製品カタログギフトを進呈しています。
(ギフト内容:欧州産チーズ詰め合わせや十勝チーズ、十勝白い牧場アイス詰め合わせ等)
業績は以下の通りとなります。
■2016年11月期 売上高 886億円、経常利益 14.3億円 EPS 96.8円
■2017年11月期 売上高 1,013億円、経常利益 25.2億円 EPS 179.5円
■2018年11月期 売上高 1,154億円、経常利益 26.1億円 EPS 182.3円
■2019年11月期 売上高 1,252億円、経常利益 28.0億円 EPS 196.6円 ce
□2019年5月2Q 売上高 577億円、経常利益 12.5億円 EPS 90.5円
□2019年8月3Q 売上高 875億円、経常利益 20.8億円 EPS 151.9円(10/15)
2019年5月中間期の売上高は前年同期比2.5%減の577億円、経常利益は同10.5%増の12.5
億円での着地となり、売上は若干ショートしたものの、利益は期初予算水準を確保しました。
主力の乳原料・チーズ部門において、所管独法である農畜産業推進機構(ALIC)が国内の
脱脂粉乳不足を受けて輸入量を増加させたことによる在庫のダブつきの影響を受けたほか、
食肉加工品事業についても国内の豚肉需要が軟調に推移しているため、これら2セグメント
は何れも減収となりました。その一方、アジア事業については、現地企業向けが順調に伸長
して取扱量が増加したほか、タイ工場をはじめとする現地のチーズ製造事業の急伸により
順調な成長を遂げており、芳しくない事業環境の中でも全社の業績を底上げしました。
なお2019年11月期の通期予算については期初予想を据え置いており、売上高は前期比8.5
%増の1,252億円、経常利益は7.2%増の28.0億円を予想しています。主力の乳原料・チーズ
部門においては、引き続き脱脂粉乳の在庫過多の影響を受けるほか、悪天候により外食
向けチーズ需要の伸び悩みが懸念されるものの、高単価商品であるバターの堅調な推移
が見込まれるほか、製菓向け等が伸びる見通しです。食肉加工品事業についても、やや
持ち直し傾向がみられるほか、アジア事業も豪州産生乳の高騰により、オセアニア圏の同
業他社が価格競争力を失っていることから、生乳仕入拠点の分散が進展しており、豪州産
依存度が低い当社が相対優位な状況となっています。そのため、進捗はややビハインド気
味ではあるものの、通期の予算達成は可能な範囲にあるものと考えています。
当社はローリング方式で中計を洗い替えしおり、今期を期初としたロール後の新中計では、
3年後の2021年11月期に売上高1,450億円(CAGR8%)・経常利益34億円(CAGR9%)を目指
しています。中計終了時期が変わるので単純比較は出来ないものの、前回中計比で向こう
3年の売上高CAGRが1pt.、利益CAGRが3pt.増加しているため、成長モメンタムの加速
が確認出来ます。国内の乳製品消費量はここ20年間は約12百万トンで安定的に推移して
いて伸びがないものの、国内生産量は酪農家の高齢化による廃業が進み、輸入依存度が
尻上がりに上昇しているため(輸入依存度はこの20年で10pt.上昇して43%と推定)、乳製
品商社としてシェアの約35%を握る首位の当社はそのをフルに享受出来る立場にあります。
海外事業についても、主戦場であるアジアでは“食の欧米化”が急速に進展している状況で
あり、乳製品消費量も飛躍的に増加しているため、国内同様に事業環境のファンダメンタル
部分が極めて良好であるほか、当社の場合は単なる商社機能に留まらず、シンガポールや
タイに自社工場を新設し、食品メーカーとしての機能も有しており、これらローカルの工場が
早くも黒字化してきているため、早々に利益貢献してくることが見込まれます。
また本中計は「TPP11」「日・EU EPA」進展により見込まれるチーズやホエイの関税軽減
による数量増といったアップサイドを織り込んでいないことから、バッファも残されており
株価的観点で言えば専門商社株というよりも食品株としての高いバリュエーション(PER)
を適用することにより、切り上がりの余地があるものと考えています。
*参考記事① 2019-03-25 4,225円 NT
商社株ではなく食品株としての株価評価へ変貌、ラクト・ジャパン(3139)。
*参考記事② 2018-10-23 3,660円*分割修正済 OP
今期は地震特需で巻き返し濃厚も、興味は次回中計へシフト。ラクト・ジャパン(3139)。
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