【9281】タカラレーベン・インフラ投資法人(東証インフラ) OP
現在値 125,500円/1株 PER20.0 PBR1.28 5月分配 11月分配
インフラファンド市場第一号の上場銘柄、スポンサーはタカラレーベン。
予想分配金は年2回の合計6,919円配のため、分配金利回りは約5.55%です。
業績を確認していきます。
■2017年11月期 営業収益 10.6億円、経常利益 3.69億円 DPU 3,586円
■2018年5月期 営業収益 12.0億円、経常利益 4.15億円 DPU 3,976円
■2018年11月期 営業収益 14.9億円、経常利益 4.88億円 DPU 3,871円
■2019年5月期 営業収益 15.1、経常利益 4.84億円 DPU 3,826円(7/12)
■2019年11月期 営業収益 14.5億円、経常利益 4.13億円 DPU 3,307円 ce
■2020年5月期 営業収益 15.0億円、経常利益 4.55億円 DPU 3,612円 ce
2019年5月期の営業収益は当初予算より0.49億円上振れの15.17億円、経常利益は同
0.27百万円上振れし、4.84億円となりました。分配金に関しては、当初予想の3,631円→
3,826円へと195円上振れしました。昨年12月と本年2月の日照量が少なく、一部の物件
で最低保証賃料の下支えラインにヒットしてしまったものの、5月の実績発電量は全国的
に想定を大きく上回ったことで実績連動賃料がハネ、通期は無事超過達成となりました。
ウエイトが大きい旗艦物件である那須那珂川についても、2月を除き想定水準を確保し
ています。なお、期初時点から見込んでいた利益超過分配金(334円)については特に
圧縮せず、通常分配金(3,392円)にそのまま上乗せした形で支払いがなされています。
進行期である2019年11月期の予算については、営業収益が3.8%減の14.5億円、経常利
益は14.7%減となる4.13億円を見込んでいます。当法人については、旗艦物件である那須
那珂川の発電量がポートフォリオに与えるインパクトが大きく、通常同物件は11月期では
なく5月期の方が発電量が多いため、今期は閑散期に当たるため減収減益の組み立てと
なります。一応、6月28日に飯能美杉台を、デットと現金で期中取得していますが、7.5億円
と大きな物件ではないため、繁閑差を埋めるまでには及ばす、分配金についても519円減
の3,307円(利益超過分配金328円を含む)を予想しています。なお、当法人の期末分配金
の着地実績は、直近6期で期初の予想分配金に対して+4.7~+12.5%のレンジ内で上振れ
ていますので、この実績に照らせば期末の出た目は3,500円前後が期待出来そうです。
財務戦略については、昨年6月のPOにて約22.3億円(@113,384円)を調達しており、デット
込み合計49.3億円を投じて4物件(三重四日市、桜川中泉、白浜、高萩)を取得しています。
LTVは53.2%まで伸びてしまいましたが、その後に小振りな飯能美杉台を買った以外は、
非現金支出である減価償却費の一部を借金返済に回しているため、足許のLTVは51.4%
かそれ以下にまで減らせているものと考えられます。
スポンサーのタカラレーベンが抱える物件パイプラインは、開発予定分を含めて148MW
分を確保しており、スポンサーは再来年3月までにこれを250MWにまで増やす計画です。
既に直近取得物件の高萩と飯能美杉台は、これまでの買取単価である40~36円/kWh
から、32円/kWhまで落ちてしまっていますが、昨今の株価上昇により、J-REITでいうと
ころのインプライドキャップレートのような要求利回りは低下していると考えられるため、
32円であっても利回り的にこなせるとみられ、引き続きPOによる成長が期待されます。
当法人の特徴は、他インフラファンドと異なり、減価償却費を利益超過分配にはほとんど
回しておらず、CAPEXに回したり、借金を返したり、内部留保して物件の期中取得に充て
たりしています。そのため、DPU成長力はイマイチであるものの、その分安定的な運用に
期待したいと思います(太陽光以外もクライテリアなので、それらの組入にも期待したい)。
*参考記事① 2019-03-22 111,500円 OP
期初予想は保守的だが、レバはやや強めの印象。タカラレーベン・インフラ投資法人(9281)。
*参考記事② 2018-10-26 114,700円 OP
九州電力の出力制限の影響はほぼ皆無、タカラレーベン・インフラ投資法人(9281)
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