【9281】タカラレーベン・インフラ投資法人(東証インフラ) ---
現在値 111,500円/1株 PER17.8 PBR1.13 5月分配 11月分配
インフラファンド市場第一号の上場銘柄、スポンサーはタカラレーベン。
予想分配金は年2回の合計6,902円配のため、分配金利回りは約6.19%です。
業績を確認していきます。
■2017年5月期 営業収益 4.09億円、経常利益 1.49億円 DPU 3,021円
■2017年11月期 営業収益 10.6億円、経常利益 3.69億円 DPU 3,586円
■2018年5月期 営業収益 12.0億円、経常利益 4.15億円 DPU 3,976円
■2018年11月期 営業収益 14.9億円、経常利益 4.88億円 DPU 3,871円
■2019年5月期 営業収益 14.6億円、経常利益 4.57億円 DPU 3,631円 ce
■2019年11月期 営業収益 14.2億円、経常利益 4.07億円 DPU 3,271円 ce
2018年11月期の営業収益は当初予算より0.63億円上振れの14.93億円、経常利益は同
0.49百万円上振れし、4.88億円となりました。分配金に関しては、当初予想の3,510円→
3,871円となり、361円上振れしました。9月に台風の影響を受けて、最低保証賃料の下支
えラインにヒットしてしまったものの、6~7月の実績発電量が想定を大きく上回ったことに
より実績連動賃料がハネたため、9月の落ち込み分をカバーして超過達成となりました。
また、営業費用については、IR費用や減価償却費が見込みより増加したものの、トップラ
インの伸びの方が大きく、分配金の大幅増につながりました。なお、期初時点で見込んで
いた利益超過分配金(350円)については特に圧縮せず、通常の分配金(3,521円)にそのま
ま上乗せした形で支払いがなされています。
進行期である2019年5月期の予算については、営業収益が1.7%減の14.6億円、経常利益
は6.4%減となる4.57億円を見込んでいます。当法人については、大型物件の那須那珂川
の発電量がポートフォリオに与えるインパクトが非常に大きく、通常同物件は11月期では
なく5月期の方が発電量が多いため、今期の方が実績連動賃料が出やすい(はずである)
ことを踏まえると、発電量想定を保守的に見積もっているものと推察されます。そのため、
分配金についても240円減の3,631円(利益超過分配金334円を含む)で予想していますが、
当法人の期末分配金の着地実績は、直近5期で期初予想分配金に対して+4.7~+12.5%
の幅で上振れていますので、この実績に照らせば期末3,800円程度は期待出来そうです。
財務戦略については、昨年6月のPOにて約22.3億円(@113,384円)を調達していますが、
デット込み49.3億円を投じて4物件(三重四日市、桜川中泉、白浜、高萩)を取得している
ため、期末時点LTVは53.2%とかなり高い水準が継続しています。当法人の特徴として
キャッシュアウトしない減価償却費を利益超過分配金にあまり回さず、借金返済や物件
取得に充てることを特徴としていますが、足許のLTVは切り上がってしまっているため、
結局レバレッジを存分に効かした運用になってしまっています。
スポンサーのタカラレーベンが抱える物件パイプラインは、開発予定分を含めて134MW
分を確保しており、スポンサーは再来年3月までにこれを250MWにまで増やす計画です。
FIT単価の高い案件がどれだけあるかは不明ですが、スポンサーは本業のマンションの
調子がイマイチなので、太陽光案件が当法人に定期的にイグジットされる蓋然性は高く、
POを絡めつつも、高単価FIT案件と、低単価FIT案件をミックスして利回りを作りながら、
当法人に供給してくるものと思われます(つまり利回りが概ね維持される蓋然性は高い)。
また、中長期的には風力発電・バイオマス設備などの取得にも期待したいところですが、
先般上場したエネクス・インフラ(9286)のようにパイプラインに水力発電を有しているわけ
ではないので、その辺は外部の出物次第かと思われます。
*参考記事① 2018-10-26 114,700円 ---
九州電力の出力制限の影響はほぼ皆無、タカラレーベン・インフラ投資法人(9281)
*参考記事② 2018-03-12 115,700円 ---
旗艦物件での補助金効果は大きい、タカラレーベン・インフラ投資法人(9281)。
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