【3475】グッドコムアセット(東証一部) NT
現在値 1,878円/100株 PER12.1 PBR2.04 10月配当株主優待 4月株主優待
東京23区で投資用ワンルームマンション、家族向を分譲。女性公務員に顧客基盤。
配当金は10月末一括の47円配当のため、配当利回りは2.50%となります。
グッドコムアセットは株主優待制度を導入しており、10月末・4月末の単元保有株主に対し、
2,000円分のプレミアム優待倶楽部ポイントを進呈しておりますので、配当優待利回りは約
4.63%となります。(*6ヵ月以上の継続保有要件あり)
業績を確認していきます。
■2015年10月期 売上高 78.2億円、営業利益 9.4億円 EPS 39.3円
■2016年10月期 売上高 73.9億円、営業利益 9.2億円 EPS 45.5円
■2017年10月期 売上高 98.3億円、営業利益 9.0億円 EPS 106.1円
■2018年10月期 売上高 168億円、営業利益 16.7億円 EPS 159.9円
■2019年10月期 売上高 231億円、営業利益 17.0億円 EPS 155.4円 ce
□2019年4月2Q 売上高 85.0億円、営業利益 6.3億円 EPS 55.0円
□2019年7月3Q 売上高 162億円、営業利益 11.4億円 EPS 100.1円(9/11)
2019年4月中間期については売上高が前年同期比10.6%減の85.0億円、営業利益は同
35.8%減の6.3億円となり、期初予算に対しては売上高が超過・利益は未達となりました。
前年同時期に業者向けの一棟専有卸し物件を中心とした大量の引き渡しがあったため、
今期は期初段階から上期は減収減益の予算組みとなっていたものの、販売自体は通期
の引渡計画戸数868戸に対して327戸とまずまずの進捗となりました。トップラインが底堅
いにもかかわらず、利益の落ち幅が大きいのは本社増床による家賃増と30名もの人員
増強による人件費の増加が主な要因となります。
なお、2019年10月期通期予算については、期初のものをそのまま据え置いており、売上
高が前期比37.7%増の231億円、営業利益は同1.4%増となる17.0億円を予想しています。
予算前提となる引渡戸数は、実績期を242戸上回る868戸を見込んでおり、期初段階では
棚卸資産の枯渇により“売るものがない”状況でしたが、半年前との比較では、56.4億円
から108.3億円まで大きく積み増しており、上期に仕入れをかなり積極化させたことが伺
えます。ちなみに去る9月11日に3Q決算が開示されておりますが、前年同期との比較で
売上高が16.4%、営業利益が▲20%減まで持ち直しているほか、会社側は計画超で推移
している旨アナウンスしているため、通期予算は守られる可能性の方が高そうです。
当社は中長期的な経営目標値を開示しておらず、翌2020年10月期の仕入も半分程度に
留まっていましたが、公募増資による財務余力増加、販売実績のスケール化、東証一部
指定替えによる信用力増加により、足許では仕入がかなり順調に進捗している模様です。
直近5期の成長モメンタムは、売上高CAGR30%、営業利益CAGR50%を実現しており、
さすがに今後は鈍化していくとみられるものの、会社側では向こう5年間も売上高&営業
利益CAGR20~30%を念頭に置いている模様です。
当社の顧客の約9割は女性公務員であり、リピートが多いという得意な顧客基盤となって
いるため、相対的にクレジットが高く、金融機関の不動産融資厳格化の影響を相対的に
受けずらいことが特徴となっています(地方の投資用アパートとは異なり、都心の新築の
区分物件は流動性が高くそもそも融資がおりやすい)。そのため、こうした顧客層に売り
切るだけの営業力と仕入れたモノさえあれば業績が立ちやすく営業マンの採用と仕入
れが順調な足許の状況を鑑みれば、2年先の2021年10月期までは不動産市況と金利
の動向に変調がないことを前提に、会社側予想レベルでの業績成長が期待できます。
当社は昨年4月の一部指定替え時にPOを実施し、@1,887円で約21.5億円の調達を済ま
せており、調達資金を物件購入資金に充当する方針でしたが、11月には2億円(2.0%)を
上限とする自社株買いを発動させています。PO実行半年後の自社株買いは資本政策上
褒められたものではなく、仕入れが進んでいないことを逆に証明しているような状況でし
たが、仕入れの進捗により状況は改善している模様です。なお、こうした一連の取り組み
により、自己資本比率は再度50%を割り込む水準となりましたが、依然として財務余力は
十分であり、今期の配当は配当性向30%基準を適用して47円配が予想されていますが、
数字の落着いかんでは50円程度まで上ぶれする可能性も十分あるものと考えています。
*参考記事① 2019-02-28 1,505円 OP
公募増資冷めやらぬ中で自社株買い&大幅増配、仕入不調か?グッドコムアセット(3475)。
*参考記事② 2018-10-06 1,875円 OP
一部指定替え時に多額の資金調達に成功、財務は一気に良化・グッドコムアセット(3475)。
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