【3287】星野リゾート・リート投資法人(東証REIT) OP
現在値 594,000円/1株 PER22.5 P/NAV1.08 4月分配 10月分配
星野リゾートをスポンサーとするホテル特化型。35%を下回るLTVなど堅実な財務戦略。
予想分配金は年2回の合計26,340円配で、分配金利回りは約4.43%となります。
星野リゾート・リートはかつて投資主優待制度がありましたが、既に廃止されています。
業績を確認していきます。
■2017年10月期 営業収益 46.4億円、経常利益 20.6億円 DPU 11,959円
■2018年4月期 営業収益 55.4億円、経常利益 26.2億円 DPU 12,338円
■2018年10月期 営業収益 58.0億円、経常利益 28.3億円 DPU 12,796円
■2019年4月期 営業収益 59.2億円、経常利益 28.7億円 DPU 12,974円(6/14)
■2019年10月期 営業収益 60.8億円、経常利益 29.0億円 DPU 13,110円 ce
■2020年4月期 営業収益 60.6億円、経常利益 29.3億円 DPU 13,230円 ce
2019年4月期の決算は、営業収益が前期比2.1%増の59.2億円、経常利益が同1.1%増の
28.7億円とほぼ予算通りの水準で着地しました。収入面では「界 鬼怒川」や「リゾナーレ
熱海」の変動賃料の発生が開始されたほか、期末にかけて3物件をデットで取得(後述)
したため、一部物件における固都税の費用化開始や、修繕費の増加などを飲み込んで、
予算水準の業績を確保しました。なお、分配金については、前期比+178円、予算比+56
円となる12,974円で落着しています。
進行期である2019年10月期の予算については、営業収益が2.7%増の60.8億円、経常利
益が1.4%増の29.0億円を見込んでいます。昨年12月に鑑定NOI5.8%で取得した「界 アル
プス」および、本年3月末に鑑定NOI6.9%で取得した「ニラカナイ西表島」、鑑定NOI6.5%
で取得した「日航高知旭ロイヤル」の3物件・計89億円分(加重平均NOIは6.4%)が通期で
寄与します。当法人は歩合賃料の発生タイミングが遅れるので、本来であれば昨年6月
に発生した大阪北部地震や、9月の台風発生とそれに伴う関空閉鎖等によるマイナスの
影響(特に歩合100%のハイアットリージェンシー大阪)をこの期で受ける形であるものの、
これら3物件のデット取得によりオフセットした格好となります。それに伴い、分配金予想
についても、136円増となる13,110円を予想しています。
上述したとおり、ホテル売上の計上時期と実際の分配金発生時期が異なっているため、
翌2020年4月期まで昨年の地震や台風等の影響を引きずるものの、既に開示済である
翌期の分配金はさらに120円を積み増した13,230円を予想しているため、“出た目”の分
配金以上に、実力値は高い位置にあると言えます。
今後の成長戦略としては、従来のLTVのコントロールレンジを35%→上限40%に引き上げ、
レバレッジ効果が期待されるものの、実際は37%(足許35.7%)程度で運用するものとして
いるため、LTVを使った成長は限定的と言えそうです。ただ、足許の株価は600千円水準
まで回復してきており、NAVを十分上回っている水準にあることから、POによる外部成長
がメインシナリオです。スポンサーである星野リゾートの物件パイプラインが1,000億円程
あるほか、これとは別に「星のや沖縄」や話題の「OMO7大阪新今宮」を含む政投銀との
共同ファンドのパイプラインがあるため、玉は十分に用意されています。当法人は2020年
のAUM目標2,000億円を掲げているため、年間200~250億円は買っていかねばならず、
否が応でもPOが意識されてくる局面にあると言えそうです。
また当法人は、地震等の影響が無くなる2020年10月期以降は、内部成長だけで分配金
の年率4%成長を目標としているため、無事にPOが実現されれば、年率「5%+α」、程度の
分配金成長が期待出来そうです。
*参考記事① 2019-03-01 532,000円 OP
地震・台風影響をLTV引き上げでカバー、星野リゾート・リート投資法人(3287)。
*参考記事② 2018-10-09 551,000円 OP
REIT屈指の低LTVで、高いDPU成長に期待・星野リゾート・リート投資法人(3287)。
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