中小型株への“参加コスト”を改めて考える時期。 | なちゅの市川綜合研究所

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ここ2週間ほどで大型株の株価が急速に持ち直してきたこともあり、ややその傾向は薄れ

てはいますが、大型株は依然割安であり、中小型株は相対的に割高だと考えています。

 

ちょっと前の大型株であれば、ダーツを投げて適当に銘柄を選んでも、PER1桁・配当利

回りは4%どころか5%近い銘柄もザラにあった状況であり、大型株は成長角度が緩いとか、

円高や米中貿易摩擦の影響などのネガティブなマクロ要因はあるものの、それを補って

余りあるようなバリュエーションで完全に放置されていました。

 

いま持ち直している相場は、下方へオーバーシュートし過ぎた大型株が、ショートカバー

を巻き込んで跳ねているので、超短期的には過熱感があることは事実です。それでも、

成長期待だけで値持ちしていたような中小型株については、その“化けの皮”が剥がれ

はじめている銘柄が多くなっている印象であり、個人投資家の多いこれら銘柄(マザーズ

市場等)は需給が緩むと堰を切ったように売られ続ける性質があるため、株券需給面での

懸念も意識され、やはり大型株が相対優位になろうかと思います。

 

これは当方の個人的な見方ですが、成長期待のある中小型株で「毎年2桁の利益成長

を目指します!」なと予算段階で公言しつつも、アクチュアルでは8%成長止まりとかそう

いう銘柄は実際のところかなり多く、大した成長角度が実現出来ないのであれば、やはり

大型株に近いバリュエーションを適用すべきだと考えています。例えば、年率8%成長しか

出来ないのであれば、それくらい成長出来る大型株はある程度ありますし、配当も4~5%

まではいかなくとも、3%くらいはついたりするので、配当利回りが無配だったり1%以下だ

たりする中小型株をわざわざ選好する理由は乏しい、というのが正直なところです。

 

ちなみに私は大した配当も出ない中小型の成長株を買う場合、実務的には4~5%の金利

(配当スプレッド分)を払って借金してまでほしい銘柄かどうかを考えるようにしています。

そもそも決算プレイなどをしている個人の市場参加者は、中小型株がそもそもハイリスク

商品であることを忘れがちな御仁もおられるので、余計なお世話様ながら老婆心まで。

 

 

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