【1726】ビーアールホールディングス(東証一部) OP
現在値 312円/100株 PER11.6 PBR2.05 3月配当優待 9月配当優待
極東興和が中核。中国/関西のPC橋梁中堅。MAでエリア拡大し全国化。
配当は3月末・9月末の年2回・合計8円のため、配当利回りは2.56%となります。
ビーアールホールディングスは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末の単元株主
に500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.76%となります。
(※1年超の継続保有が必要。なお、10単元保有の場合は3,000円分のクオカードを進呈)
業績を確認していきます。
■2016年3月期 売上高 208億円、経常利益 4.5億円 EPS 14.4円
■2017年3月期 売上高 243億円、経常利益 13.2億円 EPS 24.8円
■2018年3月期 売上高 236億円、経常利益 16.3億円 EPS 26.3円
■2019年3月期 売上高 273億円、経常利益 14.1億円 EPS 18.9円
■2020年3月期 売上高 340億円、経常利益 17.0億円 EPS 26.8円 ce
□2019年6月1Q 売上高 63.3億円、経常利益 0.9億円 EPS 0.9円(8/6)
□2019年9月2Q 売上高 110億円、経常利益 3.0億円 EPS 3.8円 四e
2019年3月期の売上高は前期比15.5%増の273億円、経常利益は同13.3%減の14.1億円
となり、大幅な増収となった一方、利益は期初の増益予想から一転して減益となりました。
昨年7月に発生した西日本豪雨による工事遅延や、その復旧活動にリソースが割かれた
ものの、主力の建設事業についてはNEXCO向けの架橋工事、床板取換工事や、鉄道・
運輸機構(JRTT)のトンネル工事などが順調に進捗しました。その一方で、コンクリートの
二次製品の生産を行う子会社工場の製造ライン見直しにともなう選別受注により、製品
販売事業の売上が大幅に減少したほか、稼働低下により固定費負担も重くなった結果、
商品評価損の計上などを余儀なくされ、同セグが全社業績の足を大きく引っ張りました。
進行期である2020年3月期の予算については、売上高が24.4%増の340億円、経常利益
は20.1%増の17.0億円を予想しています。トップラインから2割を超える大幅な増収の継続
を見込んでおり、これは建設事業における期初の受注残高が前年同時期よりも80億円
多い485億円を既に確保していることが予算根拠となります。JRTT向けの鉄道貨物向け
工事や、NEXCO向けの架橋工事で豊富な受注残を抱えており、例によって下期に検収
時期が偏重するとみられるものの、高速道路のPC床版工事等が貢献する見通しです。
また、実績期減益の要因となった生産子会社工場における製造ライン変更についても、
今年の8月からはPC床版の新設ラインが稼働を開始する予定となっています。
当社は2016年9月の公募増資と自社株売りで、約12億円の調達を済ませ、NEXCO3社で
約3兆円の事業予算を有するとされる「高速道路リニューアルプロジェクト」の受注を意図
したPC床等の生産工場の設備増強を実施しております。既述のとおり、生産ラインを新設
・増強は今期でほぼ完了する見込みであり、足許の受注についてもNEXCO等からの橋梁
受注が非常に増えていることを鑑みると、概ねエクイティー・ストーリーの通りに展開でき
ているような印象を受けます。実際に今期は過去最高の売上高及び利益を見込んでい
るものの、トップライン成長のモメンタムが特に加速する見通しであり、生産面はともかく、
あとは工事受注をこなせるだけの人材確保難と(働き方改革の対策含む)労務費が上昇
基調にある中で、価格転嫁による利益スプレッドの確保が焦点となります。
なお、配当についても【2→3.5→5.5→7→8円(予】、と増配基調を継続していますが、
当社は通常の橋梁・土木ゼネコンとは異なり、PC床版などの生産機能を有する工場を
有しているので、今期で一巡する見込みではあるものの、今後も工場の設備投資と資
金需要があるものとみられます。そのため、今期は配当性向30%となる8円の配当を予
想していますが、これは財務状況を勘案するに妥当な還元水準にあると考えられます。
*参考記事① 2019-01-16 326円 OP
西日本豪雨あり進捗鈍いが、受注爆発で巻き返し期待・ビーアールホールディングス(1726)。
*参考記事② 2018-08-06 473円 OP
受注残高は飛躍的な増加、豪雨復興特需も・ビーアールホールディングス(1726)。
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