【6073】アサンテ(東証1部) OP
現在値 1,912円/100株 PER13.4 PBR1.88 3月配当優待 9月配当優待
住宅用白アリ防除のトップ。東北、関東から京都まで営業網。JAと提携。
配当は3月末・9月末の年2回・合計60円配当のため、配当利回りは3.14%となります。
アサンテは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点の単元以上保有株主に対し、
三菱UFJニコスのギフトカード1,000円分を年2回進呈しておりますので、配当優待利回り
は約4.18%となります。
業績を確認していきます。
■2016年3月期 売上高 132億円、営業利益 23.3億円、EPS 120.4円
■2017年3月期 売上高 138億円、営業利益 16.8億円、EPS 102.6円
■2018年3月期 売上高 139億円、営業利益 21.3億円、EPS 114.3円
■2019年3月期 売上高 145億円、営業利益 22.8億円、EPS 122.8円
■2020年3月期 売上高 154億円、営業利益 26.1億円、EPS 141.9円 ce
□2019年6月1Q 売上高 42.9億円、営業利益 8.7億円、EPS 47.4円(8/6)
□2019年9月2Q 売上高 85.6億円、営業利益 17.5億円、EPS 95.6円 ce
2019年3月期の売上高は前期比3.7%増の145億円、営業利益は同7.2%増の22.8億円と
なり、期初予算を若干下回ったものの増収増益は確保しました。主力の白蟻対策につい
ては、前期より開始した営業プロセスの標準化取組による落ち込みが一巡したものの、
受注の繁忙期である夏場の猛暑が原因となり、見込みより低調に推移しました。利益
面については、人材の採用難により結果として労務費が“浮き”となったものの、その分
下期にかけて求人費を積み増したほか、インセンティブ報酬と福利厚生費の増加等に
より、利益率としては鈍化した格好となりました。
進行期である2020年3月期の通期予算については、売上高が6.4%増の154億円、営業
利益は14.4%増の26.1億円と2桁の増益を予想しています。白蟻の飛翔期にCMや新聞
折込、WEB広告を大量投入して拡販を図るほか、スポンサーである川崎フロンターレを
活用したプロモーションを積極活用する方針です。なお昨日8月6日に1Q決算が開示さ
れておりますが、通期で増収増益計画ではあるものの、売上・利益ともに横ばいに留ま
っています。これは春先の朝晩の冷え込みにより、白蟻の飛翔期と2週間ほどのズレが
生じ、CM等の投入時期とミスマッチが生じたことで、営業効果が薄れたことに由ります。
本来的には1Qが最繁忙期であるため、通期予算に対して大きくビハインドの状況です。
当社はローリング式の3年中計を公表しており、売上高CAGR6%&営業利益CAGR10%
を目指しています。ただロール前の3年中計のマイルストン目標として、2021年3月期に
売上高165億円・営業利益28.8億円の業績目標を掲げていたことを踏まえると、数値的
には全くロールしておらず、形式上1年先の最終年度の業績目標値を取り敢えず置いた
だけに留まっています(実績期の業績が未達だったため、ハードル自体は難化している)。
当社は基本的にほぼ完全に労働集約型の「人工(にんく)商売」のため、業績拡大のため
には社員数は確実に増やしていく必要があるものの、3K職場であることから、思うように
人材の確保が進んでいないような状況です。今期予算前提となる期中人員数は、1年前
比で2%(20人)多い1,034人を計画しているものの、離職率があまり良化していないことも
あり、人員自体は殆ど増えていないような状況です。苦肉の策として、スタッフを営業職
にコンバートしたり、広告費を積み増すなどして単価増による売上高増加を図っているも
のの、横ばいが精々であり、成長路線への回帰には相応の時間が要するとみられます。
なお、株主還元については、ほぼ無借金かつ75億円を超えるネットキャッシュを保有して
いるほか、設備投資が殆ど不要な商売ということもあり、配当性向40%水準で継続的に増
配【15→20→25→32→40→46→50→54→60円(予】しています。それでも今期の予算に
照らせば、配当性向は42%強の水準であるため、もう一段の増配余力があるものと考え
ており、早ければ今期中に「62~64円」まで上乗せしてくる可能性は十分ありそうです。
*参考記事① 2019-02-12 2,189円 OP
今期は順調だが、採用難が中長期的な成長の重しに・アサンテ(6073)。
*参考記事② 2018-06-28 2,117円 OP
新規拠点開設なく中計減額修正も、地震対策に活路・アサンテ(6073)。
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