【6073】アサンテ(東証1部) ---
現在値 2,117円/100株 PER16.3 PBR2.24 3月配当優待 9月配当優待
住宅用白アリ防除のトップ。東北、関東から京都まで営業網。JA提携。
配当は年2回・合計54円配当のため、配当利回りは2.55%となります。
アサンテは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点の単元以上保有株主に対し、
三菱UFJニコスのギフトカード1,000円分を年2回進呈しておりますので、配当優待利回り
は約3.49%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 126億円、営業利益 22.9億円、EPS 115.2円
■2016年3月期 売上高 132億円、営業利益 23.3億円、EPS 120.4円
■2017年3月期 売上高 138億円、営業利益 16.8億円、EPS 102.6円
■2018年3月期 売上高 139億円、営業利益 21.3億円、EPS 114.3円(5/8)
■2019年3月期 売上高 145億円、営業利益 23.8億円、EPS 129.2円 ce
□2018年9月中 売上高 81.6億円、営業利益 16.7億円、EPS 92.5円 ce
2018年3月期の売上高は前期比1.0%増の139億円、営業利益は同26.7%増の21.3億円となり
期初予想を下回ったものの、増収増益を確保しました。主力の白蟻対策は更新防除が堅調
に推移したものの、前期から実施した営業プロセスの標準化取組による一時的な受注鈍化
により、新規防除が伸び悩みました。それでも4Q単独期間から新規防除も持ち直しに転じ、
中間時点では大幅未達が濃厚な状況でしたが、期末にかけてある程度巻き返しました。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が4.2%増となる145億円、営業利益
は12.1%増の23.8億円を予想しています。一昨年に大量採用した営業人員の本格的な戦力
化が見込まれるため、西日本エリアでの展開拡大を図ります。また、本年よりJリーグ(J1)
「川崎フロンターレ」とスポンサー契約を締結したほか、従前より実施しているテレビCMや、
チラシ・web広告、“白蟻犬”といった広告費用を積極的に投入する方針であり、ある程度
広範囲となった事業エリアや売上の規模を活かし、スケールメリットを追求する意向です。
当社はローリング形式の3年中計を公表しており、売上高は年率約6%の成長、営業利益は
年率約10%程度の成長を目指しています。従前の中計では営業利益CAGR17%程度を計画
していましたため、成長モメンタムはかなり鈍化した格好となります。基本的に‘人工商売’
となるため、トップライン成長のために採用数を確実に増やす必要がありますが、おそらく
会社側は昨今の雇用環境を鑑み、悲観的な見通しに変更したものと推察されます。また、
営業拠点については21の都府県に14支店を設置していますが、支店については2015年の
奈良支店を最後に出店が滞っているため、既存拠点での売上増加を念頭に置いた上で、
伸び盛りの地震対策(基礎補修・屋根補強)といった周辺受注を増やす方針とみられます。
(奇しくも注力展開エリアである関西では直近で地震が発生したため、特需もあり得ます)
なお、株主還元については、ほぼ無借金かつ65億円を超えるネットキャッシュを保有して
いるほか、設備投資が殆ど不要な商売ということもあり、配当性向40%基準により継続的
に増配【15→20→25→32→40→46→50→54円(予】しています。それでも配当性向は、
2017年3月期の44.8%をピークに減少してきており、利益の伸びよりも増配幅が鈍化して
いるため、今期は予算水準の確保を前提に56~60円までは増配余地があると考えます。
*参考記事① 2018-02-14 1,797円 ---
今期業績は未達確実圏も、株主還元強化に改めて期待・アサンテ(6073)。
*参考記事② 2016-07-23 1,536円 ---
今期減益も配当性向は40%へ。ハイピッチ増配継続中のアサンテ(6073)。
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